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篠塚 side
原 「 周杜は? 」
休憩時間を終えて、レッスンを開始しようと言う頃だった。
篠 「 あれ?そういえば居ないですね 」
橋 「 周杜ならトイレですかね?
慌てて出ていきましたよ 」
寺 「 にしては遅くね?戻るの 」
原さんと寺さんの心配そうな瞳に自分ももう一度廊下に目を向ける。周杜といえば、休憩の合間も振りを練習していたり、熱心で努力家な姿を知っている。そんな彼が戻ってこない。何となく胸騒ぎがした。注意が多いのはダンス未経験者の俺だけど、今日は周杜の方が多かった気がする。だが、そんな違和感を覚えたのは自分だけではなかったらしい。
寺 「 俺、ちょっと見てくるわ 」
忙しいオリメンの3人は休憩の合間も話があってこの場にいない。戻ってこない周杜の様子を確認しに行く人に、寺くんが名乗りをあげた。
原 「 おう。俺も一緒に行こうか? 」
寺 「 いや、原は先に始めてて 」
原 「 了解 」
寺西 side
なんだか妙な胸騒ぎがして、足早に廊下を進む。
そういえば、朝来た時からやけに静かだった。
ダンスの注意も多かったし、動きも鈍かった。
それよりも、肩で息をしていた。もしかして、体調が悪かったのか-?
辿り着いた先はトイレ
奥の個室が閉まっている。
別の人だったら申し訳ないけど、声をかける。
寺 「 周杜? 」
返事がないので、居ないのかと一旦戻ろうと踵を返した時だった。
猪 「 て、ら、くん…… 」
俺を呼ぶ声が小さな声が個室の中から聞こえた。
寺 「 周杜? 」
個室の扉を叩いた。
寺 「 周杜!いる?大丈夫? 」
中の声をよく聞くと、「 はぁはぁはぁ 」とういう声が聞こえてきた。
寺 「 周杜!大丈夫か?ドア開けて!! 」
しばらくすると、ガチャンと鍵が開く音がした
寺 「 周杜……!! 」
急いで扉を開けた。
猪 「 はぁっはぁっはぁっ 」
寺 「 ッ周杜!! 」
固く目を閉じて肩で息をする周杜の姿が目に飛び込んできた。
寺 「 周杜大丈夫か? 」
想像以上に衰弱した姿を見て、慌てて駆け寄る
猪 「 ッこ、ない、で… 」
周杜は息絶え絶えながらも身じろぐ。
そこで、酸っぱい匂いが僅かに鼻を突く。
猪 「 き、たなぃか、ら 」