TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

別のSNSで見つけた作品がめちゃくちゃよくてそれをすちみこに変えて書きたいな~と思ったので書きます!!←え


‹注意›

・すちくんが幽霊設定のメリバです

・二人は知り合いではありません

・服装に意味もありませんただの趣味です

・モブキャラが出てきます

・R18だけを見たいという方は途中と最後にあるので探してみてください

・僕のオリジナル入ってます

・🔞濁点、♡あり🔞


『』←みことちゃんが喋ってる時の

「」←すちくん・モブキャラが喋ってる時の





「そこのあなた!あなたです!そう、あなた!」


ローブをまとった、怪しげな女性に話しかけられ振り返る。

水晶玉を掲げる爪は赤紫色に彩られ、どこかミステリヤスな美を感じた。

分けられた前髪から覗くおでこは丸くてつるんとしており、年上やとは分かるものの、いくつかは分からへん。

いわゆる美魔女というものや。


「あなた、つかれていますね」


『え、と…仕事終わり、なので 』


「いいえ違います。男性が憑かれています。…あなた自身というより、……部屋?あなたの住む場所に憑いているそうです。」


『ス、ストーカーとかですか…?そんな、』


身に覚えがあらへん。男性と関わる機会なんか職場以外ほぼないし、お隣さんは男性やった気ぃするけど、挨拶したことある程度。


かといって別次元の存在やと言われても、胡散臭さが勝って信じがたい。

夜の、しかも人気の無い道で、こんな人に関わったら大変そうや。

足早に立ち去ろうと体の向きを変えると、謎の呪文を唱えられた。


「〜〜!!〜〜!!」


『え、え、何?それ、怖いです、ちょ、やめてください……』


「これであなたも分かるはず。私の言葉が嘘ではないということが。後ろを見て見なさい。」


『後ろ……?』


そこには青年がおった。いつからおったんこの人。 驚きで体が大きく震える。女性と青年を交互に見て、状況を把握しようとした。

……信じたくない、絶対に違う。そんなわけない。


「 これは見えないものを見せる術。私の人生をかけて習得したものです。ふふ、見えたのでしょう。後ろの霊が!!」


『ひっ、な、や、やめてください!この人にも失礼ですよそんな言い方!!』


「本当は分かってるくせに。空気で、人ならざるものだということが。」


『や、やめて、俺そういう話苦手なんです……ドッキリですよね?そうですよね!二人して俺を騙そうとしてるんや!テレビ?YouTube?誰が撮っとるんです? 』


黙って首を振る女性は至って真剣な顔をしていて、背中がゾワッと冷たくなる。

ほんまに…幽霊、なん?

後ろの人は動きもせんと、うつむき気味に俺の方を見ていた。


「まぁ、悪さをするものではないと思うから、放っておいて大丈夫。術の解き方はわからないから…ごめんなさいね?」


『そんな、この人追い払ってください!できへんならせめて戻して!こんな爆弾抱えて生きてけません!』


なんで俺がこんなことに……

女性は名刺を渡してくれた。占い師兼霊能力者と書いとった。

占い師って確定申告の職業欄、なんて書いてあんねんやろ。

脳が変な方向にトリップしてしまう。現実から逃げたい。この霊から逃げたい。


「それじゃ、あなたの人生に幸多からんことを祈っています。」


『ええ感じにまとめんとって!た、たすけて……』


見捨てられてしもた。

しゃーない。自分でなんとかするしかない。

家についてこられたら大変や、霊って撒けるんかな。


走ってその場から逃げる。人通りの多い街を通ってコンビニに飛び込んだ。

辺りを見渡してもそれっぽいものはおらん。違うものがちらほら見える気がするけど……。薄ぼんやりと見える人影のような何かを見ないようにキョロキョロする。

……撒けたんかな??

大きなため息を一つして、とぼとぼ家に帰る


「お、おった…!!」


玄関を開けた瞬間、目の前に立っていた。

ぜんっぜん撒けてへんやん!!先回りされとるやん!!終わった!!

