srnkのモブ女視点
※srの性格悪い
nkの性格も悪い
Rなし
学パロ
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私は阿笠。この学校の二年生。突然だけど実は私には好きな人がいる。
するとガラガラガラと乱暴に教室の引き戸が開かれたので私含めクラスの皆はそちらは注目した。
「っぶね!?セーフセーフ…」
急いで走ってきたからか、寝坊したからかは分からないけどそこにはクラスのお調子者キャラのニキがいた。本人はイケメンキャラらしいけど……。
「おはよう。阿笠さん」
彼はふぅ、と息を吐いて席に着いた。そして爽やかな笑顔で私に挨拶をしてくれた。それに対して私も返事をする。
「おはよう。ニキくん髪型凄いことになってるよw寝坊したの?」
「え”」
ニキは目を真ん丸にしてバッと後ろ髪に手を当てた。するーっと撫でるがぴょこっと反発してくる髪につい吹き出してしまった。
「ちょっと、笑わないでよ」
「ふふ、ごめん。あまりにおもしろくて」
勘のいい人はもうお察しだろう。彼が私の好きな人だ。
ニキは普段男子たちとつるんでて、大体の女子には問題児扱いをされている。無論、私もそうだった。正直、彼と隣の席になった日には、親友に同情され、私自身早く席替えをしてくれとばかり思っていた。がしかし、ニキは想像以上に良い人だった。
気づけば、挙げたらキリがないくらい彼の好きなところを挙げられる程私は彼に心酔していた。
そんな私にはとある趣味というか日課というか、そんなものがあった。
それは昼休みの間にもう使われていない旧校舎の音楽室にあるピアノを弾くこと。勝手に入って良いのかと思うが、旧校舎自体、人の出入りがなく、それどころかどこの部屋も鍵が開けっぱなしなのだ。以前、親友を連れてここに来たことがあったが、その子は部屋に飾ってあるベートーヴェンやら、モーツァルトやら、音楽界の偉人達の絵が気味悪いと言われてしまったので1人で通うようになったのだ。
そんな感じで今日も音楽室に足を踏み入れ、ピアノの音色を奏で始める。
ガチャリ
突然そんな音がしたので鍵盤の上で踊らさていた手をとめる。
「あ、すみません」
誰だろう。
そう思いピアノの影から覗いてみるとそこには私の想い人がいた。
「ニキくん……?」
まさかの出来事に私の心は昂る。偶然だったとしても嬉しすぎる。
「あぁ、なんだ。阿笠さんか」
ニキはほっとしたようにため息をつくと空いてる席にだらけるように座った。
「阿笠さんてさーいつもここでピアノ弾いてるの?」
「あ、うん。そうだよ」
「へー」
そう言うとニキは机に顔を突っ伏す姿勢になった。いつもの居眠りモードだろうか。ピアノ弾くのは辞めといた方が良いかな、、?
「辞めないで良いよ」
「んぇっ?」
もう寝たかと思ったのに、途端に声が飛んできてつい自分の声が裏返る。
「ピアノ。弾いてていいよ」
「いや、申し訳ないよ。ていうかニキくんここに居ていいの?お友達は?」
「あいつらとずっといると疲れるからいいの。教室だとうるさすぎて寝れないし」
「そうなんだ」
それでもピアノは大丈夫なんだ。
その日の演奏は今までにないくらい心地がよかった。
あれ以来、ニキはずっと旧音楽室に来た。最初は居眠りする彼に話しかけるのは悪いと思い、ピアノを弾いていたが、少しずつ話すことが多くなり、いつしかピアノを弾くことはなく二人で雑談をするようになった。
私がいつだか親友をここに連れ込んだ話をしたら、ニキはそういえば……と何かを思い出したように話し始めた。
「このベートーヴェンって人の絵怖い顔してるじゃん?」
「そうだね」
ベートーヴェンの肖像画はいつ見ても険しい顔をしている。
「それはなんでだか知ってる?」
「え、知らない。なんで?」
純粋にわけが気になるのもあったが何よりも彼がウキウキとした口ぶりで話すものなので、私は身を乗り出して訊いた。
「付き人が作った料理が不味かったから!らしい」
ニキはにやりと笑いながら人差し指を立てていうのでつい私は吹き出してしまう。
「えっそれだけ!?」
「うん」
「…ていうか、ニキくんよくそんなこと知ってるね。物知りじゃん」
そう言うと彼は一瞬驚いた顔をしたがすぐに笑顔でまぁ僕って天才なんで?と自分を囃し立てた。
そんな姿を見てかわいいな、とまた彼への好感度が上がる。
とある日の昼休み、珍しくニキはスマホをいじっていた。
「ニキくん…一応スマホ禁止じゃ」
「ここは無法地帯なのでダイジョーブ!」
そう言うと用事が済んだのか、スマホをポッケにしまい、机に突っ伏す体制になる。
あ、今日は居眠りするんだ。久々にピアノでも弾こうかな。
ガチャ
「ニキおる〜?」
誰か入ってきた。ノックくらいしてくれれば良いのに。
「……何か用ですか」
「…別に。ニキ探してただけなんで」
「ニキくんならあっちに…」
ニキのいた方を指差すとまだ私が話してる最中なのにも関わらずその人はニキの元へ駆け寄った。
「あは、見つかっちゃったぁ」
「見つかっちゃったて。音楽室って言われてここだと思うやつおらんやろ」
「えへへ。ごめーん」
「あの…この方は一体どなたで?」
「あぁ、ごめんね。この人はボビーだよ」
ボビー?外国人には見えないけど。
