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世利里🗝️🫧🖤(サブ垢)
チャクラ宙返り
木の葉隠れの里、うちは一族の居住区域。深い闇に包まれた夜。
辺りには不気味な静けさが漂っていた。
イタチは月光に照らされた一族の街並みを見下ろしていた。
彼の写輪眼が赤く輝いている。
風が吹き、彼の黒髪が月明かりに揺れた。
イタチは深く息を吐き、微かに震える手を見つめている。
そしてその姿は、夜の闇の中に溶けていった──
ふと、大きな物音で夜中に目が覚めたミズノ。
「何の音……?」
隣の部屋で寝ているイズミを起こしに行く。
「ねぇ、お姉様!!起きて!外からすごい音が聞こえたの!」
イズミが気だるそうに目を覚ます。
「え?すごい音……?お母様が起きてるんじゃない…?」
「ううん。外から聞こえたの。なんか嫌な予感がする……」
イズミとミズノは母の寝室に向かったが、誰もいなかった。
家中を探しても、見つからない。
「お母様、一体どこにいっちゃったの……」
イズミが呟く。
──すると、外から叫び声が聞こえた。
イズミとミズノは見つめ合う。
「ミズノ、外に出るよ……」
「うん……」
イズミはミズノに後ろに隠れながらついてくるよう指示し、玄関のドアをゆっくりと開けた。
──外の様子を見て二人は言葉を失う。
「え……?お母様?みんな……?」
家の前で血を流し、生き絶えた母。
そして、逃げ惑う人々の姿。
2人は状況を飲み込めず、動けない。
すると──
頭上から音もなく、誰かが目の前に降りたつ。
その手には血に染まった刀を持っていた。
「イタチ君!?」「イタチお兄様!?」
イズミとミズノが、同時に彼の名を呼ぶ。
「……」
月明かりに浮かぶ表情から、彼の気持ちは読み取れない。
「これは……まさかイタチ君が……?」
イズミは、彼が持っている血に染まった刀を見つめながら問う。
「お姉様!イタチお兄様がこんな事するわけない!!
襲ってきた誰かと戦ってたんだよね?私達のこと、助けにきてくれたんだよね?このままじゃみんなが殺されちゃう……一族を守らないと!!私達も一緒に戦う!」
イズミとミズノの写輪眼が赤く光を放つ。
イタチは何も答えず、静かに二人を見据えている。
「一族を守る、か……」
すると一瞬で移動し、万華鏡写輪眼で二人を見つめた。
「……!!」
イズミとミズノは、イタチの幻術の世界へとおちていく──
イタチは意識を失った2人を瞬時に支え、静かに地面へ横たえさせた。
「許せ、イズミ、ミズノ……」
そして再び刀を握りしめ、闇の中へと消えて行くのだった。
──どのくらいの時間がたっただろうか。
ミズノの瞼が開き、ゆっくりと意識が戻ってきた。
「うっ……頭が、痛い……私……?」
痛む頭を抑えながら横を見ると、イズミが横たわっている。
その身体はぴくりとも動かない。
「お姉様!!!!」
ミズノはイズミの身体を揺すりながら必死に呼びかけ続ける。
「う……」
イズミが苦しげな表情で言葉を発した。
「お姉様!!よかった……!待ってて今……」
すると、イズミは印を結ぼうとするミズノの手を掴みながら、息も絶え絶えに語り始めた。
「その力は、使っちゃだめ……」
「大丈夫!お姉様を助けたいの……!」
すると、イズミは震える手で自分の両目を取り出し、ミズノに差し出しだす。
その目を見てミズノは、はっと息を呑んだ。
「万華鏡……写輪眼……!?」
イズミの手の上で、花の弁の模様が4つ浮かぶ瞳が赤い光を放っている。
「前にね……イタチ君とシスイさんの会話を……聞いちゃったんだ。最も親しい人の死が、万華鏡写輪眼を開眼させるって……」
イズミは荒い呼吸を繰り返す。
「あの優しかったイタチ君が……お母様の命を奪った。
私たちの仲間も、そして私とミズノの事も……夢であってほしかった……ミズノ、あなたもこの後……だから、託すの……」
「どういうこと?わからないよ……!お姉様……」
ミズノはイズミから眼を受け取るも、理由がわからない。涙がとめどなく溢れ出てくる。
「万華鏡写輪眼は……力を使うと視力を失っていくみたいなの……。
でも……誰かの万華鏡写輪眼を移植すれば、永遠の万華鏡写輪眼を手に入れられるって……」
ミズノは大きく首を振る。
「永遠の万華鏡写輪眼なんて……そんなのいらない!!
いらないから、お姉様……お願いそばにいて……!!
いやだよ!!」
イズミは、手探りで泣いているミズノの顔を探し当て、涙を指で拭きとった。
「ミズノならイタチ君を……助けてあげられる気がするの。私にはもう……出来ない。
イタチ君はきっと何か理由があって、一人で苦しんでる。
私の目を移植して。ずっと……ミズノの側にいられるから……」
イズミの瞼が塞がっていく──
「イタチ君を……助けて……」
「お姉様……!!!」
イズミから身体の力が抜け、パタリと地面に手が落ちた。
「うっ……ううっ……」
ミズノは嗚咽を漏らす。
姉のそばから離れられず、泣き続けた。
──流す涙も枯れ果てた頃、ミズノは血で染まった両手を静かに広げる。
しばらくイズミの万華鏡写輪眼を見つめていた。
そして、顔を上げる。
彼女の瞳には、姉と似た模様の花の弁が4つ。
静かに、だが確かに、万華鏡写輪眼が宿っていた。
ミズノが目に手を当てると、緑色の光が発光する。
そして自分の目と引き換えに、姉の目を移植した。
痛みなのか、悲しみなのか──再び涙が溢れて止まらない。
(お姉様の言うとおり、イタチお兄様は何かに苦しんでいる。だから様子がおかしかったんだ……お兄様は理由もなく、こんな事をする人じゃない)
ミズノは、ゆっくりと瞼を開いた。
ぼやけた視界が鮮明になっていく──
あたりは静寂が支配し、血の匂いが漂っていた。
「!!サスケは……」
不安がよぎる。
しかし、ミズノには絶対的な確信があった。
「お兄様がサスケを傷つけるわけない……!
