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「……わぁ…」
nightmareに言われて服を脱いで風呂場に来た少年は、風呂の大きさに圧巻されていた。
(すごい……あの人たちお金持ちだな…)
少年は、すぐに湯船に浸かりたい衝動を抑えながら、縦長の鏡の前にある椅子に座る。
(……ここのお風呂も水冷たいのかな)
そう少し怯えながらシャワーの蛇口を捻ると、とても温かいお湯が出てきた。
「……温かい…!」
少年の顔がぱっと明るくなる。
少年はそのまま嬉しそうに体や髪を洗い始めた。
……その頃、nightmareはある所へ来ていた。
周りは真っ白で何もなく、上には青い糸が何本も吊り上がっている。
そんな空間に1人、大きな青いクッションに座って、黙々と何かをしている黒いスケルトンがいた。
「何をしている、error」
「うおっ?!……なんだ、nightmareか…急に話しかけんな」
「それは申し訳なかったな」
「絶対思ってないだろ」
黒いスケルトン……errorはザザザという音をたてながら言った。
「で、何をしていた?」
「あ?…別に、ただの編み物だ」
「……にしては、随分と丁寧に服を縫っているな?」
「はっ…こんぐらいするだろ」
「お前が着るにしては少し小さい…だが、他の奴らが着るにしても小さすぎる……」
「このサイズは、さっき来たニンゲンのサイズにピッタリそうだな、errorさんよ」
「…チッ……」
errorはバレたか、と小さく呟いた。
「……お前がオレに頼むっていう話がどっかから聞こえてきたからな…しょうがなく作って
やってるだけだ」
「……ほ〜ん…」
nightmareはニヤニヤと笑いながらerrorを見ている。
「ほら、出来たぞ」
errorはぶっきらぼうにnightmareに服を渡す。
「どうも」
「………1つ聞いていいか」
「何だ」
「…なぜ、あのニンゲンに手を差し伸べた」
「弱そうだが、仮にもニンゲンだぞ?」
errorはじっとnightmareを睨む。
nightmareは悩まず言った。
「アイツの様子を見に行った時、お前ら以上のネガティブを感じた…それだけだ」
「……そうかよ」
errorはふいっとnightmareから目を逸らす。
「早めにリビングに戻ってこいよ」
nightmareはそう言うと、音も立てずに消えた。
……一方crossは、ソファーに座って少年の髪を切る準備をしていた。
(これだけでいいかな…)
crossはふう…とため息をついた。
(……だけどなぁ…nightmareがニンゲンを殺さないだなんて珍しいよな……)
(ネガティブ製造機にでもするのかな…)
そう考えていると、玄関の方からガチャっという音が聞こえた後、ワイワイと話し声が聞こえてきた。
「ただいま〜!…あれ、ボスは?」
「疲れた…眠い……メシ……」
「……cross、何だそのハサミは。拷問でもするのか?」
「お帰りなさい、センパイ達」
目から黒い液体が出ている元気なスケルトンと、頭が割れているスケルトンと、フードを深く被っているスケルトンがcrossの周りを囲んだ。
「そうだ、皆さんに言わないといけないことが……」
crossは丁寧に分かりやすく、少年のことを説明する。
「……へ〜、あのボスがニンゲンを保護したんだ」
「ニンゲン…ネガティブ製造用にか?」
「…そのハサミはニンゲンの髪を切るためだったのか」
「はい。今、センパイに言われてお風呂に行っているので………」
crossが言いかけると、風呂の方から少年がひょこっと顔を出した。
「crossさん、洋服…って……」
視線が一気に少年の方へ向く。
「「「……?!」」」
「わっ……?!ごっ、ごめんなさぃ!!!!」
「ちょっ、ニンゲンさん?!」
慌てて風呂場へ戻る少年を追いかけるcrossを3人はぼーっと見ていた。
「……あの子が言ってたニンゲンかな…?」
「そうっぽいな…」
(((…………)))
3人は黙って何かを考えていた。
恥ずかしさでいっぱいになった少年は、風呂場の端っこでふるふると震えていた。
(どうしようどうしよう……!逃げて来ちゃった…!!!)
