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「ほら、あの人あの人…!!」
昼休み、俺はいつも通り本を読み、暇を潰す。
…その時、そんな声が聞こえ、チラリと声のする方向を見やれば
嗚呼、あの人か。
と、声の在処に納得する。
五十嵐 凛音。
この学校の生徒会長で、容姿端麗、文武両道の筋金入りのお嬢様。
彼女は完璧で、何事もミスなど無くこなして見せる凄い人
俺は、彼女に恋をしている、否、皆恋をしているだろう、彼女に。
性別等関係無く、彼女には人を惹きつける才能…カリスマ性がある。
…それは全て才能なのか
血のにじむような…なんて表現では生ぬるい程の努力なのか。
それは俺に知りなどしないが、少なくとも彼女に惚れ込んでいない人は居ない
間違いなく。
彼女に声を掛けることすら出来ない臆病者でも、チャンスはあるだろうか?
…否、無いのだろう。
仕方ないが、こんな陰キャには、程遠い。
私はモテる、またしても、自ら言う事では無いが、これもまた事実で。
生徒全員から惚れられてるのでは無いか?と思う程、私はモテる。
告白だって何度もされてきた、一度も受けた事は無いが。
…見合いで、私にはもう相手が居るからだ。
私に劣るといえ、美貌と、勉学に長けているお方。
…彼は、完璧に近しくて、私はとてもじゃないが好きにはなれなかったが。
居ないのだろうか、昔憧れた白馬の王子様、という奴は、
少女漫画ならば、そろそろ出会っている頃合いだ。
少女漫画の登場人物も、完璧が多くて好まない。
だが、そんな出会いは、してみたい。
この完璧を崩して、誰か、なんて、我儘だろうか_?