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#ベリアン・クライアン
ぷち
276
『春の桜に恋焦がれ』
〜その姿に…恋に落ちた〜
第二舞 「初戀初愛」
執事達の大部屋――
『それで、ベリアンさん。白状するっすよ。』
『っ……。皆さんにはやはりバレてたんですね。…そうです。私は主様のことを…。スキデス…』
(声ちっさ!)
『ふふ、ベリアンは隠し事が苦手なんだから。』
『うぅ…(/// ^///)』
『いつから好きなのかな?』
『お恥ずかしいのですが……。』
私はお酒の入ったグラスを握る。
『初めて出逢ったあの日です。私は2000年以上主様が来るのを待ちわびておりました。あの方を一目見て…必ずお守りすると誓ったのです。でも、私は執事。皆さんの見本となるマナー指導です。皆さんに気付かれないように、執事として想いを募らせていました。』
でも、あの方と過ごしていくうちに――
『ベリアン、見て!綺麗な星空!』
あの方といる度に……。
『また必ず…この景色を見よう?
今も、これからも。そして――』
『『平和な世界が訪れたら必ず。』』
執事としてではなく――1人の男として…
『好きになっていたんです。…いけませんよね。主様に対して、こんな邪な…。』
『…確かに、一執事が主様のことを敬愛以上の感情を抱くことはあまり良くないとは思います。でも……。』
私はベリアンさんに近付く。
『その好きという気持ち…隠すことなんて出来ませんよ。好きという想いは誰に求められません。ここにいる私達も…。』
『ユーハンさん…。』
『ふふ、ベリアン。主様にいつか気持ちを伝えられるように私達も応援するね。』
『ルカスさん…。はい、ありがとうございます。』
『いや〜まさかライバルが増えるとは思わなかったっすね。』
『今お前それ言うか…?』
『負けないっすよ!ベリアンさん!』
『えぇっと…。』
執事達はお酒を交わしながら談笑する。
そして、夜は少しずつ更けていく――
縁側
『みんな寝ちゃったね。』
『ベリアンも少し飲みすぎたみたいだな。』
『あぁ。よく寝ているな。』
縁側にミヤジとハナマル君が座りお酌を交わす。
『だけどさぁ…残酷だよな。』
『何がだい?』
『俺達悪魔執事は歳を取らない。』
『『…!』』
あえて言わないようにしていた言葉を言われ
胸が熱くなる。
『仮に主様とベリアンが結ばれたとしても
主様はいずれ死んじまう。そんなの、耐えられねぇだろ。分かっていても…胸に来るだろ。』
『そうだね…我々悪魔執事は悪魔と契約してその代償として不老になった。死んだ後も魔導服を着たまま棺桶に入れられ、この身体は朽ちることはない。』
『ねぇ。ミヤジ。』
『…なんだ。』
『主様には…黙っておくべきだろうか。それとも……話しておくべきか。』
『……私達悪魔執事が不老だということを、か?』
『……うん。』
『主様は気付いてねぇんだろうな。きっと。』
『もし何か勘づいてるんだとしたら…。もう誤魔化せない。』
『そうだね…悲しいけど、受け入れていただくしかないよ。』
『『……。』』
苦い思いと煮え切らない気持ちを抱えたまま…
次の日を迎える。
2泊3日 2日目――
『……。』
(今日の夜…お祭りの最終日だからベリアン誘ってみようかな…。)
『桜陽祭の最終日。意中の相手とライトアップされた夜桜を見ると生涯を共に出来ると言われています。』
(ってユーハンが言ってたし…勇気をだして言ってみようかな…。)
私は部屋の外に出てベリアンに会いに行こうとする。
と、その時――。
『主様!』
『ふ、フルーレ!?』
襖の外にフルーレがいて目をキラキラ輝かせていた。
『今日の夜ベリアンさんを桜陽祭に誘うんですよね?』
『な、なんでフルーレが知って…』
『ふふ、アモンさんとユーハンさんに聞きました。』
(あの2人!)
『フルーレは私がベリアンのこと好きなの知ってるの…?』
『えぇ、なんとなく気づいてました。』
(2人揃ってわかりやすいんだもん。でも、両片想いっていうのが切ない…。)
『あ、それで、主様の浴衣!俺作ってきたんです!桜陽祭にぴったりの!』
『私に…?』
『はい!早速今日着てください!』
『フルーレ…うん。ありがとう!』
『髪型は俺にお任せっすよ。』
『わっ!アモン!』
『頑張ってくださいっす!主様!』
(2人とも……。)
『うん、私、頑張る。』
私は2人に鼓舞してもらい、ベリアンに会いにいく。
次回
第三舞 「夜桜二人」
コメント
1件
いやあ、第3話、じんわり来ましたね……。ベリアンの「一目見て2000年待ってた」って告白、執事としての立場と男としての想いの板挟みが切なくて。ミヤジとハナマルが縁側で交わした「不老の代償」の会話、あれ世界観の深みが一気に出ましたよ。悪魔契約で不老になった代わりに、主様の死を見届けるしかないっていう構造、ロマンスの中にちゃんと重さがあるのが好きです。次回の浴衣デート、どう転ぶんだろう。楽しみです。