「ボビーで分かるわけないやろ。俺は白井です。特進クラスの」
特進クラス……白井……。
「あぁ‼︎オーストラリアに留学してた!」
「そう。その白井や」
白井はそう言うとニキの方を見てこの女誰?と言った。そういうことはせめて私がいない時に行って欲しいと思った。それでもニキは彼の不躾ぶりに気を悪くすることもなく、
「この人は阿笠さんだよ。俺の隣の席で
最近仲が良い人」
そう言った。嬉しさで舞い上がりそうだった。
「へぇ〜、そうなんやぁ」
「うん、よろしくね」
私はそう言って握手をしようと手を差し出した。しかし、白井はそれをかわしてニキに話しかけた。
「ん、そーいやニキ…」
「あー、____のこと?」
「そうそう。、、、、なんよ」
「あーね?」
どうしよう。会話についていけない。っていうか、わざわざ今ここでその話する必要あるのかな。
……ちょっとこの人苦手かも。
「あぁ、そーいや先生がお前のこと探しとったで」
「え、まじか」
ニキは慌てたように部屋を出ていき、その後を追うように白井も出て行った。
白井が音楽室に来た日以降、ニキは音楽室に来なくなった。そのため、私は最近ニキと話せていない。
「阿笠さんおはよ〜」
「あ、おはよ。今日は早いね」
「…課題が終わってなくてですね」
「そうなの?私の写す?」
ニキは少し迷うそぶりを見せたあと、首を横に振った。
「大丈夫!ボビーに見せてもらうから」
「あ、そっか……」
予想だにしなかった言葉に声のトーンが落ちる。
「ニキ!おはよ」
「ボビ〜来るの遅いよ」
白井が教室に入ってきた。どうやらニキに課題を写させに来たようだ。
ところで私も横にいるんですがね?白井は私のことが見えていないようだった。
「遅いってお前、こっちは課題みせてやってるんやぞ⁉︎」
「えぇ〜知らんがな」
「はぁあああ。お前なぁ…」
ニキの様子に呆れているようだったが白井の顔は満更でもない様子だ。
「別にボビーいなくても阿笠さんいたから写してもらえたし?」
「えっ私?」
私の名前が出てくるとは思わなかったから声が裏返ってしまう。でも、そう言われると嬉しいなぁ。そう思って2人の方を見ると血の気が引くのを感じた。
ニキと一緒に白井も笑っていたが、笑っていなかったのだ。彼は笑顔を浮かべていたが目は氷のように凍てつくしていた。
私はすぐに前を向いて俯く。白井の顔はとても気味が悪くて、怖くて、仕方がなかった。
すると突然、ニキがバッと立ち上がった。
「やばい、僕日直じゃん!日誌取ってこなきゃ」
そう言ってそのまま教室を出ていく。登校してきた生徒が増えてきて、ガヤガヤとしている中、私たちの間では沈黙が走る。
先に口を開いたのは白井だった。
「あのさ」
「……なに?」
「ニキは、俺のやから」
「は……なにそれ」
なに?それで牽制してるつもりなのかな。2人って付き合ってすらいないのに気持ち悪い。
「おまえ、ニキのこと好きやろ」
図星である。私は何も言えず固まる。
「やっぱりな……でもニキはあげへん」
「っぁのさ 「ただいまー!」
白井の言動に腹が立ち、反論をしようとした途端ニキが帰ってきた。
「なになに、なんか盛り上がってんね」
「別に。てかそろそろHR始まるから帰るわ」
「え〜寂しい!」
「昼休みになったらまた会いに行くから」
「約束ね!」
2人は高校生なのにも関わらず幼稚的な口約束をしていた。
「ほんっとに、なんなのあの人!」
「白井くんね…そんな悪い人じゃないと思うけどなぁ」
私は親友に白井の愚痴を言っていた。がしかし、彼を庇うような態度にまた腹が立つ。
「なによ俺のもんって、!友達相手に重すぎるでしょ」
「ん〜じゃあ付き合ってるんじゃない?」
突拍子もないことを言い始める親友にまた呆れる。
「そんなわけ……」
そんなわけあるかと親友を否定しようと日々の2人の様子を振り返る。今思い返して見ると2人の様子は仲の良い友人以上、とでも言えることに気づいてしまった。
「皆さーん!聞いてください!!!」
ガラガラと乱暴にドアを開け、長い金髪の男子と紫髪の女の子みたいな子が教室に入ってきた。
キルシュトルテとリオラだ。なんだなんだと周りが騒ぎだす。
「ニキくんとしろせんせーがついに交際を認めましたぁ〜」
「2人から言質とってまーすw」
え……嘘でしょ。
「ほら、やっぱり…‼︎」
そんなわけないよね、と親友に聞こうとしたがそうはいかないようで。彼女は口を抑え、涙目になっていた。
「ちょっとキルちゃんやめてよ〜w」
クラス中がてんやわんやと騒いでる中、一瞬だけ空気が静まり返った。
ニキと白井が教室に入ってきたからだ。
しかし静まり返ったのも束の間。ガヤはまるで会見中の芸能人に質問攻めをする記者のように先程の件は本当なのか、どっちから告ったのかだの攻め立てた。
「別に付き合っててもよくない?お前ら他のリア充に対してもそんなにするの?w それと、付き合ってるのは本当だよ。嘘だったらこの2人がこんなに騒ぐわけないじゃん」
前の黒板に立つニキたちに背を向ける姿勢で座っていた私は振り返った。するとニキよりも先に白井と目が合ってしまった。
白井は私の顔を見るなり嘲笑った。
本当に最悪。周りの人も2人ともイケメンでお似合いだとか言ってるし。顔しか見てないじゃん。全然めでたくない!
