テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ユウハカ20歳(18 、 19で結婚済み)
捏造しかない
今回いろいろ注意です(無理だなと思ったらブラウザバックお願いします🙏)
コウside
「ねぇあんた。最近顔引き攣ってない?」
10年以上想い続けている人にそう言われて、体が凍るような感覚がした。
「はぁ~!ユウマもハカちゃんも最っ高に可愛い!!」
「姉貴…なんで俺とハカよりはしゃいでんだよ…。」
「うぅ…ユウマもハカちゃんもうパパとママになるんだな…ちょっと前までこんなんだったのに…。」
「コウくんまで!?流石にそんな小さくないですよ!!笑」
今日は写真スタジオをお借りして、ユウマとハカちゃんのマタニティフォトを撮っている。
時の流れも早いというもので、ハカちゃんも来週で臨月を迎えるらしい。
最近は赤ちゃんが無事に産まれることの祈りも込めて、家に帰ったら赤ちゃんに話しかけることが日課になってるんだ。
精神世界から抜け出して、いつもの日常に戻ってきて1年半くらい。
赤ちゃんもそうだけど、あの2人がどんどんお父さんお母さんの顔になっていくのが兄としてすごく誇らしいな。
「というかユウマ…心霊相談所の写真撮った時とか結婚式の時も思ったんだけど、こういう時は心霊写真にならないよね。」
「そうなんだよ…。意外と悪霊って空気読めるんだな。オッキー以外。」
「オッキーはね笑。あれは殿堂入りでしょ笑笑」
「楽しかったけど…すげえ疲れた……。」
「え~ユウマそんなこと言わないの!!」
「俺が写真苦手なの知ってんだろ?それに姉貴が撮るわけでもないのにめっちゃポーズ指定してきたし…」
「でもあんたミレイさんが指定しなきゃポーズ思いつかないでしょ?」
「ぐっ…その通りだ…。」
いつもと変わらない、他愛のない会話を交わす帰り道。
電車のガタンゴトンという一定のリズ厶とささやかな笑い声。窓から差し込んで来る沈みかけの春の光。
はっきりとした意識がどんどん夢の世界に落ちる。
ザーッという止まない音と誰かの叫び声。青い面積が暗い灰色に変わる空と地面に映る赤色の光。
すごく激しい喉の痛み、そこから湧いてくる血の味、肺に穴が空くくらいの息苦しさ。
そんな抱えきれないほどの刺激が僕を夢の世界から追い出す。
一瞬の景色の移り変わりに動揺する。
その瞬きするほんの0コンマ数秒、雨が目に入ってくるのを遮る間の短い時間で全身の感覚器官から頭の中に入ってくる状況を理解した。
さっきまで笑っていたユウマとハカちゃんが血を流して倒れている。
ユウマはきっと妊婦のハカちゃんを庇ったのだろう。ハカちゃんを抱きしめていた。
そしてさっきから近くで聞こえる低くて汚い叫び声は
己の口から出ている激しい声だった。
いや、これは悪夢なんだ。
「…ネム!!!!」
異能力の使い方も忘れて、本来の呼び方である「霊装顕現」という言葉も忘れて、必死でネムを呼ぶ。
あれ?
なんでネムは…
この悪夢を食べてくれないの…??