霊を見ながらふと思い出す。

占い師の人、部屋に取り憑いてるって言うとったな……逃げた意味なかったってこと?俺が邪魔者?で、でも家賃は払っとるし。そういえば相場よりちょっと安かったんって、もしや……


『あ、あの…すみません』


「……」


『会話はしやん…方向性ですか?』


「……」


わけわからんことを言うてる俺に、うんともすんとも言わへん。ただじっと見つめられている。


『わ、かりました。いてもろてええんですけど、なるべくリビングのこう、使ってへん部分とかにいてもろても…。あ、あの、全く動くなってことやなくて、その自由にしてもろてかまわな…構うかもしれないですけど、あ、の、呪わんといて…』


ぺたぺたとわずかに足音をさせながら、リビングのものを置いていない方に移動してくれた。

そうして恐怖と困惑と戦いながら謎のシェアハウスが始まった。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


『あの、幽霊さんそこ掃除機かけても…あ、ありがとうございます』


「……」


幽霊さんは基本同じ場所に立っとる

ちょっとよけて~と言うたら離れてくれるし、まぁ、生活に害はあらへん。

あの日は恐怖でまともに見られへんかったけど、よくよく姿を観察すると、なかなか見た目は悪くない。


髪が綺麗で、たまに隙間から除くおでこには肌荒れもない。青年の見た目をしてて、青白いけど端正な顔立ちをしとった。

白いYシャツのボタンをきっちり留めて

黒のスラックスを着用しとるシンプルな姿は、どこにでもおりそうな普通の人にしか見えへん。

ところどころに見える、血の跡を見ないふりをすれば。


『ん?』


こっそり幽霊さんを観察しながら掃除をしとると、ベランダに影みたいなもんが見えた

…おらん?気のせいやったんかも

二週間ぶりの掃除機に精を出す

一番面倒な家事って掃除機がけだと思う。

個人的に。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


『あ…』


仕事から帰ると、扉の前に黒い人影がおった。

血と腐ったなんかでできたそれは俺を見ている。

致命傷だらけの体がわずかに揺れて、こっちに向かってきた。

吐き気と頭痛で本能が告げる。

あれに捕まったらあかん、と。


『ひっ』


逃げようと背を向けた瞬間、それが消えた。

ただ震える呼吸をすることしかできへん。

このまま逃げとってもどうしようもないと、恐る恐る部屋に戻る。

やけど、そいつはもうおらんかった。


ただおらんくなっただけやなく、俺の日常に入り込んできてきとったのや。

お風呂やトイレ、朝の支度をしている時の鏡に映り込んでは消えていく。

先住人の幽霊さんはなんの反応もしとらん。

無視していいもんなん…?



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


『ん、んんっ…』


寝苦しい暑苦しさが続く日、事件は起きた。

疲れとるのに寝つきが悪い。寝返りを打とうとして、体が動かへんことに気ぃついた。

全身を押さえつけられとるような感覚…

金縛りや。変な匂いがして少し顔を顰める

すると、首を絞められていて呼吸すら制限されてしまっとった。

なんとか薄目を開けると、そこには化け物がおった。


『ぁっ…た、すけて』


掠れた、ほとんど聞こえへんような声を出しながら助けを求めた。

苦しさと恐怖から涙が流れていくのがわかった。

意識がぼんやりし始めたころ、ふっと圧迫感が消えた。気絶するように眠りについた。


カーテンの隙間から除く朝日に照らされながら起きる。恐る恐るリビングに足を運んだ。

確かに、化け物がおったはずやのに……。

不思議に思っとると、青年の右手が黒くひび割れたように変化しているのに気がついた

指先はかけているようにも見える。

男性らしく骨張りながらも、美しい指先やったから記憶に残っとった。

俺の視線を受けてもなお、彼はただ、俺をじっと見つめている。


『君は…わ、悪い幽霊やないの?』


「……」


『昨日、あの変なの以外に部屋に入ってきたんは君? 』


「……」


一つ頷きが返ってきた。


『その手、大丈夫なん…?』


また一つ頷きが返ってきた。

どうやら助けてくれたのは彼らしい。

また同じことが起きへんように、占い師さんにもろた名刺の番号に電話をかけると、御札が送られてきた。

でもこれは奥の手で、毎日は使われへんらしい。


もう一つ、先住人の幽霊さんが守ってくれたかもしれへんと言うたら、部屋が乱れるのを嫌がって追い出したんかもと教えてくれた。

御札を貼らんくても、幽霊さんが部屋を安全に守ってくれるだろうとのことや。

てことは安心……なんかな?


