店を出るとnaとbrが近くのコンビニへ行くらしく俺とknはそのまま待機していた。
kn「今日は突然ごめん。でも、楽しかった。」
sh「うん…俺も。」
kn「良かったらなんだけど、またこうしてご飯とか一緒に食べてもいい?」
sh「あぁ。」
kn「あとさ…その…」
br「ただいまーーー」
何か言いかけてたknの言葉はbrに掻き消される。
sh「kn?」
kn「なんでもない、気にしないで。」
knがbrと話し始める。俺は言いかけた言葉が気になってknを見つめていた。
na「どうした?そんなkn先輩ばっかみて。」
sh「…見てねーよ。」
na「はいはい。そうだ、br先輩がまだ時間早いし他のお店行かない?って言ってるけど、どうする?」
sh「えと…」
俺は横目で一瞬knを見る。
na「kn先輩も来るけど。」
sh「え!?」
naを見ると満面の笑みで俺を見ていた。あの一瞬さえも見逃さないのか…さすがna。
sh「…行く。」
na「だよなー!」
naがbrに声をかけて俺達は歩き出した。俺はknの隣に並び先程の事が気になり声をかける。
sh「さっき…何言いかけたんだよ。」
kn「あー…はは、気になるよなぁ。」
knはなぜか困り顔で笑ってる。
kn「たいした事じゃないんだけどね。」
sh「言ってみろよ。」
kn「その…連絡先…交換しない?」
sh「へ?それだけ?」
kn「それだけって…」
意外過ぎて俺は口元を抑えながら笑う。なんだか今日はknの違う一面をたくさん見てる気がする。
sh「はぁー、knって面白いな! 」
kn「笑うなって!こ、断られたりしたらやだろ?」
sh「そうだけど、またご飯とか行こうって言った相手に断られる事ないだろ。」
kn「…じゃぁ、二人でご飯行きたいって連絡しても良いって事?」
sh「そりゃいいだろ。なんで?」
kn「……二人でも平気なの?」
その言葉に俺はknを意識してしまう。目を合わせれなくなって俺は何も言い返せなくなった。
kn「…そんな反応されたら誤解しちゃうけど?」
sh「な!?……見んなっ!」
kn「わかったよ。じゃぁ、忘れないうちに交換しよ。」
お互い携帯を取り出し連絡先を交換する。画面に“kn”と表示されるのを見て嬉しい気持ちが溢れ出す。
kn「有難うshk。」
sh「…おぅ。」
俺は照れ隠しで短く返事をする。なんだろう、俺はあの日からknといると色んな気持ちが込み上げてくる。
naとは違う別の感情が次々と溢れ出す。きっと自分でもそれが何なのかはわかってはいるんだ。
sh「…俺からも連絡していいの?」
kn「全然いいよ!いつだって待ってる。」
sh「…ん。」
その答えは
“俺がknを好きになってしまったから”
俺は段々恥ずかしくなり顔が赤くなっていくのがわかった。それを隠す為にna達に駆け寄り会話に混ざっていった。
しばらく歩き、2件目の店に到着するとお洒落な内装のBARだった。あまり行った事のない店なので勝手がわからず皆んなについていく。
kn「緊張する?」
sh「こんなとこ来た事ないから、ちょっとしてる。」
kn「一緒だね。あいつお洒落な所知ってるなぁ。」
笑いながら俺にメニュー表を渡してくれる。聞くところによるとknはお酒が飲めないらしい。俺がメニュー表をまじまじと見ているとnaが隣に座ってくる。
na「…なぁ、kn先輩お酒飲めないのになんで来たんだろうなー?」
耳元でそう言われてnaを見ると悪い顔をしているnaがいた…。
sh「お前…」
na「あんまり酔いすぎんなよ!」
肩を叩かれてnaが向かいの席に戻る。naの言葉に俺はもしかして…なんて浮ついた気持ちが込み上げる。それを振り払うかのように頭を振りメニュー表を見なおす。
sh「(考えんな…考えんな…)」
na「shk?決まった??」
kn「shk??」
sh「へ?」
br「ほら、もう頼んじゃうよー?」
俺は皆んなに促されて急いで注文をする。na達がまた会話を始める…けど、会話が全然入ってこない。
sh「ちょっと、トイレ行ってくる。」
頭を冷やす為に俺はその場を離れた。
トイレに入るや否や俺は洗面台で水を出す。
sh「まずい。全然会話が入ってこねぇ…。」
手を洗い、その手で自分の頬を叩く。冷たい水が当たり少しだけ意識がシャキッとする。
sh「フーッ…普通通り…普通通り…」
鏡の自分に呪文のように唱えているとコンコンと壁を叩く音が聞こえて音の方を向く。
kn「何してんの?」
sh「あ、いや、その…」
せっかく意識集中させてたのにknの登場で全て台無しになる。俺は外にまで聞こえてるんじゃないかってぐらいに心臓が脈を打っていた。
kn「…ごめん、shk。勘違いだったらあれなんだけど、俺の事意識してくれてる?」
sh「え!?」
kn「shkの反応がいちいち可愛くて…」
このまま伝えてしまっていいものなのか。knは嫌じゃないのだろうか…俺はぐるぐると頭を悩ませる。
sh「俺…knといると普通通りにできない。 」
kn「じゃぁ…俺、帰った方がいい?」
sh「え?嫌だっ!」
俺はハッとする。knの顔を見ると嬉しそうに笑っていた。
kn「帰らないよ。」
sh「…本当に意地悪だよな。」
kn「こうでもしなきゃ確かめれないから。」
sh「俺が帰る。」
そう言った途端knが俺の手を取る。
kn「帰んないでよ。何の為にここに来たと思ってんの?」
sh「……。」
kn「shkがいるからに決まってるでしょ?」
俺は待っていた言葉を聞けて嬉しくなる。顔を上げるとすぐ近くにknの顔がある。恥ずかしいはずなのに顔を背ける事ができず、どこか期待をしている自分がいた。
kn「…いいの?逃げないとキスしちゃうけど。」
sh「…聞くなよ。」
グッと力強く腰をknの方に引かれる。もう少しで唇が当たる寸前でピタッと止まる。
kn「…shk。抜け出さない?」
sh「え?」
kn「続きはそこで。」
knに手を引かれて俺達は席に戻る。na達が俺達の様子を見て何か悟ったのか、二人して手を振り出す。
kn「br、naごめん。shk借りてくね。」
br「おーおー、お熱いですなぁ。」
na「shk!また話聞かせろよ!」
うるせー!と悪態をついて俺達は店を出る。握った手は繋いだまま俺達は駅へと歩き出した。
続く。
コメント
2件