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ありがとう。
そしてさようなら。
そう言って君は消えた
「元貴……まだ帰ってこない?」
「……うん……」
僕は元貴と喧嘩をした
3時間前のことだ
「涼ちゃんな何も分かってない!」
「わかってないのは元貴じゃん!」
「は?」
「元貴はいいよね。僕はどうせミセスには必要ないんだ!どうせどうせ……捨てられるんだ!元貴なんか大っ嫌いだ!」
「涼ちゃん……」
「っ……。!」
「ごめんね……今までありがとう。さよなら」
僕を抱きしめ行ってしまった
ほんの些細なことだった
元貴を泣かせてしまった
僕は元貴を傷つけてしまった
謝りたかった。ただそれだけ。
終わったことだから振り返ったりしない
そんなの無理に決まってるだろ
終わってないじゃないか……まだ
帰ってきてよ元貴……居なくならないでよ。
僕は嘘をついた
元貴のことを大っ嫌いって言った
本当は大好きなんだ愛してるんだ
帰ってきてよ……
「元貴はきっと帰ってくるよ……」
「滉斗……」
僕は滉斗の言葉で泣いてしまった
でも遅かった
元貴は崖から落ちて死んだ
もしも 僕だけの世界ならば そう
誰かを恨むことなんて 知らないで済んだのに
夜は ただ永い
人は 捨てきれない
見苦しいね この期に及んで 尚
朝日に心動いてる
「なんでだよ!……僕のせいで……嫌だよ……」
抱きしめてしまったら もう最期
信じてしまった私の白さを憎むの
あなたを好きでいたあの日々が何よりも
大切で愛しくて痛くて
「惨め……」
僕はその日からずっと死ぬことを考えた
でも死んだら君は悲しむよね……
「あ”ぁ……!嫌だよ。ねぇ神様、元貴を返して」
僕は毎日のようにお花を積んで
元貴の死んだ崖で手を合わせる
もうすぐ其方に往くからね
心に蛆が湧いても まだ香りはしている
あの日の温もりを 醜く愛してる
「どうすればいい?」
ただ、ともすれば もう 醜悪な汚染の一部
なら、
「どうすればいい?」
いっそ忘れちゃえばいい?
そうだ 家に帰って
「キスをしよう……」
「どうすればいい?」を「どうすればいい?」
腐ってしまうこの身を 飾ってください
「僕のことだけは忘れないで……」
抱きしめてしまったら もう最期
信じてしまった私の白さを憎むの
あなたを好きでいたあの日々が何よりも
大切で愛しくて痛くて惨め
「苦しいよ……もうすぐ其方に行くからね」
あぁ またお花を摘んで 手と手を合わせて
もうすぐ其方に往くからね
心に蛆が湧いても まだ香りはしている
あの日の温もりを 醜く
「愛してる」
あぁ 天使の笑い声で 今日も生かされている
もうすぐ此方に来る頃ね
「きっともうすぐ来るよ僕は死ぬ」
あの頃のままの君に また出会えたとして
今度はちゃんと手を握るからね
「次は崖から落ちないように手を差し伸べるから。だから僕はまた君に会えるように。」
「其方へ行くから」
グシャッ