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にこちゃん
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#osyn
にこちゃん
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yn視点
プルルルッという音で俺は目を覚ました。枕元のスマホから電話の鳴る音。
気持ちよく眠っていた俺にはその音が煩わしく思えて、無視して眠ってしまおうかと迷った。
俺は目を擦りながら少しだけ目を開く。外はまだ真っ暗だった。誰からの着信かを確認する。
表示されていたのは、俺の片思い中の相手。俺は急いで着信ボタンを押した。もうとっくに目は覚めていた。
「…もしもし?おさでい?」
起きてすぐなので上手く声が出ない。
「あ…やなとさん?起こしちゃったよね、ごめん」
震えた声がスマホ越しに聞こえてくる。少し鼻声で時折鼻を啜る音が聞こえてくる。泣いているのだろうか。俺は驚いてほんの一瞬息が止まる。
「俺は全然大丈夫だよ。どうしたの?大丈夫?」
できるだけ優しい声でそう返す。時計は午前1時半を指していた。こんな時間に、こんな状態で電話を掛けてくるなんて不安で仕方がなかった。
「ちょっと…色々あって不安で、声聞きたくなっちゃった…」
そんなことを言われて少しドキッとする。俺が支えになれてるのかと思うと自然と少し口角が上がる。
メンバーに頼られるのは好きだ。でもきっとこの嬉しさはそれだけじゃない。
震えたままのおさでいをこのまま1人にするのはなんだか許せなくて、俺はおさでいにこう言った。
「今から家行ってもいい?」
え…と言うおさでいの声が微かに聞こえてくる。
「流石に申し訳ないし、大丈夫だよ」
声に明らかに元気がないし、お世辞にも大丈夫そうには思えなかった。
「俺が会いたい。だめ?」
そう伝えると、少しの間無言の時間が続いた。
「いいよ。でも、気をつけてね、」
心配そうな声。元気の無い状態なのに、優しい言葉を俺に投げかけてくれるのは少し嬉しかった。
電話を繋ぎながら、俺はどうやっておさでいの家に行くか考える。
電車は今の時間だともう走っていない。歩いて行くには遠く、時間が掛かりすぎてしまう。タクシーなら、そう思い俺はタクシーをすぐにアプリで予約した。10分後には俺の家に着くはずだ。普段だったらお金が掛かるタクシーなんてわざわざ乗らないけれど、おさでいの為ならそんなことは気にならなかった。
電話は繋がっていたけれど、ほとんど会話は無かった。お互いの生活音を聞くだけ。なのに何故だか心では繋がっている、そんな気がした。
タクシーの中で俺は、いつもより暗くなった街を眺める。イヤホンからはシーツの擦れる音や、鼻を啜る音、目元を擦る音が微かに聞こえてくる。それだけで今、おさでいが泣いているんだと伝わってくる。
俺は口をギュッと固く結んだ。
おさでいの家の前に着き、俺は恐る恐るインターホンを鳴らす。すぐにガチャっと扉が開いた。ずっと玄関で待っていたのだろうかと妄想してしまう。しかし、目元を真っ赤に腫らしている、クマの酷いおさでいを見て、そんなことを考えている場合ではないとぶんぶんと頭を横に振った。
おさでいは、俺の顔を見ると酷く安心した様な表情になった。それに、俺はふっと胸を撫で下ろす。
「……寒いよね?中入って…?」
おさでいがこちらの様子を伺いながらそう言う。
俺は頷き、少し暗いおさでいの家の中に足を踏み入れた。
2人で並んでソファに腰を掛ける。最初に口を開いたのは俺だった。
「何があったのか聞いてもいい?」
俺は出来るだけおさでいの負担にならない様に、優しくそう問いかけた。
おさでいは、どうでもいい話なんだけど、と前置きをしてからぽつりぽつりと話し始めてくれた。
「今日の夜、エゴサをしていたら良くない意見を見つけちゃって、でしゃばりすぎとか、グループに必要ないとか…普段なら全く気にならないんだけど今日はなんだか眠れなくて……ごめん、こんなこと話して」
いつも元気でエネルギッシュなおさでいがここまで落ち込んでしまっているのを見ると、キュッと心臓が痛くなる。自分よりも歳下の彼をこんなにも悲しませる様なことをした人に怒りを覚えた。
「そんなこと、全くないよ!!おさでいは絶対グループに必要だし、居なかったらきっと今のすにすては存在しなかったよ…!」
俺は自分の思ったことをそのまま伝えた。192㎝の存在感、歌唱力の高さ、ダンスの飲み込みの良さ、そして最年少なのにグループ全体を引っ張っていける程の活動への熱量。俺はおさでいのいい所を誰よりも知っている自信があった。
「そんなことないよ…俺なんか居なくたって……。いい所も好かれる要素も一つもないし…。」
とても泣きそうな顔をしながらおさでいはそう溢した。俺はそれが許せなかった。
「そんなこと言わないで。俺はおさでいの好きな所沢山あるんだよ…?」
真っ直ぐにそう伝えると、おさでいはこちらを向き、え?と目を見開く。
