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パチリ
と、目を覚ます
そこはフワフワな物の上で
自分にはもったいないくらいに感じた
ガチャリ…
と、扉が開く
「あ、起きてた、おはよぉ」
と、らっだぁ?さんが声をかけてくる
『おはよう……ございます』
「もっと気楽でいいのに……」
『あ、てか、ありがとうございます
こんな、すごくいいもので寝かせてもらって……』
「いいもの……それね、ベットって言うの」
『ベット……』
「そう、人が寝るところ」
『…………人、?』
「ん……?ぺんちゃんの事だよ?」
『え』
「?」
『で、でも、僕、人って言われたことない……ですけど……?』
「は、?」
『っ、』ビクッ
「あぁ……ごめんね、ぺんちゃんに怒ってるわけじゃないよ……?」
『は、い』
「じゃあなんて言われてたの?」
『あ、えと、モルモットって、言われてましたけど……』
「…………ふぅーん…」
『??』
「おい、バカ、朝飯出来とるって」
「ん、わかった、行こうかぺんちゃん」
『はい』
と、言い
らっだぁさんの後をついていく
「おはよう!」
と、声を掛けられる
『お、おはようございます…』
「ご飯すぐ持ってくるね」
『はい…』
椅子に座って待っておく
床に届かない足をプラプラとさせていると
「はい、どーぞ」
と、コトリと目の前に置かれる
パンと、スープ……
『……』
すっ、と、パンに手を伸ばす
暖かい……
恐る恐るパンをちぎる
すんなりとちぎれるパン
それに驚きつつ口に入れる
…………柔らかい…
あのカサカサのパンとは比べられないほど美味しい
もぐもぐと必死に頬張る
それをニコニコと見つめてくれるレウさん
……優しい人だな
取り上げられずに食べれるのは久しぶりだ
「さぁてとぉ〜……ぺんちゃん?」
『……はい』
「それを食べ終わったら先ず、身なりを整えましょう!」
『み、なり……?』
「そ!ぺんちゃんの服とか、靴とか、あ、あと髪ね」
『は、はぁ……?』
「あと色々教えることもあるし」
『分かりました……』
食べ終わりました……
「んじゃ、こっちに来て?」
と、目の前にある椅子をポンポンと叩く
『はい』
スタスタとそちらに歩いていき椅子に座る
「よぉし……髪切るね?」
『あ……』
「ん、どしたァ〜?」
『あの……右目の髪は切らないでください…』
「どうして?」
『…………』
言いたくなくて黙る
「……ん、わかった」
それをわかってくれたのか
何も聞かずに了承してくれる
シャキン、シャキンと音が鳴る
見えづらかった前が見えやすくなっていく
肩まであった髪が無くなっていく
「よぉし、終わり!」
『ありがとう……ございます』
「ん、こっち向いて?」
『あ、はい』
と振り向く
「………………え、かっわい」
と、ぽかんとした顔で言う
『??』
思わずこてりと首を傾げる
「ウグッ……」
「おぉ……すごいな」
「目、すっごく綺麗!」
『あ、ありがとうございます……』
「やっぱり右目も切らない?」
『!!だめです!』
「!!」
『あ、ご、ごめんなさい……でも、切らないで……』
「んーん……こっちこそごめんね」
「よし!服!靴!」
「ってもどぉするんや」
「どおしよう?」
「考えてなかったの!?」
「まったく」
「あほや……」
「(^ら^)ガハ」
『ふ、服とか……いらない……ですよ……?』
「そういう訳にも行かないからねぇ…」
「買いに行く?」
「もうそれしかないやん」
「んじゃあ行くか〜…」
「ぺんちゃんこのカッコだけど……」
「まぁ、しゃあないやろ」
「抱っこしていくかぁ……」
「んじゃあ……みどりー?」
「ン、ヨンダ?」
「俺ら出かけてくるから留守番よろしくね」
「ワカッタ、イッテラッシャイ」
「はーい、行くよ?ぺんちゃん」
と、抱き上げられる
『わっ…』
抱き上げられるのは二回目だ
でも、なんだか少し大きくなったような気がする
「それじゃあ、れっつごー!」
とても大きな建物に連れてこられた
『あ、あの……ここ、は?』
「ここはねぇ〜、ショッピングモールどていって、色んなものが買えるんだよ!」
『へぇ……』
ウィン……
と、勝手に開く扉をくぐり中に入る
とても広いその建物は中もとても広く
何階まであるかわからないくらいに見えた
『す、凄い……』
「さて……、まずは服買いに行くかぁ…」
「あ、じゃあ僕、今日のご飯とか色々買うものあるから」
「ん、分かった」
「俺はなんも無いから着いてくで、何より要らんもん買いそうやからな」
「ひどい!」
「はいはい……ほら行くで」
と、スタスタと歩き出す
「はーい」
と、そのあとを着いていく
そういえば、僕いつまでこの状態なんだろ…
『あ、あの……らっだぁさん…』
「ん〜?」
『ぼ、僕何時まで抱っこされてるんですかね……?』
「んー……試着するまでかなぁ?」
『歩けますよ……?』
「その格好であんまりウロウロさせたくないの」
『は……はい…?』
「とりあえず……大人しくしといて?」
『は、はい……』
そうして連れてきてもらったところは服が沢山あるとこで
『わ、ぁ……!』
「んふふ、すごい?」
『凄いです!』
「レウ〜」
「はいはい、何?」
「ぺんちゃんにさ、ワクチン打ってあげて」
「あぁ…分かった、ついてきて?」
と言われたのでとりあえずついていく
「そこに座って?」
と、指さすのは椅子
そこにゆっくりと座る
カチャカチャという音がする
ほんの少し、嫌いな匂い
「よし…、腕出して?」
くるりとふりかえってそういう
『…?』
恐る恐る腕を出す
「ちょっとチクッとするけど、大丈夫だからね」
そう言って取り出すのは
何回も見た
大っ嫌いな器具
『……ッ!!』
ガタンッッ!!