『よろしく、お願いします……?』


「……」


そっからは親交を深めていく日々が続いた。

食べてくれへんかったけど、上手くできた料理を幽霊さんの前にも置いたり、お花畑に行った時は、お土産にお花を買うてきたりと、ほぼ供給やけど、できるだけおもてなしをしてみた。


そのおかげか、幽霊さんからも変化があった。

部屋の中をそこそこ自由に移動しとるし、最初は寝坊しかけとる俺の布団を剥がす程度やったのが、今では夜中にお菓子を食べていると、え…正気?という顔をしてきたり

お酒を取りあげて俺の届かんところに置いとったりもする。

なんで物に触れるんやろ。不思議で仕方あらへん。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


『なぁ、なんで喋らへんの?幽霊は喋られへんの?』


「……」


ため息を吐きながら、スマホをとんとんとされる。調べろってことやな。

検索すると、一つの記事に指を差された

なるほど、死者の声は生者に影響するんや…

だから喋らへんねんや…


『喋れはするんや…いい幽霊なんやな! 』


親しみを込めた笑いが返された。

幽霊さん、人間くさくなってきた気ぃする

仲良くなれとるってことなんかな?

今度遊びに行った時お土産買ってくるなと言おうとしたらテレビをつけて音楽を流しとった。え、もう俺に興味なくなったん?早ない?情緒なくない?

下に書いてあった、霊は素性を知り、情を交わすと執着されるという記事は彼には当てはまらなさそうや。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


『ふんふん、ふ~ん』


呑気に鼻歌を歌いながらお風呂に入っとると唐突にむらむらしてきてしもた。

上がってベッドに入っても、そわそわして眠られへん。

……幽霊さんテレビ見てたよね


ズボンを脱いで、下着の上からなぞったり直接触ったり していく。


『んっ、ぁっ…はぁ…♡ん”っんぅ…、ふ…ふぅ、いっ…いくッッ… 』


ぎゅっと閉じていた目をわずかに開けると、幽霊さんが立っていた。

あ、うそ見られて…


『だめっ…みな、いでっ…♡あっ..んぅ~

っ…』


止まらへん快感を必死に逃がしながら訴えても、もう遅い。恥ずかしさで赤くなった顔を隠すと、優しく頭を撫でられた。

子供をあやすような手つきで、絶頂後の気だるさと心地良さからそのまま眠ってしまった。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


『幽霊さん…おはよう、ございます』


「……」


あれ?いつも通り?なんや、もしかしたら分かっとらんかったんかも。


と思いきや、腰をいやらしい手つきで触られた。

料理している時も後ろに立たれて腰を触られたり、テレビを見ている時も太ももを撫でられたり。こうしたセクハラを頻繁にされている。でも強く言うたらどんな目に合わされるかと思うと、はっきり言われへんかった。


『幽霊さん、あの日はたまたまそういう気分やっただけで、欲求不満とかや…ないねん。その触り方、あかんよ…』


「……」


彼は触る手を止めてくれへんかった。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


『たっだいま~…んー、おうちさいこぉー』


「……」


お酒の匂いをさせながら二次会会場から帰宅すると、玄関に幽霊さんがおった。壁によりかかって時計を指さしとった。え?彼氏?

えへへと誤魔化しながら鞄を下ろしたら同僚から電話がかかってきた。


『もしもし○○くん?うん、帰れたよ~ありがとぉ!え、飲みすぎてへんよぉ~あはは!うん、うん、どうなんやろ、ん~』


話がおもろくて優しい彼はいつもこうやって俺を気遣ってくれる。

最初の飲み会で体調を悪くしてから、こうしてちゃんと帰れたら確認の連絡までしてくれる。


『うん、んんっ♡』


な、なんで今なん!?空気読んでぇや!!

