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練習は再開し、コートの熱気が再び高まっていく。
柚希はボールを集め、水の準備を整え、汗で滑る床を拭いた。
慣れない仕事に戸惑いながらも、手を止めることはなかった。
「……ありがとう、助かる」
陽先輩がタオルを受け取り、柔らかく笑いかける。
その一言だけで、胸がまた大きく高鳴った。
柚希が小さく頷く横で、海がコートを走りながら視線を向ける。
仲間に声をかけつつも、ちらりと柚希の様子を気にしていた。
汗を拭う陽先輩に見とれる柚希。
それを横目で見ている海。
コートの熱気の中で、三人の視線が交わることはなかった。