「いつもみんなを笑わせてくれる所が好きだよ。ふざけてる様に見えて周りをしっかり見てる所が好き。活動に対してストイックな所が好き。普段のちょっとだらしない所も好き。……俺に向けてくれる優しい顔も好き。おさでいの全部が俺の好きな所だよ?」
ちょっと、いやだいぶ恥ずかしいことを言った気がする。チラッとおさでいを見ると顔を真っ赤にして固まっていた。
そんな反応をされるとこっちも恥ずかしくなってくる。今すぐ誰か笑い飛ばしてほしい。
「お願い、なんか言って…?恥ずかしすぎて死ぬ…」
自分でも顔が赤くなっているのが分かった。この空気をどうにかして欲しくておさでいにそう訊ねる。
すると、おさでいは少しアワアワした後、こう言った。
「その…ありがとう。俺、お陰で今めっちゃ幸せ。」
おさでいが優しく微笑む。俺は役に立てたのが嬉しくて、ギュッと自分の手を握る。
「ねぇ、やなとさん?……一つお願いしてもいい…?」
おさでいは俺の顔色を伺いながらそう聞いた。
「もちろん」
俺はしっかりと縦に首を振る。
「……もうちょっと、一緒にいたい…です」
おさでいの手が少し震えているのに気がつく。見ているだけなんてできなくて、俺はおさでいの手を握った。
「うん。今日はずっと一緒にいる」
おさでいの目を真っ直ぐ見てはっきりとそう口にする。
それから俺たちはリビングでネットに投稿されている何気ない動画を見ながらゆっくりとした時間を過ごした。
30分程経った頃、おさでいが眠そうにウトウトし始めたので寝室に行く提案をした。
相当眠かったのだろう。おさでいは迷いなく頷いた。
寝室まで着いて行き、おさでいがベッドに入るのを見守る。数分後、おさでいはスースーと綺麗な寝息を立てながら眠りについた。
俺はしばらく寝ているおさでいを眺めた。
正直な話、今までおさでいがこんなに抱え込んでいるなんて気が付かなかった。気が付ける距離にいたはずなのに、気が付けなかったことが凄く悔しくて、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
しかし、俺に相談してくれて、頼ってくれて、弱い部分を見せてくれたことには少し嬉しさを感じた。
おさでいにとって大切な人になれていたのかなと思うと、なんだか胸が熱くなる。
そんなことを考えていると、おさでいの呼吸が少し速くなっていることに気がつく。心配になり、様子を見ていると、顔を顰めてうーっとうなされ始めた。
俺は慌てておさでいを起こす。
「おさでい?大丈夫?起きて!」
肩を揺するとおさでいはハッと目を覚ました。
「……やなと」
不安そうな顔が少しずつ安心の表情に変わっていく。
「居なく…ならないよね?」
俺を見上げながらおさでいはそう聞く。
「居なくならない。ずっと一緒にいるよ」
出来るだけおさでいを安心させられる様に、そう伝える。
「もう少しだけ…近くに来て?……一緒に寝よ?」
上目遣いでそうお願いされると、可愛さに少しキュンとくる。デカいくせにこういう時だけ可愛くてずるい。
「今日だけだからね?」
俺は素直になれずそんなことを言ってしまう。我ながら可愛げがない。
ゆっくりと布団に入ると、おさでいの温もりを感じて急にドキドキが増した。すぐ横におさでいがいる、それだけで俺はもう平然ではいられなかった。
でも、おさでいが安心して眠りにつくと、俺も釣られてすぐに眠気が襲いかかってきた。
「おやすみ、おさでい」
そう言って、俺も眠りについた。
os視点
眩しい。窓から入ってくる日光で目が覚める。
あれ?隣に誰かいる?、そう思いパチパチと目を開けて隣を見る。そこには、俺の大好きな人がいた。
その瞬間、俺は昨日の出来事を全て思い出す。同時に一気に恥ずかしさが押し寄せた。
自分の気持ちもまだ伝えていないのに失態を晒してしまった。過去の自分を恨む。
でも、こんな俺にやなとがここまでしてくれたのは本当に嬉しかった。この人の優しさをまた知れて、好きが増して、愛おしくて。
ふと、やなとが俺の服の端をそっと握っていることに気がつく。可愛い。やっぱり好きだ。
俺は、起こさない様に指でそっとやなとの前髪を横に流した。
そして、おでこにちゅっと口付けをする。
「…ありがとう」
小声でそうお礼を伝える。
不安な気持ちなんて全て吹き飛んだ俺は、やなとの暖かさを感じながらそのままゆっくりと目を閉じた。
コメント
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最高です!めっちゃ尊かった…os×nt好きなのでこれからも応援します!お気に入りです!
うあぁぁぁ、最高だぁぁ…僕アンチに苦しんでメンバーに助け求める系大好きで…これからもおうえんしてます!
みぅです🖤 「午前1時半のSOS」、読み終えました。 ゆゆさんの文章、すごく好きです。 ynが深夜に電話を受けてすぐにおさでいのところへ行く、その“会いたい”の一言がもう、静かに重くて…。 「俺はおさでいの好きな所たくさんあるんだよ」からの告白パート、心臓がぎゅってなった🥀 そして朝、おさでいがynのおでこにキスするところ……『ありがとう』が本当に優しくて。 この2人、絶対に幸せになってほしいです…🌙