太ももをいやらしくさする手が、上の方へ上がっていく。ひび割れた右手は使わずに、お腹を撫でてYシャツのボタンを外される。

隙間に差し込まれた指が乳首を弄り始めてしもた。


『んっ…えっと、ごめんね…もうねむっ…くて♡……お、おやすみっ…!』


嫌な予感がして電話を切るとさらに激しく体を触られた。

ズボンの上から大事なところをぐりぐりと押す幽霊さんは、俺の反応をじっと見とった。


『ゆ、ゆうれいさん…?あ”ぁっ、んっ…んぅっ♡下着、ずらしちゃ、あっ♡ちょくせつ…だ、め…… 』


あろうことか、下着をずらし直接触ってきた。俺より大きな手で俺のを直接触ってくる。


『く、ふぅ…んぁッッ…ぁ、あんっ..だめ、きもち…の、やぁだッッ…//』


嘘をつくなと言わんばかりに手の動きが速くなる。太ももが震えて腰が引けたが、彼はお構い無しに刺激をしてくる。

乳首を指でなぞって口に含むと、弱く吸いながら、尖らせた下で舐め回す。

じわじわとくる快感に、甘ったれた喘ぎ声が止まらへん。


『あっ…はやいぃっ、イっちゃ…あっ、んぁっ♡ぁん、いくっ…んっふ……♡』


イって、体の力が抜けていく。

幽霊さんは優しいから終わってくれるやろと思っとったら次は指を入れてきた。


『あ”ぁっ…!?、ゆびっ…つよ、い…う”ぁッッ…//』


どこがより感じるか探る指先は繊細で、無理に広げず奥に進めていく。無意識に指を締め付ける中に逆らうことはせず、じっくり指をなじませていた。


『んっ…はぁっ…、ゆびながい…♡』


二本目が入ってきて少し苦しくなると、彼は動きを止めて俺の様子を見た。痛くないか、傷つけていないかを慎重に確認すると、少しづつ動かし始める。

あれ?ズボンの、もしかして…幽霊もそうなるんやなぁ…


『な、なぁっ…もう、ね?してっ…♡』


がばっと覆い被さると、衣擦れとベルトの金属音がしてトロトロにふやけきった入口にそれが当てられた。


あっ、入っちゃう♡入っちゃうぅ…♡

ぬ”ちゅ♡ずぷ……っくち、ぐちゅ


『はぁっ……♡あ”ぁ”っ、きたぁっ♡んう”っ…おっ、きぃ♡』


「……」


幽霊さんは奥まで挿れて、腰をぴったりとくっつけると、そのまま俺を見つめ続けた。

身じろぎもせず、目を合わせて俺の中を味わう。


『っ…やだぁっ♡みやん、とって…かお、へんになっとるからぁっ…♡おなか、きもちいの♡ゆうれいさん…も、うごいて?おねがいっ……♡』


「……」


とちゅ…♡とちゅ…♡とちゅ…♡とちゅんっ…♡

徐々に大きく動き始めると、奥の一番きもちいところに当てられてしまった。

衝撃に体をはねさせ、目が大きく開くと、彼は興奮したのか動きを速めた。


『あ”、ッ…ぁあ”~っ…♡ん”っふぅ、そこっ…だめなとこぉ”っ~♡は”ぅ”ッッ、んぐっ…あ”っ、あ”ぁ”~~…♡』


「……」


『まって…♡いっ、ちゃあっ…いくっ、い”くぅ~っ…//』


がくんっ…びくっ、びく♡ぐちゅっ…ぷちゅうんっ……♡と動きを緩やかにして、息が整うのを待ってくれとる。

んっ…♡とキスをねだったけど、おでこにしかしてくれへん。

不満を目で訴えると、動きを激しくし始めて、されるがままになってしもた。


『あ”ぁ…♡ん”っぁ…いじわる、ぅ♡ちゅーしてよっ…ん”ぅッ、おく”ばっか”り”、しないでぇっ… 』


ちゅ♡……ちゅう♡ぢゅ、ぢゅる♡


してくれた♡うれしい……と思っていると

どんどん深くなりだした。

苦しさから目を開けて、ガン見されていた事に気がつく。

幽霊さん、全然瞑ってくれへん……なんでずっとみてくるん…?


