テラーノベル
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新学期、6年生になる。「ねえ、ひのり。」
お母さんが真剣な表情で待っている。
「今まで言わなかったけど、ひのりもう最高学年だから…」
「なに?」
「お母さんの、お姉さんいるじゃん?叶ちゃん。」
私はなんとなく予想はできている。
「うん」
「お姉さん、今どこにいると思う?」
刑務所なんて今いえるような状況ではない。
「わかんない」
「人を轢いて、今は刑務所。」
「そう…大変だね。」
しってた。
[速報です。14年前、過失運転致死として逮捕された紅山 叶容疑者の懲役25年から無期懲役が確定しました。]
14年前、私はまだうまれていない。苗字、名前が一致した。写真の顔も一致。
「お母さん…」
「カズワンさん…でも刑務所いけば会えるんじゃ…?」
「行かないよ。」
「なんで?」
「用事がないからね。」
「そうか。」
「カズワンさん、今何歳?」
「10歳の時に死んだから、今は、24歳だな。ひのりちゃんが生まれる3年前。俺は亡くなった。」
「じゃあ、私に会ってなかったんだね。」
コメント
1件
読了しました。第8話、一気に物語の奥行きが広がる回でしたね。 お母さんが重い口を開くシーン、ひのりちゃんが「しってた」と心の中で返すところにゾッとしました。知っていながら表に出さない距離感が、この親子の空気を象徴しているようで。 最後のカズワンさんの「10歳の時に死んだ」という告白も切ないです。ひのりちゃんが生まれる前に亡くなっていたというタイムラインの残酷さに、胸が締め付けられました。 続きが気になります。更新、楽しみにしていますね。