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「朝食のお時間です」
ソルの言葉に、ハッとした
そうだ、また悪夢が始まる
甘えてなんていられない
皿の上に乗る朝食をみて、ゴクリと唾を飲む
大丈夫、これまでだって耐えてきた
そう思い、朝食を一口、口に運ぶ
「っっ!?」
喉が焼けるように痛い
これまでに感じたことのないほどの痛み、
本能が死を告げている
視界が眩む
私は、ちゃんと座っていられているのだろうか
「イアナ様…?」
だれ…
もう何もわからない
息が、できない
「はぁっ…かひゅ…はぁはぁっ!」
「イアナ様!」
誰かの手が、私の背中に回る
この人は私を殺そうとしていたのに、
不思議と安心する
「深呼吸してください」
いつも無表情なソルが、珍しく慌てている
私のために、こんな表情をしてくれるんだ
嬉しいなぁ…
そこで、私の意識は途切れた
「…ァナ様!イアナ様!」
「ソル…」
「お気づきになられましたか」
まだ体がだるくて起き上がれない
「まだ起き上がらないでください」
「…どういうことか、説明してくれますか」
嫌だ…
私は誰にも頼らない
弱音を言わない
そう決めた、はずだったのに
「ソル…私…っ」
ヨミと話したあの時から、私はどうなってしまったのだろうか
私は、こんなに弱い人間だったのだろうか
「イアナ様、話していただけますか」
情けなく泣きじゃくる私に、ソルは優しく問いかける
「いつも…辛くて…耐えてきたけど…っ…もう…嫌…!」
言い終わるか終わらないかくらいのとき、ソルは私を抱きしめた
傷つかないよう、そっと。
「もう…誰にも貴方を傷つけさせません」
その体制のまま、数分無言で過ごした
ソルの手の中は心地よかった
「イアナ様、なにがあったか、話せますか」
そうして、私は、これまで食事に毒が盛られていたこと、それを隠していたことを、全て話した
話し終わったあと、ソルは見たことがない顔をしていた
「なぜ…話してくれなかったのです」
「だって…私が誰かを頼ったら…その人まで不幸にしてしまう…っ」
「あなたが…全部、背負う必要はないんです。
辛いことも、頼り頼られ、協力すれば、乗り越えられます」
「俺を…頼ってください」
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