『ぷはっ…♡ゆうれいさん、はずかしっ…からぁ、目閉じて…?』


「……」


全然閉じてくれへん、 無視。俺が照れて顔を背けても舐め回すような視線を感じた。

それどころか、恥じらえば恥じらうほど幽霊さんの動きが早くなる気ぃする。


ぱんっ…ぱん♡ぱちゅっ…どちゅ♡ぶちゅ


『イっく”ぅ”っ…こりぇ♡しゅぐイぐぅっ…//』


「……」


『とめでっ、とめでぇ♡あ”ぁ~イく”っ、ぉ…んへ……♡』


「…っ」


幽霊さんが一瞬息を詰まらせてすぐ、中に何かが広がる感覚があった。

絶頂を迎える俺の体にはそれすら刺激になる。

腰がへこっ♡へこと動きかけると、それを止めるようにぐぐっ♡と押し付けて、最後まで精液を押し付けてくる。

目の前がチカチカした。


『は、はぁっ…ゆ、ゆうれいさん、きもち…よかったぁっ…?』


抱きつきながら聞くと、肩に顔を埋めて動かんかった。

幽霊さんは、しばらくして耳に軽いキスを落とすと、そのまま体を離した。

離れがたくて、いやいやとすり寄るとさっきよりも強く抱きしめられる。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


『なまえ、なんて言うん?』


「……」


『名前くらい教えてーや』


「……」


しばらく渋ってたけど、期待のこもった目で見つめたら観念したように口を開いた。

う、い、…と口が動くけど、わからへん…。

首を傾げとると焦れったそうにして机にあったティッシュの箱に書いてくれた。

真面目そうな、固くて、でも流れるような字。書くのは早いけど読みやすい。


『すち……』


「……」


『ええ名前やね!』


「……」


口に出してなんべんも呼びたなる。

知ったばっかやからやろか。


『すちくん、すちくん。なぁすちくん。んへへ、なんか照れてまうな…』


「……」


むず痒そうに、俺が呼ぶんを聞いとる。

うとうとしながら呼び続けとると頭をぽんぽんされて、うっとりしながら眠ってしもた。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