いつもなら名前を呼ぶだけでも必ず出てくるはずのネムが
今日は何度呼んでも出てこなかった。
「ウ…コウ!!」
「おーきーろっ!!!!」
「…痛っ!?!?」
ほっぺの鋭い痛みを感じて、目が覚める。
バスは停車している。もう家の近くのバス停まで着いたんだろう。
「すごく魘されてましたよ?」
「コウくん…大丈夫?」
「あ、えっと…とりあえず席降りよ?起こしてくれてありがと。3人とも」
さっきの体の感覚が抜けない。動きづらさを感じながら座席から立ち、バスを降りた。
「あんたって悪夢見ることあるんだね〜」
「悪夢」という単語が心を揺らす
「…悪夢…だったのかな。」
「ん?」
「なんでもないよ笑。ほら、帰ろ?」
「は?あ…あんた、その手…。」
「だから。手繋ご?」
「…バカ」
ミレイが手を繋いでくれた。
その手の体温が今日は生ぬるく感じる。いつもならあまり心配していない手汗を気にしてしまう自分がいた。
華奢で綺麗な指が、僕を安心させる。
「ちょっと君、電車の痴漢の犯人の特徴と似てるね?署まで来て貰えますか?」
「え!?ぼ、僕じゃないですってぇぇぇぇ!!!」
「ユウマ…っ…起きてよ…っ お姉ちゃん…ユウマがいないと…」
大好きな女の子の悲鳴と、機械で生きている弟。
「私のせいだ…あの時…足を滑らせなきゃ…」
黒い涙と自責の念に潰され、お腹から血を流して苦しそうに呼吸をする妹。
「…俺たちが選んだ服…似合ってるな。██。」
「また絶対…今度はちゃんと幸せに生きよう。」
「国防戦力」という肩書きを背負って、普段あんなに強いのに、やつれて今にも死にそうな顔で笑ってる恩師。
そして_____
メラメラと青い火で燃やされて、跡形もなく消えてしまう小さな命
産声をあげることも出来なかった小さな命
名前に反応し、笑うことも抱っこしてもらうことさえも出来なかった小さな命
「……。」
何度目なんだろう。
この夢を何回…目に焼き付けられたんだろう。
呪いのせいで眠くなってしまうのを、こんなに辛いと思ったことがなかった。
だって、眠っても…みんな笑って起こしてくれるから。
だけどそんな暖かい人達が嘆き、悲しみ、どんどんやつれていく。それが怖くてたまらない。
「これはただの夢なんだ」って思ったらそれで終わりなのに、夢っていう感じがしないのは気のせいなのかどうなのか…。
そんな思考が一週間経っても頭の中を何十周、何百周もぐるぐるし続けている。
「あれ?コウくんおはよう。珍しいな。そんな早い時間に起きてるの。」
ユウマとハカちゃんがリビングに来た。2人の近くにある時計が6時47分と表されている。
「おはよう。最近なぜか夜寝付き悪いんだよね〜笑 何もすることないから下降りるの一番乗りだったみたい。」
「え?コウくんに限ってそんなことあるんですね…。」
そうだよ。今までそんなことなかったから…分かんないんだよ。
「せっかくコウくん早起きだし…もしよければコウくんも一緒にご飯作る?」
「じゃあ作ろうかな。」
「ちょ…どういう切り方したらそんな断面になるんだよ!?代わってやるから…」
「う、うるさい!私が作るの!」
いつものやりとりがフライパンの音と共に聞こえてくる。学生の頃とほとんど変わらないなと毎回思う微笑ましい時間だ。
「今日は2人とも大学ある?」
「えっと…一応2人とも今日の午前中行ったらしばらく休みとったな。いつ生まれてもおかしくない時期入ったし。」
「まぁこの後単位とるのめっちゃ大変になりそうですけどね笑。コウくんの今日の予定は?」
「僕は午後から病院でリハビリ。4年くらい寝てたからちゃんとしないと。」
「でもコウくんもう普通に歩けてて本当にすごいよな…。」
「早く殲滅部隊の仕事も出来るようになんないとね。」
今度は味噌と出汁の匂いが香る。朝の日差しが僕の大好きな家族を起こす。
「…ミレイ。おはよ。」
テーブルに色とりどりの食事が並ぶ。ハ力ちゃんと僕が手伝ったとはいえ、見てるだけでよだれが出てくるようなものばかりだ。
「あ、動いた。最近よく動くね〜。」
「よし…今なら俺いけそうじゃ…」
「もうすぐ産まれるんだから今のうちよ笑…あ静かになった。」
「ちくしょう…どんだけ不幸なんだ俺…触った瞬間電源切れたみたいにピタって止まんの本当になんなんだよ…。」
ユウマがハカちゃんのお腹を触る。2人にがイチャイチャしてる時に最初に胎動が起こったってオッキーから聞いた時は笑っちゃったな。
