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あっぷるぱい
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橘 柚
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番外編
番外編「潔に好きな人ができた日」
朝。
ブルーロック学園、1年A組。
「おはよー!」
いつも通り、潔が教室に入ってきた。
「おはよう、潔」
凪が手を上げる。
「おはよ!」
「……今日、なんか機嫌いい?」
「え?」
「いつもより楽しそう」
「そうかな?」
潔は自分の席に座る。
そして――
「実はね」
「?」
「昨日、すっごく嬉しいことがあったの!」
その瞬間。
凪が顔を上げる。
玲王も。
千切も。
凛も。
蜂楽も。
教室中の男子が潔を見る。
「何があったの?」
玲王が聞く。
潔は少し恥ずかしそうに笑った。
「……好きな人ができた!」
「…………」
時間が止まった。
「…………え?」
凪の声が消える。
玲王は固まる。
千切は目を見開く。
凛は完全に動きを止める。
蜂楽ですら、
「…………」
無言。
数秒後。
「「「「誰?」」」」
全員が同時に聞いた。
「え?」
潔が目を丸くする。
「誰って……」
「誰だよ」
凛が低い声で聞く。
「どんな奴?」
玲王も真剣。
「いつ知り合ったの?」
千切が尋ねる。
「どこの学校?」
雪宮まで参戦。
「何歳?」
士道。
「顔は?」
乙夜。
「性格は?」
氷織。
「潔、好き。相手、誰?」
黒名。
「……待て」
冴が口を開く。
「一人ずつ聞け」
「会長も聞くんじゃん」
烏がツッコむ。
冴は黙った。
「…………」
潔は困ったように笑う。
「えっと……」
そして。
「みんな知ってる人だよ?」
全員の顔色が変わった。
◆緊急会議
昼休み。
生徒会室。
なぜか全員集合。
「情報を整理しよう」
玲王が机に手を置く。
「潔には好きな人ができた」
「うん」
凪が頷く。
「しかも俺たちが知ってる人」
「……つまり」
烏が腕を組む。
「この中におる可能性が高い」
「…………」
全員が互いを見る。
士道がニヤッとする。
「俺じゃね?」
「違う」
凛が即答。
「なんでだよ!」
「潔が好きになるような奴じゃねぇ」
「テメェ喧嘩売ってんのか?」
「やめろ!」
玲王が止める。
「今はそんなことしてる場合じゃない!」
凪がぼそっと言う。
「……俺だったらいいのに」
「凪、お前もか」
玲王がため息。
「俺だってそうだよ」
千切が静かに口を開く。
「……僕も」
凛。
「…………」
「凛は?」
蜂楽が覗き込む。
「……俺もに決まってんだろ」
「だよね!」
◆本人に聞いてみよう
放課後。
潔が教室を出ようとした瞬間。
「潔」
「ん?」
凛が立っていた。
「……誰だ」
「え?」
「好きな奴」
潔は少し考える。
「秘密!」
「……!」
凛の顔が固まる。
「なんでだよ」
「恥ずかしいから!」
「…………」
凛は俯く。
「……そうか」
その横を通り過ぎようとした潔が、ふと振り返る。
「でもね」
「?」
「その人のこと考えると、すごく嬉しくなるの」
「…………」
凛の胸がズキッと痛む。
「一緒にいると楽しいし」
「……」
「笑ってるところを見ると、私も嬉しくなる」
凛は拳を握った。
「……そうか」
「うん!」
潔は笑う。
「じゃあね、凛!」
「……ああ」
潔が去っていく。
凛はその場に立ち尽くす。
「……誰だよ」
◆そして翌日
朝。
潔が教室に入ってきた。
「おはよー!」
「潔!」
凪が駆け寄る。
「好きな人、誰?」
「朝からそれ!?」
