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「はあっ、はぁ……」
歩くスピードは自然と速くなり、最終的には全速力で山の裏まで走っていた。
大きな鳥居の下をくぐると、グッと空気が濃くなった気がする。
「はあ…はあ、ふぅーっ……うしっ!」
石段をゆっくり登り切ると、目の前の神社の社の扉が開いていた。
「…こんなお面、あったか??」
社の中には一つだけお面が置いてあった。
古いお面…猫、にしては耳が小さい……豚?
…黄色、というより……金色か?可愛いお面やな。
スッと惹かれるようにお面を顔に合わせ、紐を頭の後ろで結ぶ。
くるりと色が混じって、独特な色へと変わる。すごく見づらい。
社の横にある池に目を向ける。
ここの池はあれほど澄んでいただろうか?
そっと手を水に入れると、液体に触れているという感覚はあるものの肝心の水温や水気を感じられず、手も濡れていなかった。
不思議が重なると、人間は未知への恐怖より好奇心が勝るらしい。
「いくぜ!!」
バシャっと水面に顔を突っ込んだ。
恐る恐る目を開くと、水の上に顔が出た。
「え?…どゆこと〜?ここどこなn!?」
もう少し遠くを見ようと前に動くと池から手を滑らせ、完全にこちら側へ来てしまった。
「…湖か?あ、あそこに小舟がある」
ざぶざぶと水中を進み、小船の上に這い上がると、舟の中でうたた寝をしている男がいた。
これまた随分と整った顔やな…。
赤い髪がそよそよと風に揺れ、俺が乗り込んだことで小舟が大きく揺れる。
「ん…」
長いまつ毛が震え、大きな紅色の瞳と目が合う。瞳は大きく、瞬きをするたびにぱちぱちと音が聞こえてきそうだ。
「え、と…どちら様ァァ!!??」
思わぬところでダメージを負う事となった。
ぐわんぐわんと視界が揺れる。
ああ…耳痛ぇ……。
「な、え?…君、人間だよね?アレ??でもこれは…あー!!君混じってるのか!!」
一人で納得したように頷く男になんだか気が抜けて、少し落ち着いた。
「俺、青鬼に会いたいんやけど…」
「青鬼…?ああ、らっだぁに会いたいの?」
コクコクと頷くと案内してあげる、と小舟の縁をコンッ、と一回叩く。すると小舟はひとりでに湖の上を進み始めた。
「あ、自己紹介がまだだったね。俺の名前はレウクラウドって言うんだ!!君は?」
「きょー…です」
「よろしくね、きょーさん!!」
にっこりと可愛らしく小首を傾げて笑うレウさん…レウでいいか。
きっとわざとでは無い。自然に挨拶してこうなのだろうと思う。イケメンとは末恐ろしいものだ。
「しばらくするから少し寝てたら?君、高校生くらいでしょ。年齢の割に隈すごいよ?」
そういえば最近あまり寝つきが悪くてなかなか睡眠時間を確保できていない。
確かに、揺れも少ない小舟の上ならそこまで気分を悪くすることなく眠れるだろうし…そうするか。
「お言葉に甘えて寝さしてもらうわ…ふぁ」
「うん、良い夢見てね」
優しい声色は青鬼にとても似ていた。
どうも、チェシャで御座います。
あーあーあー、展開が遅いですねー!?
わかってるんです、わかってはいるんですっ
なのに書きたい事だらけで進まないんですぅ
はぁ、情緒がブチ壊れ中です。はぁ。
また次回。