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死にたい子は死ねない子

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死にたい子は死ねない子

34 - 第学校生活#11

2023年05月13日

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責任から逃れたいがために人は嘘をつく。私も嘘は吐くし、騙すこともする。でも嘘はバレるし、一生の枷となって付き纏うのだ。


「ごめん!!俺がやったんだ、、」

そう発する新潟くんに皆は「なぜ?」と言う顔をして見つめていた。

「俺、香川のこと好きだったんだ。」

新潟くんはクラス全員に叶わない恋を話し始めた。別に香ちゃんが好意を抱かれていることは何も不思議ではない。優しいし、可愛いし、その上誰とでも仲良くしてくれるし。

「ごめん、、だからなんでお前は平気な顔して学校きてんだって思っちゃって。」

誰も納得はしていない。でも理解できなくもないのだろう。好きな人が死んでしまい、その怒りと、行き先の無くなった好意は全て憎悪へと変わり、無差別に周りを攻撃してしまうから。それを理解しようとするのはおかしな話ではない。でもやっぱり誰も肯定はしなかった。

私は本当に反省しているようだったし、慣れたことでもあったのでそれ以上咎めることはしなかった。しかし、まだ謎は残ったままだった。

「じゃあ北海の靴箱を荒らしたやつって誰なんだ?」

秋田くんがぼそりと、しかしはっきりとつぶやく。

「だからあんたでしょって。」

私が教室に入ってくる前の話なのだろう。確かに北海くんに怒りを覚える人なんて秋田くんしか思いつかない。でも秋田くんはそんなことしない。秋田くんなら直接言うはずだ。

「違うって。一応俺もあいつとそれなりに仲良かったんだぞ、、、」

茨城さんを否定して少し俯く。

キーンコーンカーンコーン、、、

学校を終えるチャイムが鳴る。先生は転校の問題で忙しいらしく、挨拶もせず下校となった。「あのっ、、山梨さんっ、、」

靴箱に向かう途中に名前を呼ばれ、振り返る。そこには新潟くんがいた。

「ほんとにごめん、、」

「だからいいって、」

私は少しの苛立ちと本当に反省しているんだと言う関心を覚え、そっけなく返した。しかし新潟くんは頭を下げたままだった。呪いのせいだろうか。私は前を向き歩き出した。私が理央さんに当たった時はあんなに反省できなかったともう手遅れな反省をした。

「山梨さん!」

今度は秋田くんに名前を呼ばれる。

「ごめん、、、」

今日私は何度謝られればいいのだろうか。謝罪なんてそもそも意味のないもので謝る側の自己満足なだけなのに。

「別に秋田くんは悪いことしてないでしょ。」「ごめん、、今度も助けられなかった。」


私と秋田くんの物語の真実を知るのに、1時間とかかからなかった。

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