「気になる」
「秘密!」
「じゃあヒント」
「うーん……」
潔は考える。
そして。
「毎日会ってる人!」
「…………」
全員が凍る。
凪。
「俺?」
玲王。
「俺だろ」
千切。
「……僕?」
凛。
「……」
蜂楽。
「俺じゃん!」
雪宮。
「いや、僕の可能性も――」
氷織。
「毎日会う……」
烏。
「……全員やんけ」
乙夜。
「情報になってないじゃん」
黒名。
「難しい。難しい」
士道。
「面白ぇ!」
冴。
「……」
全員が冴を見る。
「何だ」
「いや、会長も候補だなって」
「……くだらない」
そう言いながら。
冴も少しだけ考えていた。
◆そして昼休み
潔が弁当を広げる。
「いただきます!」
みんなも座る。
いつものように。
潔の周りに全員が集まる。
「そういえば」
潔が言った。
「好きな人のこと、まだ気になる?」
「「「もちろん」」」
即答。
「ふふっ」
潔は笑う。
「じゃあ……」
少しだけ頬を赤くして。
「今日、本人に言おうかな」
全員、硬直。
「…………」
「…………」
「…………」
凪の手が止まる。
玲王が息を呑む。
千切が目を見開く。
凛の心臓が跳ねる。
蜂楽は口を開けたまま。
「……誰?」
凪が聞く。
潔は――
「えっと……」
少し照れながら。
「……この学校にいる人」
「「「誰!?」」」
「だから秘密だってば!」
潔は笑いながら逃げる。
「放課後まで待ってて!」
「…………」
全員、完全に固まった。
そして。
放課後。
校門前。
潔が一人の人物を見つける。
「あ!」
嬉しそうに駆け寄る。
「いた!」
その相手は――
「……潔?」
潔は笑顔で言った。
「昨日からずっと言いたかったの!」
「何を?」
潔は少し恥ずかしそうに俯く。
そして。
「私――」
「あなたのことが――」
「好き!」
「…………」
その場にいた全員が息を呑む。
潔が好きだった相手。
それは――
みんなだった。
「……え?」
全員が固まる。
潔は慌てて付け足した。
「だって!」
「凪も、玲王も、千切も、凛も、蜂楽も……」
一人ずつ名前を呼んでいく。
「みんなと一緒にいるの、すっごく楽しい!」
「みんなが笑ってると嬉しいし!」
「だから……」
潔は満面の笑顔。
「みんなのこと、好き!」
沈黙。
そして。
凪がその場にしゃがみ込んだ。
「……無理」
玲王は頭を抱える。
「……そういうことかよ……」
千切は顔を真っ赤にする。
「……本当に、君は……」
凛は顔を逸らす。
「……紛らわしいんだよ」
蜂楽は大爆笑。
「潔らしすぎる!!」
烏は腹を抱える。
「いやぁ……これは一本取られたわ」
氷織も笑う。
「最後まで天然やったなぁ」
乙夜。
「予想できた人いる?」
雪宮。
「……いないと思う」
黒名。
「潔、無敵。無敵」
士道。
「ハハハッ! 最高だな!」
冴は目を閉じて、小さく息を吐く。
「……そういう奴だったな」
潔は首を傾げる。
「え? みんなどうしたの?」
全員。
「「「…………なんでもない」」」
潔。
「?」
そして。
潔は笑った。
「じゃあ帰ろ!」
みんなが歩き出す。
いつものように。
潔の周りに集まって。
誰一人として離れずに。
――結局。
この日も。
ブルーロック学園は平和だった。
……たぶん。
番外編・完
コメント
1件
キャー!番外編も最高すぎる😭💕💕 潔の「好きな人ができた」宣言でブルーロックメンバー全員が固まるの、めっちゃ笑ったww そして最後のオチが「みんなのこと好き」って…潔らしすぎて尊すぎて死ぬかと思った!!笑 凪がしゃがみ込むとことか凛の「紛らわしいんだよ」にキュンときたよ🥺💘 作者様、番外編までありがとうございます!続きも楽しみにしてます🌸✨