『もうすぐお盆やな~!俺、お休みとってん~!』


「……」


『そういえばすちくんのお墓ってどこにあるん~?』


「……」


俺の話を聞きながらも、テレビから目を離せへん。

意外と音楽好きやんな。この前も音楽に関係するもん見とったし。


『何が好きやったん?働いとった?学生?』


「……」


『無視~?もう…!』


むすっとしてベッドに戻る。

別にええし、知らんでも生きてけるし。

不貞腐れながら眠りにつくと、夢を見た。

彼の体が、すっと薄なって消えてまう夢を。

真夜中に飛び起きて、顔を真っ青にしながらリビングに行く。

彼はつまんなさそうにショッピング番組を見とった。

ほっとして、ソファにただれるように座る。

いきなり起きてきた俺を、彼は見つめる。


『……ちゅーして』


「……」


不思議がりながらもしてくれた。

ほんまにしてほしいときは、馬鹿にするように笑ったり、ため息をついたりしぃひんのがすちくんのええところやと思う。


『……抱きしめて』


これもしてくれた。体温が感じられへんのが嫌で涙が滲んでまう。


『……抱いて』


優しく、優しく、丁寧に抱いてくれた。

愛おしいのに、幸せなはずやのに不安な気持ちが消えへん。

一回終わって、もう遅いからとでも言うように寝かしつけられた。


朝起きるとソファの上に寝ていて、布団がかかっとった。すちくんは床に座っとる。

こっちを見ることはしぃひんけど、起きたことには気づいたっぽい。

ぽつりぽつりと見た夢を打ち明ける。


『おらんならんとって…大好きやから…』


「……」


『なんで生きてへんの…なんで、幽霊のすちくんしかおらへんの。そばにおってや…』


「……」


ひび割れたすちくんの手に触れながら、ついに泣いてしもた。

どんな気持ちか、表情がは分からんかったけど、涙をふいて抱きしめてくれた。

ずっと一緒におってくれるってことなんかな。


でもすちくんの姿は変わっとった。

目は黒く変色して、どこか雰囲気も少し違う。

それでも好きやと、心に潜む恐怖には気づかんふりして共に生活してきた。

大丈夫。一緒におれるに決まってる。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


ある日、夜中に物音がして眠い目をこじ開けた。

……あのときの、化け物


いやちゃう。すちくんや。

分かってんのに、思わず喉から悲鳴をあげてまう。

小さな小さな拒絶の声はすちくんに聞こえてもぉたらしい。

俺の反応に呆然としとったけど、怒ったんか、急に首を思いっきり切り掴まれて息が出来へんようなった。


恐怖、悲しみ、苦しさ、いろんなもんが混ざってしもて、言葉も発せず朦朧としてくる。

もうあかんわ。と覚悟したとき、朝日が差して正気に戻ったみたいに手をほどかれた。

すちくんはそのままリビングにゆらゆらと向かう。追いかけたら、隅の方におった。

来た初めの時みたいに。


『どうしたらずっと一緒におれるん?悪いものだけ、とれへん?』


「……」


『なぁ、どんな姿になってもずっと好きやから…離れんといて、大好きやの…』


「……」


すちくんは黙ってなんも答えへん。

足に力が入らんくて、体がグラっと崩れる。

涙で目の前は見えへんかった。

眠りたないのに、視界が黒く染ってく。


起きた時、すちくんはおらへんかった。


部屋の中のどこを探しておらんくて、ついにはあの日の占い師にも連絡をとった。


「その首の痕… 」

『なんもあらへんです!彼の場所を教えてください…お願いします』

「やめておいた方がいいわ。きっと、彼も貴方を傷つけたくなくて離れたのよ。」

『そんな……お願いします』


彼女は困ったように口をつぐむと、顔を上げるように強く方を叩いた。神妙な面持ちで水晶玉を取り出す。


「彼のルーツ、とまでは言わなくても、お墓なら探し当てれる。それで満足してくれるかしら?」


『は、はい。ありがとうございます!』


もしかしたら、すちくんに会えるかもしれへん。

地図に丸をつけられて、その地域周辺のお墓を探す。すごく多い数に気が遠くなったけど、人間はやればできるもん。

ついにそれらしきお墓にたどり着いた。


『すちって…これすちくんのお墓やんな』


「うちのお墓に何かご用でしょうか?」


『えっ…! 』


すちくんに似た声質の男性に声をかけられて、慌てて振り向いた。

どうやら弟さんらしい。

どんな人やったんか、何が好きやったんか。

……付き合っとる人はおったんか。

沢山のことを聞いていって、亡くなった理由が車道に飛び出した子供を守るためやったと教えられて、ついに泣いてしもた。


ご家族の前というんに、ごめんなさい。

ここらへんでは有名な事故らしく、すちくんが住んどった部屋どころか、実家まで色々な人に知られとったらしい。


『すちくん……』


「…こんなに思ってくれる人がいて、兄はきっと幸せです」


『…好き、やで……。あい、たい…』


背に手を添えられて、墓石の前で静かに思いを暴露した。

風が吹いて、気が揺れて、空が晴れとって、むっちゃ綺麗な日やった。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


数ヶ月して、心の傷を埋めるように寄り添ってくれる人が現れた。

同僚でもあり俺の彼氏である彼は穏やかで思いやりのあるええ人や。

もしかしたら、この人と一緒になるんかもしれへんとも思っとる。


俺が作ったご飯を食べて、同じベッドに入って、うつらうつらとしとると、彼氏の様子がおかしい事に気ぃついた。

声をかけたけど、虚ろな目で靴も履かんとふらふら歩き出した。


『○○くん!?どこ行くん?』


「あ、ああ…ごめん、なさい」


ついには家の外まで出ていって、慌てて追いかけたら車道へと彼が飛び出した。


キーーーッ!ドンッッ!!ぐちゃ。


止めようと走って駆け寄ったけど、目の前には潰れた彼がおった。

足元には生臭い液体が広がっとる。


なんでなん、うそやん…どうして…?