と音を立てて思い切り椅子からおりる
「えっ!?ど、どうしたの……?」
オロオロとするレウさん
『……っ、や、だ…、注射…しないで』
ガタガタと震えるからだをギュッと抱きしめ端っこに座る
「え、ど、どうしよう……しない訳には…」
うーん、と悩んでいる
と
バンッ!
と、音を立てて扉が開かれる
「なんの音っ!?」
入ってきたのはらっだぁさん
「あ、らっだぁ……実はさ……」
〜説明〜
「あー…なるほど…」
ふむふむと、頷くらっだぁさん
コツコツとこちらに近ずいて目線を合わせるようにしゃがんでくれた
「ぺんちゃん」
「……」
「注射、怖い?」
と、聞かれる
何も言わずにこくりと頷く
「どうして?」
「ッ、!?」
思わずビクリと体が震えた
らっだぁさんはじっと僕の顔を見つめる
「……注射、お薬、だよ、ね」
「うん、ぺんちゃんの体にいじわるする病気とかをやっつける注射」
「……お薬、多分、効かない、と、思う」
「…………ぇ、 」
「僕、その、色んなこと実験されて、お薬も、毒も、全部やらされて、耐性、ついてる、と、思う」
「………………」
らっだぁさんが少し下を向いたまま
黙ってしまった
「ぇ、と、その……ごめん、なさぃ…」
「…………スゥーッ……フゥー〜ー、よし、おっけい、わかったわ…」
と、長い呼吸をしてかららっだぁさんがこっちをむく
「ぺんちゃん、お願いがあるんだけど」
「は、はぃ、」
「ぺんちゃんの血液を採取させて欲しい」
「ぇ、」
「んまぁ、理由は耐性あるのか調べたいのと逆に何が効くのか知りたい、かな」
「そ、れは、何に、使うの」
「んぁ?ぺんちゃんの為にだけど…」
「……なら、わかった」
本当は怖くてたまらないけど
腕を差し出す
「レウ、お願い」
「はぁい、ちょっとチクッとするよ〜」
ギュッ、と目を瞑る
「……はい、終わり〜」
「え、……」
全然痛くなかった…
「どうしたの?」
「あ、いえ……痛く、無かったから…」
「んふふ、良かったぁ」
注射の針を指したところに小さい絆創膏を貼ってくれた
こんなこと、無かったな
「………ありがとう…ございます」
「お礼を言うのはこっちなんだけどなぁ…」
「?」
「怖いのに、ありがとうね」
「いえ……」
「さぁて!らっだぁ〜」
「ん〜?終わったァ〜?」
「終わったよ」
「ぺんちゃん!えらいじゃぁん!!」
と、頭に手が伸びる
思わず体を固くする
そのまま手が降りてきて___
ギュッと目を瞑る
そのままぽんと頭に手が乗り
わしゃわしゃと頭を撫でられた
「…………? 」
思わずパチリと目を開く
「えらいえらい!!」
「……………んへ…( *´꒳`*)」
「ん”っ!!可愛っ!!」
「?」
「んじゃ、後よろしくね、レウ」
「はぁーい」
「ぺんちゃん」
と言って僕を抱き上げる
「わぁっ!」
「どこに行きたい?」
「え?」
「ごほーび!」
「えと……お外歩きたい…です」
「いよっしゃぁ!!」
そのまま僕を抱えて走っていく
「ひぁあ!」
「あっ!らっだぁ!!走んな!!」
って、きょーさんが叫ぶけど
全く聞こえてないみたい
そのあと、お外に出て
沢山、沢山、遊んでもらった
猫…
写真で見たことがあるけど…
…………あれ、でも、見たことがある……?
いつ、何処で……?
〘ほら―ザッ―ザザザッ、これが猫ちゃんよ、可愛いわねぇ…〙
若い女の人の声
顔もどんな人だったかも思い出せない
…………誰……?
その人がなった猫は
自分が知っている猫とは思えないほど
ドロドロとしていた、でも、黒色に映える
星のような綺麗な輝き
目のような位置にいちばん力強く輝く光
『…………綺麗…』
思わずフラフラと近寄る
いきなりブワリ、と広がる星空
「___!!ぺんちゃん!!」
その星空は確実に自分を飲み込もうとしていて
あ、……死んだ…
と、思っていると
《……下がれ》
と、胸の中に声が響く
瞬間、広がっていた星空がピタリと止まり
ズズズ…、と、元の形に戻っていく
「…………ぇ」
しゅるん、と元の姿に戻った子が
僕に焦ったように声をかけてくる
「ご!ごめん!!反射的にやっちゃって!!怪我とかは!?」
『あ、うん、ないよ、ありがとう』
「あぁ〜……良かったぁ…」
《全く……油断すんなよ》
と、心の声が聞こえる
(……ありがとう…でも、今は出てこないで)
《チッ……わーあったよ》
いつになったら言えるだろうか、いや、いつになっても言えないだろうな……
この、いつの間にか増えた自分のことを
「怪我は!?」
『あ、ない……です』
「はぁぁぁあ……良かったぁぁあ」
「…………あの感覚…」ボソッ
と、あの子がつぶやく
『??どうしました?』
「あ、ううん、なんでもないよ!」