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午前0時の鐘が鳴り響いた瞬間、再び暗闇と静寂に包まれた学校。
天音は目を覚ました。
何度も繰り返される恐怖のループの中で、今や彼女の心は強く研ぎ澄まされていた。
教室のドアを開けると、クラスメイトの5人がすでに集まっている。
皆、前回の惨劇の記憶を共有している。
「今回は少しでも情報を集めて、赤い人の正体を突き止めよう」秋冬が言う。
「私も、赤い人の声を聞いた。あれは何かの呪いか、怨霊みたいなものかもしれない」舞がつぶやいた。
天音は考えた。
「赤い人が言った“ワタシのカラダ”って、一体どういう意味なんだろう?」
教室の机に散らばった血の跡を見つめながら、ふと思い出す。
「もしかしたら、私たちの誰かの“欠片”かもしれない」
「それなら、私たち自身がバラバラになってるの?」花乃が恐る恐る聞く。
「そうかもしれない。でも、どうやって見つければ…」海里は困惑した。
その時、廊下から奇妙な音が聞こえた。
それは、かすかな泣き声にも似ていた。
「行ってみよう」敦司が言い、6人は慎重に廊下へと向かった。
廊下は薄暗く、壁に貼られたポスターは破れ、床には散乱した紙が散らばっていた。
赤い人の気配がじわじわと近づいているようだった。
突然、どこからか耳をつんざくような金属の擦れる音が響いた。
「くそっ、罠かもしれない!」秋冬が声をあげる。
6人は身をひそめて息を殺した。
その時、不意に廊下の奥から血に染まった赤い人がゆっくりと姿を現した。
目が合うと、彼女は低くささやいた。
「カラダを見つけて…私のカラダ…」
逃げようとする6人だったが、天音だけはその場に立ちすくんだ。
なぜか、赤い人の言葉が胸に刺さったのだ。
「もしかして…赤い人も、助けを求めているのかもしれない」天音は直感した。
「このままじゃだめだ」天音は決意を固めた。
「私たちで、バラバラのカラダを見つけて、このループを終わらせよう」
その時、教室の時計が再び0時を指す。
「次の瞬間に、何が起こっても絶対に諦めない」天音は心の中で強く誓った。
赤い人の姿はゆっくりと消え、夜の校舎には不気味な静けさが戻った。
6人は互いに顔を見合わせ、これからの長い戦いに備えた。