運転手が降りてきて何か話しとるように聞こえるけど、何を言うてんのか理解が出来へん。肉の破片が脳裏にこびりついとる。


『……なん、で、……い、や…』


車の向こうにばけもんのような、人間のような何かが見えた。


変に曲がっとる足、血まみれの体

見た目は随分変わっとるけど、俺にはわかる


すちくんや。俺と時を過ごした幽霊さん。

音楽が好きで、意外と真面目で

しかも芯のある優しくて強い人。


そんな彼の面影はなく、彼の形をしたそれは俺の方を見とった。

恐ろしくて、心臓が嫌な跳ね方をしてしもて落ち着かへん。

運転手に引き止められたけど、腕を振り払って逃げる。


近くのお店はどこもかしこも閉まっとって

仕方なく家に閉じこもって扉を閉めた。

しまい込んどった御札を出して、そっから中に貼り付ける。


どんどんと寝室の扉を叩かれる音、家鳴り、人の声に似た音、いろんなもんが刺激してくる。俺はただ、布団にくるまって耐えることしか出来へんかった。

パニックになりながらも、近くにあったスマホを取って、あんときの占い師に助けを求める。


『う、占い師さん、助けて下さい、彼が…ばけもんが…』


「…なぜ……そ、おちつ、て、……いますぐ……よ……」


『聞こえません!声が途切れて…』


「〜〜!……〜……!!〜〜〜〜〜!!」


『わからへん!いや、占い師さん!』


何を言ってんのか分からんと画面を見ると、文字化けしとってついにはスマホが割れた。

スマホを布団の外に投げ出してまう。

だって、あんなん普通とちゃう!

電話がおかしなってしもとる…!



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


一瞬、ふと、時間が止まった。

つま先からわずかに光が入ってきた気もする。

……もしかして、おらんなった…?

