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結婚を推進する学校へ!!
「これから、あなたたちは『婚約者』を見つけ、一緒に生活をしていきます。そして、卒業式の日にお互いの気持ちが本当に通じ合ったら、結婚することが推奨されています。しかし、結婚するかどうかはあなたたちの自由です。卒業式の日に結婚することが必ずしも決まっているわけではありません」
校長先生の声が教室に響く。
ここは「聖エターナル学園」。結婚を推進している学校だが、卒業式の日に結婚するのは、あくまで生徒自身の選択に任されている。結婚を推奨するけれど、強制ではないというスタンスだ。
「結婚…本当にするのかな…?」
私は心の中で呟いた。天城(あまぎ) ひまり、16歳。
家族はいないからこそ、誰かと一緒に生きることには憧れがあったけれど、この学校のルールは少し変わっていると感じていた。結婚が推奨されているだけで、強制されるわけではないことに、少しほっとする自分がいた。
「それでは、パートナー発表を行います」
校長先生の言葉に、教室が静まり返る。
私もその一員として、名前が呼ばれるのを待っていた。
(どんな人が相手なんだろう…優しい人がいいな)
そんな風に思っていると、ついに私の名前が呼ばれた。
「天城ひまりさん。あなたのパートナーは…氷堂(ひょうどう) 凌雅(りょうが)さんです!」
「えっ…?」
目の前に立っていたのは、氷堂凌雅。銀色の髪、鋭い目つき…そして、冷たい雰囲気をまとった彼だった。
「…何か用か?」
その冷たい一言に、私は驚きのあまり、言葉を失った。
「お前に何か用事があんのか?」
「えっと…」
彼は少し不機嫌そうに言い、私をちらりと見ただけで、背を向けた。
「とにかく、これから一緒に過ごすことになる。あまり干渉してくるなよ」
その言葉に、私はただ呆然とするしかなかった。こんなに冷たい人が私のパートナーだなんて…信じられなかった。
(でも、これからどうなるんだろう…?)
この学校のルールでは、卒業式の日にお互いに心が通じ合っていれば結婚することが推奨されているけれど、それが決まっているわけではなく、あくまで選択肢。私はどうするべきだろう…。