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若き覇王に、甘くときめく恋を

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若き覇王に、甘くときめく恋を

99 - 第四章 永遠の愛を、二人で EP.3「贈られた指輪の意味とは…」④

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2025年03月09日

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本のタイトルを覗き込むと、どちらも洋書で、一冊は薄めなカタログ風なもので、もう一冊はだいぶ古いもののようだった。


「何の本なんですか?」


尋ねると、「こちらは、いろいろなパッケージデザインを扱ったものだ」と、それほど厚みはない方の本を開いて見せてくれた。


「特徴的な飲料用の瓶や、化粧品の容器が写真で紹介されていて、見ていると興味深い。ほら、君と関わりのある香水の瓶もあるだろう?」


指差されたページに目を落とすと、様々な形をした香水瓶がいくつも写真で載せられていた。


「確かに、興味はそそられますけど、でもこれだと貴仁さん自身には、あんまり休息になっていないようにも……」


そう懸念をする──KOOGAは、電化製品等のデザインにこだわって台頭をしてきたメーカーで、他に類を見ないスタイリッシュさから、部屋全体をKOOGAの製品でまとめる熱狂的なファンもいるくらいだった。


「そうだな……時にはアイデアに繋がるようなこともあるかもしれないが、」


彼がやや苦笑を浮かべて、本を閉じると、


「ただクーガの商品は、元々は商業デザイナーだった母が、『こんな家電があったらいい』とスケッチで書き溜めていたものを、父が製品化したのが初めなので、メーカーコンセプトはおおむね母のアイデアを引き継いでいるからな」


そんな話を語ってくれて、なんだか母の遺志を形にとKATZEをち上げた私の父と似ていてと、しみじみと痛感させられるようだった。

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