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まだ何も解決には至ってなかったけれど、できればカイに会って話がしたいと思った。
テレビなどで見かけることの多いKILLAは、多忙で休みもあまりないだろうことはよくわかっていた。
なので、彼に自分から連絡を取ろうとしたことはなかったのだけれど、編集長からシュウのあんな話を聞かされたこともあって、カイに会いたい気もちはつのった。
『カイ、時間があれば会いたい』
無理強いはしたくなくて、それだけをメッセージで送って、私は彼からの返事を待った。
メッセージを送ってから数時間が経った、夜の10時過ぎ頃になって、
『じゃあ、あんたの部屋に行く』
そう彼から返信が着た。
(えっ、待って。会いたいとは思ったけど、家に来るだなんて……どうしたら……)と、一瞬あわあわと慌てふためくも、少し落ち着いて考えてみれば、彼のような有名人なら、人出の多い夜の街よりも家で会う方が人目には付きにくい気がした。
ともあれ部屋を片づけなくちゃとバタついていると、
『部屋の場所、教えてくれるか』
と、メッセージが届いた。
手早く住所を伝えて、『ゆっくりでいいから』と、付け加えた。
一旦はわけを理解して気を鎮められたものの、彼が自分の部屋へ来ると思うと、やっぱり胸は高ぶって簡単には抑えられそうにもなかった。