希望にすがりがつき、布団をそっと持ち上げる。

彼がおった。幽霊、ばけもんになってしもたすちくんが。

まさか、そんな、御札が、だって……。

叫び声も出ぇへんと、震えて後退りをしたけど、背中に壁の感触がして呼吸もはやなる。


ばけもんが口を開くと、口の端が溶けて、どす黒い血ぃが垂れてきた。

欠けた頭が、潰れた半身が視界に映る度、俺の正気を奪ってった。


「みことちゃん」


おれの、名前や

初めて聞く彼の声。頭がぐちゃぐちゃになるみたいな感覚がした。

ひび割れた手ぇで服がびりびりにちぎられてった。

やだ、こんなんすちくんとちゃう。ちがう、絶対に…こんなん……。


ぺたぺたと醜い手ぇが体を這いずり回って、気味が悪いんに、なんでか快感を拾ってまう。

いやいや、と逃げようとするが、足を引きずられてもうて、もう叶わへん。

股に顔を埋めたそれは俺の体を痺れさせる。


『……っあ”ッ ♡しょれっ.よわいっ、からぁ”っ…//… あかんっ…!なんでもするっ、からぁ~ッッ…、おねが、あ”ぁ”っう…♡ 』


「好きだよ」


『はぎゅうっ…♡イってるのに”っ、なんれっ…やめでぐれやん”のぉっ!?…♡いじめ…ないれっ…ちゅ、らいっ~♡づらいよッッ…、ん”ぉ”ッッ…!?』


じゅるっ…♡ぐちゅ、ぬ”ちゃ♡ぬ”ちゅ…じゅぅぅッッッ” ッ”♡


『くぎゅっ…♡いっ” ひ”ッ、はあ”っ..ぎ♡、ん”ぁ…い” き”、でぎなぁ…っ』


じゅぽっ…ちゅっ、ちゅ♡じゅ〜〜ッッッ”♡


やっと舐めていた場所を口から離され、はへはへ犬みたいに息をしとると覆いかぶさられた。

あ、挿入ってまう…終わる、あたまむっちゃくちゃに……♡


『い”やぁ”っ♡、あっぅぅ…やめ、て..あ”ぁ♡、ん”ぎゅぅ、ッ”…お”ぉ”ッッッ~~~♡』


「愛してる」


一気に根元まで挿入られたかと思ったら、腰をうちつけるひどい音が響いて激しいピストンと快感に襲われた。

俺の奥をがんがん突かれて腰を跳ねるけど、逃げることは許されへん。

こんなん…壊れてまう…!!


『や”ぇでッッ…♡、はひっ..ひぐぅ”っ…お” ッ、お”っ♡、ん”ぶぇっ…あ”ぐぅ~っ…♡』


「かわいい…♡」


乳首を思いっきり引っ張られて、潮を吹いて入道まで気持ちええ。

痛い…痛いんに、なんでお腹が疼くん?俺の体どないなっとるん…?怖い、怖いよ…


『あ”っっ!?!?、あ”ぁ”っ…いぎゅっ、イぎゅの” と”ま “ ら” へ”ん “っっ…、めぢゃぐちゃにっ…なゆぅ~っっ♡』


「ずっと想ってた」

頭に電流が流れて、ぱちぱち、と音がした。

無理やり開かれた足がピンっと伸びる。

彼に触れられとる全てが熱い。

ぷるぷる痙攣させながら少しでも快感を逃そうともがくと、許さへんとばかりに乱暴にお尻を掴まれて、奥の奥まで犯される。

拭きすぎて勢いがなくなってしもた潮がとめどなく流れてく。


『た”じゅぇでっ…♡だぇか”っ…う”ぅ”~ッッ♡、あ”っ..ま “ た “イぐぅっ…、やらぁっ、おわる、♡あたまおわっちゃあ”ぁ♡、ん”おぉ” ッッ♡こわ” っいよぉ… 』

「離れないよ」

体中にキスと歯型が落とされる。

噛みちぎられるような強さで、痛くて痛くて仕方あらへんのに、交互に来る唇の柔らかい感覚のせいか、体が快感やと勘違いしてイってまう。

潮や愛液や本気汁がぐちゃぐちゃに混ざったもんが飛び散って、彼と俺の肌にこびりつく。

おっきぃ絶頂の予感に本能的な恐怖で叫ぶように喘いどった。


や、いや、イきしんでまう。これあかん、誰か助けて!いや、終わりたない…!


『お” ッ イ ッ ぐぅッッ” ~~~~~ッッ ッ ッ”♡ 』


「俺がいるから、ね?♡」


『ん”っ、はひっ…はひ..♡、んぇへ~♡』

当然のように中に出されて、快楽に頭がくらくらしてきた。

脳からぷちっ、ぷちんっ。と音がする。

わけがわからんようなって、すちくんに必死にしがみついた。


あたまなでてくれた…♡うれしい…すちくん、だいすきや……♡きもちいん、もっとして…♡


時間も場所もようわからんようなって、目を閉じとっても開けとってもひたすら彼に愛され続けとった。


俺な、こうなりたかってん。

すちくんがおればそれでええよね。

でも、頭がぽわぽわすんねん、なんでなんやろ…?

おでこに唇が触れてすぐ、息も出来へん。

深い濃厚なキスをされた。彼の体に絡みつく。愛の言葉を囁かれ、耳が蕩けそうになった。


きもちいい、ふわふわする……♡

すちくん、すき、すきぃ……♡






┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


「✕✕日、△△県◎◎の□□歳の男性、みことさんが行方不明となりました。

同日に、交差点で〇〇さんが車にはねられ亡くなるという事故も起きており……」


なんにもわからへんけど、すちくんとおられてしあわせ……♡

この作品はいかがでしたか?

2,540

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