レベルを上げてスキルを獲得しなければこの世界は生き残って行けない。先ずはコツコツと雑魚を相手にするしかない……
手持ちの武器はこのスマホと言う名のハンターナイフ1本だ。他に罠に掛かりそうな獲物を探して居ると、私を口説いた雑魚からメッセージが届いた……
≪え⁉ まじウケんだけど、キャバとか冗談じゃなくて?≫
いいから黙って出頭しろと命令する。彼女にバラされたくなかったらとだけ付け加えた。
30分後、冷や汗を掻いた雑魚が初回で入って来た。勿論、本指名である。いや、それ以外は認めない。めでたく指名1本獲得。レベルが1に上った。おずおずと財布の中を気にする男にペイ払いは出来ないよと念をする。
「つうか勘弁してくれよ~ こっちは給料日前だってぇ~の」
顔から眼鏡がはみ出たモブ顔のスライムが、殺さないでくれと慈悲を乞う。何で夢と希望がいっぱい詰まった腹ボテ肉団子に彼女が居るのか良く分からん。彦〇呂か?お前。絶対、太股の肉で股間蒸れ蒸れだし、肉で股間見えてないだろそれ…… 貴重な松茸の一滴、うちのトイレで溢すなよ。
「ねえ、あんたさ~ キャバ王って言われてたでしょ? 結構色んな店行ってたの? 」
ハンターナイフしか装備してないから、トークにも切れが無く、会心の一撃が放てない。仕方ないからチクチクやって弱らせるしかない。
「ちょっと聞いてるの? 」
「…… 」
何やら携帯に夢中である、どうせ彼女に言い訳だろう。聞いてないようなので小声で初めて魔法の呪文を唱えてみる…… 試し撃ちだ。
「シャンパン頂きますね」
焦ったワイルドボアが雄叫びを上げた。