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#相談のってー!!
暇人S
44
特別編です
思いを込めて……
いつもの 馴染みのだんご屋さん
「いらっしゃ〜い」
お店の暖簾をくぐると いつもの 元気なおばちゃんの声に 少しほっとする
「あら 塁くん 今日は休みなん?」
「うん……今から 人と待ち合わせしてるんだけど ちょっと おばちゃんに元気もらいたくて…」
「そうなん? もうすぐお店準備中にするから 奥にはいっといて お茶 自由にしてええから」
「ありがとう」
お店の奥には 畳の休憩に使われる部屋があり 今日は おばちゃんだけらしく 他のお店の人はいない
昔からあるちゃぶ台が 変わらず真ん中に置いてある
懐かしいなぁ…
よく藍と 二人でここ来たな
「はい お待たせ お団子は飽きたやろ?」
豪快に笑いながら お茶菓子を持ってあらわれた
「いただきものやけど 美味しいよ」
見たことのない 美味しそうなお菓子
「おばちゃんとこ来たら 全国のお菓子 食べれるん違う?」
昔からお世話になってる だんご屋さんのおばちゃん
おばちゃんを慕うお客さんたちから 色んなお菓子が送られてきて 俺たちも時々食べさせてもらってたなぁ…
相変わらずの人気者やね
「嬉しいよなぁ〜 しがないだんご屋のおばちゃんやのに ありがたいわ」
おばちゃんは 昔からお客さんから慕われていて お団子じゃなくて おばちゃんに会いにくる人もたまにいる
俺も藍も そんなおばちゃんに 何かと相談聞いてもらって 助けられてきた
「で どしたん?なんや緊張してるみたいやけど」
「あ バレてる?」
「うち来て 正座なんかせんやろ」
あ ホントだ 無意識に正座してた おばちゃん鋭いなぁ…
「実はな……今から会う人に……告白しようと……思うんよ」
「ふーん でも なんやプロポーズぐらいの緊張感やね」
「うん………実は……」
3ヶ月前
藍の知人と一緒に食事をする機会があって そこで 1人の男性と親しくなった
バレー選手なことを特別にとらえず 同年代のラフな会話をしてくれて 初対面とは思えないぐらい打ち解けて 何度か 二人だけで出かけるようになった
そんな時間を重ねるうちに ある日彼から『手を繋ぎたい』
と 言われた
びっくりしたけど 照れた表情で手を差し出された時 自然に繋ぎたくなった
生まれて初めて この人をもっと知りたいな…と思った
大人になって 誰かと関わることに消極的になっていたから 色んな意味で自分に驚いた
そして お互いに 特別な感情を持っていることを 意識し始めて
手を繋ぐだけじゃなくて ハグしたり 唇に触れたくなったり…
「俺 好きな人って あんまり意識したことなくて
でも 彼は違うのがわかって
自分で気持ちを伝えたくなってん…」
「そっか… 塁くんも大人になったんやなぁ…」
「はは それにしては 幼稚やろ?告白ひとつに こんな緊張してさ」
「そら 緊張するやろ もしかしたら 相手を失うかも知れんのやで 当たり前やん」
的確な指摘なんだけど 緊張を煽らる
「でも 相手さんは塁くんの言葉を 知りたいかもしれんしな」
「言葉?」
「やっぱな ちゃんと言葉で気持ちを伝えるって大事やねん
塁くんも相手のこと知りたいから告白するんやろ?
同じように自分のことをどう思ってるんか 相手も知りたいんよ」
「そ………そうかな?」
「とりあえずは まず一歩踏み出さんとな!」
肩をばんばん叩かれる
「大きな身体して いろんなピンチの場面を経験してて も 好きな人の前じゃ 普通の人なんやね」
「そりゃ……そやな」
「せやから 自分らしく伝えたらええよ 塁くんらしくな」
俺……らしく……
「塁くんのこと 好きな人なら それが1番やよ
きっと 塁くんのことを1番知りたい人のはずやからね」
俺より 全然小さいおばちゃんだけど 誰よりも広い心で受け止めてくれる
すごいなぁ…おばちゃん
「さ 景気付けに 1番ええ玉露入れたろ!そんで うまくいったら お団子準備しとくから お店寄りや 相手さんの分も準備しとくし!」
「いや ええよ!」
「え〜〜?うちのだんご 食べて欲しいやん!」
待ってよ!おばちゃん!暴走せんといて!!
「うまくいったら 連絡するから それからにしてや!」
「そう?塁くん 振るなんかあらへんよ!」
「いや あの…あ…ありがとう!!」
おばちゃんの騒がしいおかげで 緊張がほぐれて 前向きに 待ち合わせ場所に着いた
自分らしく…自分らしく…
「お待たせ!!」
待ち合わせ場所で 手を振る彼は 大好きな 眩しい笑顔だ
よし!頑張るぞ!
数時間後
あら なんやメッセージ来たで!
「塁くんや!!」
『おばちゃんの元気もらって 彼と付き合うことになりました
彼も おばちゃんに会いたいと言ってるから お店に寄ります
ありがとう』
おめでとう! 塁くん
さあ 美味しいお団子 準備したろな
塁くんに 幸多いことを願ってます✨
コメント
3件
塁くんとっても素敵ですよねぇー❤️これからも塁くんは塁くんらしく過ごしてほしいと思いますー!とっても素敵な小説です‼️ありがとうございます☺️☺️☺️
塁くんの緊張がひしひし伝わってきて、おばちゃんの「自分らしく伝えたらええよ」って言葉にじんわりきたわ…。告白シーンまで描かれてないのに、ちゃんとハッピーエンドな気持ちになれるのがほっこりする。お団子屋さんの温かい空気が素敵で、塁くんと彼氏さんが一緒に来る日が楽しみになるエピソードやった。