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現在編 昔と同じじゃない
潔side
閉店後のカフェ。
潔はカウンターを拭きながら、時計を見た。
潔「……今日も来たな」
入口のベルが鳴る。
バニー「こんばんは、潔」
潔「もう閉店だけど」
バニー「知ってる。少しだけ」
バニーはいつもの席に座った。
最近は、閉店間際に来て、潔が仕事を終えるまで帰らない。それが当たり前になっている。
潔「何飲む?」
バニー「コーヒー。潔が淹れるなら何でもいいよ」
潔「……そういうの、やめろ」
バニー「何が?」
潔「昔みたいな言い方」
バニー「昔?」
潔「俺が担当してた頃」
バニー「懐かしいね」
潔がコーヒーを置く。
バニー「変わらない」
潔「何が?」
バニー「潔が、俺を見る目」
潔「……俺は変わったと思うけどな」
バニー「そうかな。エージェントも辞めたのに、俺を見つけた時と同じ目をしてる」
潔「……?」
バニーはカップを置き、静かに潔を見つめた。
バニー「昔から、潔は俺を見てた。だから俺も、潔を見るようになった」
潔は少し警戒した。
最近のバニーは、閉店時間を狙うように来店し、潔が誰と話していたかまで覚えている。他の常連のことも、妙に詳しかった。
潔「……バニー。最近、俺のこと見すぎじゃないか?」
バニー「今さら?」
潔「そういう意味じゃない」
バニー「分かってるよ」
返事が早すぎた。
バニーは笑っている。けれど、その目は潔から一度も離れない。
バニー「昔は、潔が帰ってくるのを待つことしかできなかった」
潔「……」
バニー「でも今は違う。会いに行けるし、誰といるのかも確かめられる」
潔「確かめるって……」
バニー「潔が俺以外の誰かを見てると、嫌なんだ」
潔は言葉を失った。
バニー「だから、俺を見て。昔みたいに」
潔「……それは、昔とは違うだろ」
バニー「うん。もう、昔みたいに何も言わずに待つだけじゃないから」
バニーは立ち上がった。
バニー「また明日来るね」
潔「……明日も?」
バニー「うん。潔に会いたいから」
扉が閉まる。
静かな店内で、潔はしばらく入口を見つめていた。
昔、施設にいた少年は、ただ「離れたくない」と思っていた。
けれど今のバニーは、自分から会いに来て、距離を詰め、潔を自分だけのものにしようとしている。
あの頃の執着は、終わっていなかった。
時間をかけて、もっと強くなっていた。
次回第6話 あの時から
コメント
1件
バニーの「昔は待つしかできなかったけど、今は会いに行けるし確かめられる」という台詞がすごく響きました。潔の「俺は変わった」に対して「俺を見る目は変わらない」と返すところとか、執着の形が時間を経て繋がっていく感じがゾクゾクします。閉店間際に通い詰めて、潔の周囲まで把握しているバニー、ちょっと怖いのに目が離せないです。次が気になります!
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#キャラ崩壊
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