「そういえばユウマ、ハカちゃん!!」
「ん?姉貴どうした?」
「赤ちゃんの名前ってもう決めたの?」
「あー…一応ユウマと何個か話して候補決めてるんですけど…名前決めるのって難しいですね…」
「候補…例えば?」
「えっと『トウカ』、『シイナ』、『レイナ』…辺りっすね。可愛い名前にしたくて…。」
「え!?レイナちゃんとか絶対かわいいじゃん!!ほら、お姉ちゃんと同じ『レイ』って入ってるし!!」
「ユウマなかなかセンスいいね…隠し子でもいたの?」
「いるわけないだろ!?なんでコウくんそんな姉貴みたいなこと言ってんの!?」
「なんか最近のコウくんミレイさんに似てますよね…」
「え?ああ…ミレイのこと好きすぎて似てきたのかも笑」
「ばっ…!!!!何言ってんの!!コウのアホ!!!」
「姉貴…?相変わらずだな笑。」
「え!?ユウマ!!もうそろそろ行かないとバスの時間間に合わなくなっちゃう!!!」
時計が7時52分を示す。その横にあるバスの時刻表の8時15分という文字が赤い丸でぐるっと囲われていた。
「うわ!?やっべ…ごめん!!姉貴、コウくん!!食べ終わったら残ってんの全部冷蔵庫入れて、食器水に浸しといて!!」
「はいはーい!!行ってらっしゃい!! コウ。食べ終わっ…」
ミレイの声が遠くなっていく。
あ…これ…
また…意識が夢の世界へ…。
「コウ!!!!」
「…!!!」
「人の話は最後まで聞け!!」
「…僕、えっと…っ…あ…の」
「なに?聞こえない」
「…行かなきゃ。」
「は?ちょ…ちょっと待ってよ。」
「…ごめん。」
「待ってって言ってんでしょ!!!!」
ミレイに手を掴まれる。普通なら掴んでるその手を握り返したいと思うだろう。
だけど今、僕は生まれて初めてミレイの手をすごく離したいと思った。
自分の切羽詰まった心音と呼吸音が耳の中でこだまする。体が熱くて冷や汗が止まらなかった。
「ねぇあんた。最近顔引き攣ってない?」
「え?」
10年以上思い続けている人にそう言われて、体が凍る感覚がした。
さっきまで体に籠っていた熱はどこかへ消えてしまったみたいに、体の感覚が消える。
「だ…だって変じゃん!!最近…あんた寝る度に冷や汗かいてるし、いっつも寝てる癖に夜更かししてるし!!なんなの!?!?」
「なん…で…私に笑って誤魔化すの…?誤魔化す手段として私の事女として扱うの…っ?」
「…今は…だって…えっと…。」
正論を突かれて言葉が出ない。必死に言い訳を考えようと辺りを見渡す。
5月10日
8時1分33秒
バスの時刻表
今までの出来事が完全に一致する。
この得体のしれない悪夢は…きっと
「あ!!!コウ…!?!?」
さっきの体の熱と冷や汗が戻る。
この感覚は、何度目だ?何回繰り返した?
まだ関節が上手く動かない足。肺の痛み。心音と呼吸音。
動きづらい体。4年間眠っていた体の歪みが僕を襲った。
だけどそんなことも関係なく、ただ走る。
弟と妹を…大切な命を守るために。
ザーッという止まない音と誰かの叫び声。青い面積が暗い灰色に変わる空と地面に映る赤色の光。
すごく激しい喉の痛み、そこから湧いてくる血の味、肺に穴が空くくらいの息苦しさ。
そんな抱えきれないほどの刺激が僕を夢の世界から追い出す。
一瞬の景色の移り変わりに動揺する。
その瞬きするほんの0コンマ数秒、雨が目に入ってくるのを遮る間の短い時間で全身の感覚器官から頭の中に入ってくる状況を理解した。
さっきまで笑っていたユウマとハカちゃんが血を流して倒れている。
ユウマはきっと妊婦のハカちゃんを庇ったのだろう。ハカちゃんを抱きしめていた。
そしてさっきから近くで聞こえる低くて汚い叫び声は
己の口から出ている激しい声だった。
…始まってしまった。
正夢が。
???side
「初めてかな…ここに来るの…。」
「何じゃ?…其方が其方の意思で妾の精神領域に入ってくることなど…今までなかったことじゃのう…。」
「酒呑童子さん…。あの…」
「よい。ゆっくりで構わぬ。」
「其方の事だ______」
不穏ですね〜笑
私は不穏とかバッドエンドとかなんでも大好き人間なのでそういうのもあります!!
1話で分かってると思いますが、ちゃんとハピエンになります!!ご安心ください笑!!
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!