こんにちはミラです。
ココ春は書いていて気疲れしないので好きです。ココも春千夜も可愛いです。
正直言って最近忙しすぎて、書くのをやめようと思っていました。ですが、久々にテラーを開いたらこんな私でもフォローしてくれている方や、応援メッセージをくれる方がいて。本当に嬉しくてちょっと泣きそうになっちゃった…。応援してくれている方、そしてこの純白の天使の発案者でありずっと応援し続けてくれるせんさん、本当にありがとうございます!
バチボコ低浮上だけど続きます!完結させます!お付き合いいただけたらとっても嬉しいです!
純白の天使
何処からか、パチパチと何かが爆ぜるような音が聞こえる。
やけにぬるいコンクリートが地面に横たわる身体を温める。
何が、起きた…?
状況を把握しようと身を起こそうとするも、体が動かないことに気がつく。
限界を迎えている、とりあえず目玉だけをくるくると動かして周りを見渡と…赤、赤、赤。
目も眩むほどの赤が踊っていた。
「っ…あいつ、は…⁈」
そんな状況の中で、出し抜けに脳裏を掠めたのは。この状況への絶望でもなく、幹部としての戦況の心配でもなく、逃げる方法でもなく、唯一人、唯…
………あれ。俺は…今、何を探してた?
目を無意識のうちに回して、自分は何かの姿を探していた。その事実にやっとのことで追いついてきた思考が気付く。
自分は何を探してたのか、何を求めていたのか、こんなに胸が騒ぐのは何故なのか、なんで…ショート寸前の思考じゃ何も理解できず唯悶々とその不可思議な己の行動を反芻するのみだった。
視界の端にチロチロとコンクリートを舐める赤い舌が映り込む。
霞む視界、歪む天井。なんでこんなことになったんだろうな…と、焼け焦げた思考をぼんやりと回してみた。
カチャリ
鈍く輝く鉛玉がブラックのレボルバーへと吸い込まれていく。
「っし、おい春千夜。準備は終わったか?」
細身の銃をまるでライターでもしまうような手つきで懐へとしまった九井が三途を振り返る。
「おー。」
まの抜けた返事。ずるり、と三途の傍らに横たわっていた日本刀が立つ。ぼんやりとした返事が描き消えるほどに三途の瞳はギラついていた
「じゃ…行くか。」
背中の翼口から覗く九井の羽が、ゆらりと揺れたように思えた。
・・・
日の光を受けでギラギラと輝く銀のポルシェが廃ビルへと吸い込まれていった。
・・・
ドンっズダダダダダダダダダダダダダダ
鉛のまち針が一斉にコンクリへと吸い込まれていく。床には縫い付けられた人間がちらほら。
「っは!おいテメェら!チャンバラごっこがほんっと下手くそだよなぁ!!」
三途が興奮絶頂という様子で弾丸の雨の中頬を紅潮させのけぞる。
「おい三途、煽るな」
そんな三途にちらりと一瞥をくれた九井だが、はぁ…と溜息をつくと三途の援護をするべく敵に肉薄した。
その場にいる誰よりも俊敏な動きで駆け、相手の死角に周り込み、撃つ。音もなく、夜を渡る猫のように。
躊躇なく。
そんな九井を横目に、三途は豪快に日本刀を振るった。相手を綺麗に切ってやろうという心意気の篭った細身の繊細な刀ではない。ただ相手が立ち上がらなくなればいい、その一点に重きを置いた頑丈で太い血みどろの刀だ。
正に刹那。三途が刀を閃かせると、あたりに湧いていた人間の頭が視界から掻き消える。
薙いでは撃ち、薙いでは撃ちを繰り返す。
余りの恐ろしさと溢れかえる肉体と精神の苦痛に人々の表情が苦悶に歪む。
その様は最早一種異様の美しさをも呈しており、筆舌には尽くし難い残酷さと、妖艶さが奇妙な楽園を創り上げていた。
人々は逃げ惑う、しかし逃げた者から容赦なく九井の弾丸が食い込んでいく。
そんな中、運良く、本当に運良く三途の大太刀を免れ、九井の絶対的に追跡を逃れた虫がいた。
「山田ァァァァァァァァァァ!!走れえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!!!」
敵の一人が雄叫びをあげる。死に間際の、全てを賭けた仲間の叫び。しかし、そんなものは一切山田には届いていなかった。
くたびれたTシャツに、根性のない怯え切った顔。足は絡れ、それでも必死に逃げようと踠く滑稽さ。
山田は今日も、最高に輝いていた。
そんな山田を視界の端に捉えた三途が、にぃ、と。口角をあげる。そして、少し身体を傾げると、消えた。
銀髪を靡かせながら、九井が薄い唇を開く。
「遊び過ぎんなよ三途ー。」
「わーってるって!」
三途の相変わらず馬鹿でかい声があたりを駆け巡る。
……
- わーってるって ー
その声が…やけに…やけに近くで聞こえたような気がして、山田の心臓が跳ねる。
しかしこの廃ビルのワンフロアはぶち抜かれている駐車場のため結構な面積を有している。
さっき三途がいた位置からここまではさっきの一瞬で来れるはずが無いのだ。現役の陸上選手でも無い限り。
大丈夫だ、ここから出て仕舞えばこっちのもんだ。
そう言い聞かせ山田は地面を踏みしめ「おいおい逃げんなよぉ。」
「ひっ」
それは余りに唐突だった。
山田の首筋に甘美な吐息がかかる。喉仏には一瞬にして白く美しい彫刻のような手が載せられ、頸上には銃口が当てられているのがわかる。
脳天から爪先を裂くような悪寒に山田が振り向くと…
そこには豊穣の女神であるかのように美しい艶やかな微笑みを浮かべた三途がいた。
ロマンチックな小説のように、女の子が憧れる少女漫画のように、山田と三途、二人だけの世界があたりを包む。
そして恐怖に地獄を覗いたように様相の山田が息を吸う間もなく…あたりに紅の薔薇が散った。
続きは♡3000いったら出しますー頑張りますー
感想、応援コメントが書く動力となっているので続きを見たいと思ってくださった方は是非コメントしていただけたら嬉しいです!
special thanks せん🍀さん
コメント
9件
なんでそんな神作品ができるのか… 【褒めてます】
体調にはお気をつけください