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ルカ「あぁ…」
ルカは簡単に身支度して扉を開ける。
客室係「朝になりました。お客様」
客室係「入浴、朝食の用があればこちらでご用意致しますがいかがなさいますか?」
ルカ「入浴します…朝食は大丈夫です」
客室係「了解しました。着替えとタオルは1階の浴室前の棚に置かれてありますのでご自由にお取りください」
ルカ「あ…はーい…ありがとうございます…」
客室係「はい。では改めて準備をさせてもらいますので30分経った程に入浴なさってください」
ルカ「分かりました。それと近くの洗濯屋ってどこですか?」
客室係「当宿の隣にあります。看板に書いてあるので場所は分かると思います」
ルカ「あっ、あそこだったんですね」
客室係「はい。では、失礼しました」
客室係は扉を閉める。
ルカ「んー…30分後か」
ルカは部屋の壁にある時計を見て、30分後まで歯を磨いたり、外で新聞を買って部屋の中に戻り、記事を読んで時間を潰す。
ルカ「よし。そろそろ行こう」
ルカは2階から1階に降りて浴場に入る。
入浴を終え、宿屋の服に着替えて着ていた服を隣の洗濯屋で20テロ硬貨を支払って服を洗濯させる。
部屋で着替えを変えるなど身支度をして昼を待ち、その時外に出ると既に大量の人数で列を作っていた。
ルカ「凄い人数…」
ルカは楽しそうに笑顔で列に並び、闘技場の前席を取る。
時間が経ち、満席になったところで司会進行が出てきて演説を始める。
ルカは司会進行の能力で声の届く幅が広がっていることに気付く。
司会者「およそ30年前から初めたこの喧嘩祭り!毎年開催される度に新たな英雄が生まれるこの闘技場で!」
司会者「たった1人の勝者こそが!貴族と並ぶ地位も名誉をも手に入れることが叶う!」
司会者「それが!護神兵だ!護神兵の1人として得ることが許され!それが叶うのだ!」
司会者「選手入場だー!」
対面するように開かれた2つの門から1人ずつ現れて闘技場の真ん中まで歩く。
司会者「3年間魔獣を狩り続けた!右門から現れしその者をグランオン!」
司会者「対して!」
司会者「カテリー王都から来た者!左門から現れしその者をハイラ!」
司会者「始め!」
拳を構えた両者は殴り合い、後席にまで拳がぶつかる音が響き渡る。
その度に歓声が鳴り、グランオンを応援する声で溢れる。
ルカ「やれー!」
少しもしない内にグランオンがハイラの顎を打ってハイラが気絶して試合が終了する。
司会者「勝者!グランオン!」
結果と共に歓声を上げる声は1つに重なる。
試合終了時すぐに気絶したハイラ選手が左門の中に運ばれ、グランオンは自らの足で右門の中に戻る。
司会者「次の選手入場だー!」
司会者「5年連続喧嘩祭り出場者!右門から現れしその者をアーシェル・カルノ!」
司会者「対して!」
司会者「8名を捕らえた賞金稼ぎ!左門から現れしその者をラッカー!」
司会者「始め!」
両者が同時に門から中央まで歩く。
右門から現れたその者を誰もが息を呑んで目を奪われた。
赤い髪、赤い猫耳、赤い尻尾、中性的な顔立ちをしていた。
場に合わない高貴で華やかな服、ルカは噂を聞いたことがあった。
それは人を助けた噂から喧嘩から人殺しの噂まで流れていたことを知っている。
ルカは特にそのアーシェル・カルノという選手が気になり、目で追ってしまっていた。
試合が始まるとラッカーから仕掛け、右の拳で大振りに殴りかかったがアーシェル・カルノはむしろその拳を自身の右拳で殴り返す。
するとラッカーの右拳は弾き返され、アーシェル・カルノはその場で軽くステップを踏んでいる。
ラッカーは次々に殴りかかるがそれすら余裕で躱しながら後ろに下がっていく。
そうすると一部の観客は逃げていると怒号する。
アーシェル・カルノは両拳を前に構えたと思えば強烈な破裂音のような音が響き渡り、次にラッカーの叫び声が上がる。
よく見るとラッカーの両腕がブラブラと内出血を起こしており、腕の骨が両方折れていたようだった。
観客はぎょっとしたような声を上げる。
アーシェル・カルノは相手の攻撃を待つが、来ないと分かった瞬間にラッカーを担いで門に戻っていく。
司会者「勝者!アーシェル・カルノ!」
その声と共に拍手が広がる。
ルカ「…楽しんでいた」
ルカ「あんなに余裕を持って…」
ルカは次の試合が始まっても疑問が拭えずにいた。
次々に試合が終了し、勝者同士の試合が始まる。
司会者「アーシェル・カルノ棄権!」
司会者「次の選手入場はアーシェル・カルノに代わり、右門から現れしヒャバハン!」
棄権の知らせを聞いた観客達はひそひそと噂を立てる。
ルカも棄権したことに疑問を持ちながらも観戦を続ける。
ルカ「棄権?あの実力…自分から棄権する理由なんてないはずなのに…」
そうこう考えている内に試合が始まる。
やがて夜になるまで100を越える数のあらゆる試合が終了し、1人の勝者が決まった。
その時には頭の中でアーシェル・カルノのことを既に忘れかけていた。
ルカは闘技場を出る。
ルカ「ふぅ…ずっと座っていたせいで腰が疲れたじゃん」
ルカは背筋を伸ばす。
ルカ「次は市場に行って売りに出さないとか」
ルカ「うわっ…闘技場帰りで人が多くなってる…」
ルカはリュックを持っていこうと宿まで歩くが、途中の市場までの道を見ると大量の人で埋め付くされている。
ルカ「はぁ…面倒くさいなぁ…」
ルカは宿に戻り、リュックを背負って市場に行く。
周りを見ても全て埋まっており、最後まで歩こうと足を進めた時、見覚えのある姿が目に入る。
赤髪、赤い猫耳、赤い尻尾、試合で圧勝を見せた猫人族がルカが市場に入ってきた側に
横を歩いていることに気付く。
ルカ「あっ今!」
ルカ(あの魔力量!アーティファクトだ!)
ルカ(しかも複数!)
すぐに人混みに紛れてしまい、姿を見失ったが人が少なくなるまで同じ方向を行こうとルカは元来た反対方向に歩く。
やがて市場を出て、周りを見ると猫人族の姿は酒場の中に消える。
ルカ「酒場?」