今はとにかく助けを呼ばなきゃ!!火影様に助けてもらわないと!!」
ミズノは急いで駆け出した。
ミズノが火影の元へ向かっている頃──
イタチは──自分の父と母を手にかけた。
その光景を見たサスケに、万華鏡写輪眼開眼の秘密を告げる。
そしていつか俺と同じ眼を持って、オレの前に来いと復讐の念を抱かせていたのだった。
息を切らしたミズノは火影室前に到着し、中に入ろうとドアに手をかけようとしていた。
すると中からヒルゼンとダンゾウの話し声が聞こえた。中に入るのを躊躇っていると、“イタチ”という言葉が聞こえてくる。
ミズノは隠れて2人の会話を聞くことにした。
──すると衝撃的な事実を聞くことになる。
イタチは、うちはと木ノ葉のスパイとして二重の生活を送っていた。そしてうちは一族はクーデターを計画していた。
彼は里と忍界の平和の為に、木の葉の上層部から命じられ、任務としてうちは一族を抹殺した。
これは極秘情報であり、真実を知るのは、現在木の葉上層部の三代目火影・猿飛ヒルゼン、志村ダンゾウ、相談役の水戸門ホムラとうたたねコハルの四人。
さらには暁という謎の犯罪者集団へスパイとして潜入させ、内部から見張らせる。
しかも許せないことに、ダンゾウはサスケを、イタチとの”交渉材料”だと言い放っていた。
ミズノは怒りと悲しみで身体の震えが止まらない。
(お兄様に全部押し付けて、しかも犯罪者集団のスパイなんて……お兄様だけに全て背負わせるの?どうして?
みんなに恨まれ、里を抜けて犯罪者に……。
しかもサスケを……お兄様の弟を思う気持ちを利用した。
こんなの……おかしい!くやしいよ!!)
ミズノは一人声を押し殺し、涙を流していた。
──火影室から遠く離れた場所で、里を見下ろすように立っている1つの影。
写輪眼が月光に反射して赤く輝く。
そして、その影は暁のマントをはためかせながら、夜明けが近づく空に消えて行った──
ミズノはダンゾウが火影室から去った後、ヒルゼンの前へ姿を現す。
「ミズノ!?なぜ……!?まさか、今の話を……全て聞いていたのか?」
「どうして……ですか?こんな方法しか、なかったんですか?」
ミズノは泣き腫らした瞳で、ヒルゼンを見つめ続けている。
ヒルゼンは深いため息をつく。
そして大きく息を吸った。
「お前達一族も守りたかった……しかし、里を守る為の苦渋の選択だったのじゃ。イタチにしか頼めず、弟のサスケを人質にしてしまった……すまぬ……」
ミズノは謝罪を受け止められず、目を背ける。
「サスケは生きているんですね……」
それだけは、彼女の救いだった。
「ああ。里の上層部からサスケを守るよう、イタチから頼まれた。サスケは必ず、わしが守ろう。
ミズノ、お前には酷な事だとわかっているが……里の為に犠牲になったイタチの覚悟を蔑ろにしないよう、この事は決して他言無用じゃ」
ミズノは受け入れたくなかった。
しかし、力も、強さも、経験も──今の自分には全く足りていない。
里を相手にする事も、大切な人を助けることすらもできないとわかっていた。
「わかりました。絶対に誰にも話しません。
火影様……あなたが私に修行をつけてくれるなら」
ヒルゼンは困惑の表情を浮かべるも、短く息を吐いた。
「わかった……お前にできる限りのことはしよう。
しかし……」
ヒルゼンはミズノをしっかりと見据えて警告する。
「木ノ葉の上層部にとって、サスケは“人質”であり、イタチとの”交渉対象”じゃ。
だが、お前には“イタチのような存在”がいない。
生きていると知られた瞬間に、確実に狙われる。お前の……命を守る方法を考えねばならん」
ミズノは全く怯まなかった。
「たとえ狙われたとしても……絶対に生き残ってみせる」
ヒルゼンは目を瞑りながら俯き、しばらく考え込んでいる。
──すると策を思いついたのか、静かに顔を上げた。
「術で姿を変え、名前を”やかぜラン”と名乗り、里の前で行き倒れているように演じるのじゃ。
そこからは……わしがなんとかする」
──次の日、ミズノが姿を変えた”やかぜラン“は里の門の前で倒れているところを木ノ葉の忍に保護された。
彼女はとある小さな村の生まれで、村を山賊達に襲われ両親を殺された孤児。
一人村から逃げ、木の葉の里の前で力尽きていた。
まだ幼い子供の為、里で保護し育てていくとヒルゼンは上層部等と話し合い、なんとか上手く皆を納得させた。
──忍術アカデミー入学式
大勢の人々の中を一人、黒いフードの影に金色の髪と翡翠の眼差しを潜ませた少女が歩いていく。
(お兄様を救う為なら……完璧に”やかぜラン”を演じてみせる)
ミズノは強い思いを胸に、再びアカデミーへ入学したのだった。
あの夜の喪失の果てに残されたものは、深い悲しみと癒えることのない痛み。
しかし彼女の瞳の奥には、強い決意が芽生えていた──
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