「ニンゲンさん、大丈夫ですか?!」
「っ…!……crossさぁん…」
少年を追いかけて来たcrossに向かって、弱々しく涙目で答える。
「……ッ…大丈夫ですよ、あの人達は俺らの仲間です」
「…そうでしたか……本当にごめんなさい…」
crossは優しく少年の頭を撫でる。
その時、いきなり隣にnightmareが現れた。
「……何をしている?」
「nightmareさん……!」
「センパイ、遅いですよ」
「あー、すまんすまん」
「ほらよ、服だ」
「ありがとうございます……!」
「着替えたら戻ってこい」
「行くぞ、cross」
「はい」
nightmareはcrossと一緒にリビングの方へ歩いていった。
「………この服かっこいいな…自分には似合わなさそう……」
そう言いながら少年はゆっくりと着替え始めた。
2人がリビングに行くと、3人のスケルトンがソファーでゴロゴロしていた。
「あ、ボスおかえりー」
「なんで風呂の方から来たんだ?」
「アイツの服を置きに行ったんだよ」
「なるほどな」
nightmare達が話していると、ブォンという音と共に、壁にポータルができたと思うと、
その中から、errorが出てきた。
「戻ったぞ」
「早かったな」
「お前が早くこいって言ったんだろ」
errorはソファーにドカッと座った。
「で、あのニンゲンのことだが…………………俺とcross以外見たやつはいるか?」
「errorセンパイ以外は全員見たと思いますよ」
「そうか」
「1個言ってもいい?」
黒い液体を流しているスケルトン…killerが口を開く。
「何だ」
「ボスさ、あの子を保護したのって絶対ネガティブ目的じゃないよね?」
「「「……は?」」」
「それは俺も思った」
「……俺もだ」
2人のスケルトン……murderとhorrorも口を揃えて言う。
「だってあの子───」
killerが話そうとすると、後ろからか細い声が聞こえた。
「あの……?」
「ニンゲンさん!着替え終わったんですね?」
「はい……そうなんですけど…」
と話し終わる前に、killerとhorrorとmurderが少年の周りに近づいて話し始めた。
「さっきは怖がらせてごめんね!僕killer!」
「俺はhorrorだ」
「…murderだ」
「あっ…えっ……?だ、大丈夫、です……」
「君名前は?」
「………好きに呼んでもらっていいですよ…?」
「じゃあニンゲンで!僕のことは呼び捨てでいいし、タメ口でいいからね!」
「は…はい」
「おいkiller、お前ばっかりずるいぞ」
「え?別に良くない?」
「今は僕の番ですぅ〜。大人しく待ってろ幻覚野郎」
「あ”?テメェの番が長すぎんだよ。体内時計死んでんのか石油野郎」
「は?」
「喧嘩するなって……ニンゲンが困ってるだろ」
2人は少年を取り合うように喧嘩を始めてしまった。
horrorが止めようとするが聞く耳を立てない。
少年が困っていると、横から青い糸が少年の腕に絡みつき、優しく引っ張られた。
「わっ……?!」
「おい、大丈夫か」
「あっ、ありがとうございます……!えっと……」
「errorだ」
「…よろしくお願いします……!」
「……おう」
「あ〜!errorずっる!」
「お前らが喧嘩するからだろ」
errorは少年を自分の体の方へグイッと引っ張り、killer達に取られないようにしている。
「お前接触恐怖症じゃなかったのか」
「なんの事やら」
「errorセンパイ、ニンゲンさんを返してください。今から髪切るんですから」
「はいよ」
errorはcrossに少年を渡した。
そのままcrossは自分の太ももの間に少年を座らせた。
「じゃあ、ぱぱっと切りますよ〜」
「えっ?ちょっ、crossさん?!」
少年が慌てる声も聞かずに、crossは少し緊張した顔で少年の髪を切り始めた。
「……よし!こんな感じでどうですか?」
crossの声で5人が少年の周りに集まった。
「「「「「かッ………?!」」」」」
少年を見た瞬間、5人が何かを言いかけて口を噤んだ。
少年の髪は、前髪は少し長く、後ろはウルフカットになっていた。
そして、長い前髪で隠されていた顔は、少し困り眉で、青と黄色のオッドアイであった。
「似合ってるな」
「本当ですか?嬉しい……」
「さっすがcross!髪切るの上手いじゃん!」
「そ、そうですかね?」
褒められた2人は、照れくさそうに頬を赤らめた。
「こいつの髪も切れたことだし、今からこれからのことについて話すぞ」
「これから…?」
「嗚呼。お前がどうしたいかによるがな……誰かの元に戻りたいなら俺たちが連れてってやるが…」
「………誰、か…」
少年は顔を青ざめて俯く。
その姿を見たcross達は改めて何かに気づく。
「………戻りたくないなら、今日からここに住ませてやる」
「……どうする?」
「………………………………自分が居ても邪魔にならないのなら……住みたいです!」
少年は今までよりも少し大きな声でそう言った。
「………そうか……しょうがないからここに住ませてやる。後から逃げ出したりするなよ」
「………はい!」
nightmareが少しにやりと笑いながら言うと、少年は返事をした。
少年はここから、6人のスケルトンたちと暮らし始めるのだった。
「…………………必ず見つけて、連れ戻してやる…」
「逃がさないからね………おにーちゃん♡」
……To be continued
今回長くてすみません…
主人公くんのイメチェン後の見た目を見せたいのと、少し報告がありまして……!
まずイメチェン後をどうぞ。
それと報告です。
今は載ってないんですけど、数日前、この「虐められっ子は闇auに愛される」がランキング入りしてました!
本当にありがとうございます……!!!
これからも良ければ見ていってもらえると嬉しいです!
それでは!
コメント
1件
みぅです🤍🥀 今回もじっくり読ませてもらいました…! errorが編み物して服作ってたの、ギャップ萌えがすごい🥺笑 接触恐怖症なのに少年を守ろうとするのもツボです。 それにしても、髪切った後の少年、青と黄色のオッドアイでめっちゃ可愛い…!みんなの反応が一瞬で変わったのも分かります。 6人のスケルトンに囲まれて、やっと安心できる場所が見つかったんだなぁって思ったら、最後の「おにーちゃん♡」がめちゃくちゃ怖くてゾッとしました…。 この先どうなるんだろう、続きが気になります…! ランキング入りおめでとうございます🎉 これからも応援してます〜!