青side
些細なことでるぅとくんと喧嘩をし、
家を飛び出した。
財布もスマホも、何も持たずに。
何も持っていないから何もできず、
かれこれ10分くらい
近所の公園のブランコに揺られている。
正直夜の風は冷たいし
作業も残っているから早く帰りたいけれど、
るぅとくんに酷いことを言って
出てきてしまったから、
めちゃくちゃ家に帰りづらい。
本心じゃなかった。
ただ、勢いで、
「嫌い」だなんて言ってしまった。
もし、るぅとくんに嫌われたら…
別れよう、なんて言われたら…
と、一人で勝手に考えて
泣きそうになっていると、
男『一人でこんな時間にどうしたの?』
後ろから知らない男に声をかけられた。
青『あっ、えと…
彼氏と喧嘩しちゃって。』
男『彼氏さんと?
そっかぁ、大変だったね。』
男が僕の隣の空いているブランコに腰かけた。
男『俺も彼女と喧嘩しちゃってさ…
よかったら話聞こうか?』
.
男『へぇ、その彼氏ずいぶん酷い男だね?』
青『…っ』
違う、るぅとくんは酷い奴じゃない。
なんで初対面のこの人から
るぅとくんを悪いように
言われなきゃいけないんだか。
そもそも話したのが間違いだったな。
青『僕、帰りま____』
男『俺だったら絶対
君にそんなことしないのに。』スッ
青『……っ!!!?
はなしてっ、やだ…ッ、!』グイッ
僕が立ち上がると
男は僕が身動きとれないよう体をガッチリ掴み、
冷たいベンチへ押し倒した。
そしてその手が服の中へ入ってきて、
直に僕の肌の上を這う。
男『大丈夫、君の彼氏と違って
俺は優しくしてあげるから。』
な、なにこの人…!?
変質者…!?
やだ、誰か助けて…っ
青『んっ、ぁ
やだぁ、るぅとく…ッ、』ポロポロ
男『ふはっ、いいねぇその顔。
泣きながら彼氏の名前呼んじゃって…』
そう言って男が顔を近づけてくる。
嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ。
るぅとくんじゃない人とキスなんて
したくない。
触られたくない…
るぅとくん…っ
青『ぅっ、やぁ…っ』ポロポロ
?『その汚い手、離してもらえますか。』