テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
12
俺のカレンダーに幻の10月25日を作ってみた。その日は日曜日。
外に出かけてサッカーでもしよ。
2日後
親のラーメン屋の仕込み。
売れるわけもないのに。
かごを持ちながら会計に向かってると茉緖に会った。
なんでまた…気まずいんだよ…
そう思いながら通り過ぎようとした。
茉緖は結一の足音をたどった。
なんでついてくるんだよ。
周りが見えるのか?
結一は疑問に思いながら茉緖から自分を引き剥がそうと背を向けた。
それでも白杖と地面が当たる音は近づいてくる。
彼女は結一の普段から身につけている
サッカースパイクの音をたどって。
「石川…さん?この前は姉がご迷惑を…」
「え」
茉緖は結一に頭を下げた。
たまらなくなった。
俺が悪いのに…
結一は地面に頭をつけた。
茉緖は彼の姿を見ることができない。
通二は公園で茉緖と出会った。
「お姉ちゃん。何聞いてるの?」
茉緖はヘッドホンで音楽を聴いている。
通二は茉緖のヘッドホンを少し引っ張った。
「お姉ちゃん。何聞いてるの?」
茉緖は驚いた。でも優しく接した。
「今ね。この有名な曲だよ。」
「お姉ちゃん。何歳?」
「そっちが教えてくれたらいいかもね」
「9歳!」
「お母さんはいないの?」
「うん!ひとりで来た。お姉ちゃん家、来る?」
「え、ちょっと…」
通二は茉緖の手を引いた。
「来てくれるよね?」
結一は家にいない。
「お邪魔します…」
「家に母ちゃんも兄ちゃんもいないから僕が料理する!」
通二は耳が焦げたパンの上にメロンパンをのせて茉緖に渡した。
「おいしい?」
「うん。おいしいよ。」
弟がカレンダーを落書きに使った。
「兄ちゃん、みて!うちゅう人!」
「兄ちゃんにも書かせて」
10月26日に丸を描いた。
俺が使った色は
オレンジ色らしい。
「兄ちゃんなにそれ?たいよう?」
「兄ちゃん、学校遅れるよ。」
10月16日。
「え?は?やべっ」
俺は慌てて起き上がった。
俺の弟はほんとにできた弟だ。
まだ9歳だって言うのに。
「菊池く〜ん、あの結一に睨まれた〜」
と利希が言った。
「は?お前どの面さげて言ってんの?」
殴られた。
でも殴り返した。
人生で初めての反抗だ。
俺は強い。
1発目。
「…痛ッ」
2発目だ。
奴はうしろに一歩下がった。
教師が言った。
「何やってるんだ。石川!」
利希が言った。
「先生!結一が菊池くんを殴った!」
「石川、職員室に来い。」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!