「さいっあく…」
私はそう呟いたが、周りはざわついていたため、誰の耳にも届かなかった。
すると、白井が人だかりから外れて、私のもとへやってきた。
「どうも」
「なによ……‼︎」
「付き合えるかもーとか思ってたん?」
「なっ……!」
この人は図星を当てるのが憎たらしいほどに上手い。彼は私の様子を見るなりクスっと笑ってから真顔になった。
「席隣になったくらいで調子乗るからやブス」
私は恐怖のあまりヒュっと口から音が出た。
確かに、ずっと疑問に思ってた。
どうして彼女いないんだろって。
白井がいるからだったんだ。
私は白井に気圧されて泣きそうになる。しかし周りがあれだ。私の様子に気づく人なんていない。
ニキくんに言おう。
そう思った。この仕打ちはあまりにもひどすぎる。白井はニキの前で猫被ってるから。 初めて会った時、握手をしようと差し伸べた手を無視したのだってきっとわざとにちがいない。
ニキくんに目を覚ましてもらわなきゃ。
「ニキくん」
「…?どしたん阿笠さん」
「あのさ…」
放課後、少し話をできないかと私はニキに申し出た。すると、少しの間なら、と了承してくれた。
「阿笠さんどこで話すの?」
「…この辺でいいかな。人目につかないところならどこでもいいんだけど」
私とニキは、屋上につながる階段の踊り場で立ち止まった。
「それで、話なんだけどね」
「ボビーになんか言われた?」
「えっなんで…」
私は戸惑いを隠せなかった。なぜニキが白井のことを知っているのだろうか。彼はニキの前では猫被ってるから知らない筈だろう。
「よく聞くんだよね…他の女の子からも」
「あっそうなんだ」
どうやら既に私以外にも被害者はいたらしい。
ところで…
「…ニキくんはどうして笑ってるの?」
「え〜wだってかわいいじゃん。俺が他の女子といるとすぐ嫉妬しちゃうんだよ」
「は……?」
この人は何を言っているんだろうか。
「辞めさせる気はないわけ…」
「注意はしてるんだけどね?でもやめられないもんはやめられないみたいだよ」
まぁ俺がそうさせたんだけど。
そうニキは続けた。
「どういうこと?」
「ボビーだって最初は俺のこと微塵にも思ってなかったんだよ。なんなら嫌いだったし」
あり得ない。あの白井がニキのことが嫌いだなんて。
「それでも俺はボビーが好きだった。だからそばに居続けた。そして、それが定着し始めた頃、俺はボビーを手放すことにした」
「なんで……?」
「押して駄目なら引いてみろってやつ?勿論効果はテキメンだったよ」
私には目の前の彼が何を言っているのか分からなかった。本当に彼はニキなのだろうか。
「僕はね、ボビーが大好き。ボビーの笑った顔も、怒ってる顔も、そして、不安で不安で堪らないって顔も」
「悪いけど、ボビーのことが許せないって言うなら僕もそれなりの対応をとらせてもらうから 」
そう言ったニキの顔はあの時の白井にそっくりだった。
あぁ、お似合いだな。
初めてそう思った。勘の良い人ならすでに分かっていたのかもしれない。
いつだか、この人が話してくれた豆知識はあいつに教えてもらったことであること。
私と仲良くなったタイミングであいつを音楽室に呼び出したこと。
いや、もしかしたら……。
初めてニキが音楽室にきた時、彼は偶然を装って来た必然的なことだったのかもしれない。
全て「故意」だったんだ。
コメント
3件
待って、神を見つけてしもた…ニキしろありがとうございます!めっちゃ読み返します!
めちゃめちゃにどタイプなお話でしたありがとうございます🤦🏻♀️😩💕💕
ありがとうございます...この...なんというのでしょうか...共依存に近い物は...美味しかったです...ありがとうございます(二回目)これが衝動書きなんで嘘ですよね... 最高でした...読み返し決定です(◜ᴗ◝ )