※実際の団体、個人とは無関係です。
※ボイドラ時空でお送りします。
※成人向けに準ずる表現があります。ご注意ください。
※その他捏造した設定が多く含まれます。
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日と月が入れ換わった夜のビル街、屋上を飛ぶように駆ける2つの影。それぞれの動きに合わせて赤い羽織と白のコートを靡かせては、すぐに物陰へと消える。
「あーっ!もう!!やばすぎこれ!」
『まぁ、すぐ凪ちゃんが対応してくれたし、今は逃げよ』
セラフはナイフについた汚れを振り払い、奏斗はゴム弾を新しく装填する。その間にも後方からは自分たちを探す物音が聞こえる。
ついに真後ろまで物音が迫ると、2人は目線だけで会話し、同時に屋上から飛び降りた。
その後、着地した場所で運悪く向かい撃たれた2人はなかなかの苦戦を強いられた。やっとランドリーへと戻ってきた頃には空は青く晴れ渡っていた。
「危ないことすんなよな〜。で、ほんとに怪我してないん?2人とも」
ボロボロになった奏斗とセラフをソファーへ座らせ、雲雀は呆れた顔をした。
テーブルへ用意されたコーヒーと茶菓子を口にしながらセラフは平然と告げる。
『いや、奏斗が腕とお腹切りつけられて …』
「は?セラも同じじゃん。」
「わかった、わかった!手当するから2人ともそこ座ってろ!!」
無用な言い合いが始まりそうな予感を察知した雲雀は救急箱を取りにその場を後にした。
シン、と静まった場で奏斗はコーヒーを一気に飲み干し、ソファーの背もたれへ体を預けた。その明らかにぐったりとした様子を横目で見て、それからセラフは奏斗の額へ手を当てた。
『…奏斗、熱あるよ』
「ないよ。」
『嘘だ。隠すならもっと上手にしな』
「熱じゃないし。…てか、もう帰る…っ!」
奏斗がセラフの手を振り払い立ち上がろうとするも、ふらりとしてまたソファーへと沈みこんだ。まさかそこまで体調が悪化しているとは思わず、セラフは目を見開いた。
すると幾ばくも経たず、奏斗を中心にぶわっと甘い砂糖菓子のような、はたまた強い香りの花のような、とにかく甘ったるい匂いが立ち込めた。
「、…っんと、マジで、やばい…ッ」
『あ、…え、奏斗……?』
ソファーの肘掛けへ身を隠すようにうずくまった奏斗。その腰の辺りからは服を押し退けて細長い毛の塊のようなものが表れた。一度だけ左右へ揺れると力無くソファーへと垂れた。
「ぁ、あっち行って、セラフ、…ッ」
透き通る金髪の上に三角形の特徴的な耳が出てくると、丸い頭のシルエットに隠れるように倒れていく。
ぎゅうっと自分の身を抱いてさらに小さくうずくまる奏斗を見下ろし、セラフは後退る。咽るほど 甘い香りを吸わないように手で口と鼻を抑えながら。
セラフが匂いの原因を理解するにそう時間は要しなかった。
『Ωの、発情期《ヒート》…』
後ろへ一歩下がり、逆手で扉のノブを掴む。外へ出る前に大きな声で奥にいるだろう雲雀を呼ぶ。
『雲雀ーっ!ごめぇん、俺、用事あるから先帰るねぇー!!』
奏斗の返事も、雲雀からの返事も待たずにセラフは勢いよく外へ飛び出した。
晩、セラフはあれから落ち着けるわけもなく、奏斗の甘い匂いに昂らされた自身を自ら慰めた。 その頭の中には金色の毛並みをした猫を掻き抱くセラフ自身の姿がある。
白濁とした体液が自身から放たれると同時に酷い罪悪感がセラフを襲った。
コメント
4件
えええ水道水さん!?!?!?!!!!?!??!!!急に全ての投稿消えたと思ってめちゃくちゃ悲しんでたら😭😭ありがとうございますありがとうございます😭😭😭今回も最高です😭😭😭こんなのが初コメですみません🙇♀️😭失礼しました🙂↕️💖