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花子くんSide
ヤシロが帰ったあと、俺はヤシロが言っていた噂について考えていた
花子「……俺が三つ子で、弟と妹……?」
確かに弟はいる
でも……
妹なんているはずがない
『その女の子の名前は雛宝ちゃんって言うんだって……』
雛宝…………?
花子「昨日の子と同じ……?」
花子「…………」
俺は昨日の子と会うために、女子トイレを出た
雛宝「ふんふふ〜ん♪」
少女は学園の教室で外を眺めていた
そこは怪異になってしまった少女の
”かつての”教室
__ガラガラ
雛宝「…………?」
教室の扉が開く音に少女の鼻歌は止まった
入ってきたのは1人の少年
顔がよく似た少年と少女
なぜこのことに”誰も”気が付かなかったのだろうか
教室に入ってきても
何も話さない少年に少女は怪しく微笑む
雛宝「どーしたの?」
雛宝「__あまね」
なぜこの少女が少年の名前を知っていることに
少年の助手の女の子は
疑問をも持たなかったのだろうか
花子「__………ねぇ」
少年は被っていた帽子を取り
ゆっくりと顔を上げる
花子「もう1回聞く」
花子「___君は誰?」
少女はまるで、
初めから全て仕組んでいて、
お前はこの掌で踊らされているだけだ、
とでも言いたそうな笑みを浮かべた
少女は少年に向かって左腕を差し出す
少年は眉をひそめた
それを見て少女は、右手を出し、人差し指を立てる
立てた人差し指を下に向け
左手の手のひらにトンッと突いた
そこには、刃物で切りつけられたような古い傷が
雛宝「まだ思い出せないの?」
そう言って少女は悲しそうに笑う
少女のその言葉に
少年は徐々に目を見開いていく
少年は、傷と少女_いや、
傷と自分と瓜二つな少女を凝視する
花子「……ぁ、」
何かを思い出したかのように
ジリジリと後ろに下がる少年
雛宝「よかった、思い出してくれて」
花子「雛宝………」
花子「ごめん、俺……司から…ごめん……」
明らかに様子がおかしい
でも少女はそんなコト気にしていない
雛宝「ありがとう、普」
雛宝「思い出してくれて」
雛宝「__大好きだよ?あまね」
そう言って少女は笑った