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以下キャプションをお読みの上、ご覧ください。
オメガバースで、恋人だけどまだ番っていない2人です。αpn×Ωkr
pnkr
R18
♡喘ぎ、濁点の表現があります。
「もしもーし」
「…」
「あれ、クロノアさん?」
「……」
「…ちょっと、電話かけといて無言ってなんすか」
「…」
「クロノアさん?」
「…ぺいんと」
「あ、」
「いまどこ」
「ちなみにどこだと思います?」
「…家」
「違います」
「…」
「あ、ちょ、」
話している途中でぶっつり切られた電話。通話時間2分。
いつもと似たようなテンションで話してたから、ちょっと怒らせたかも。
家を出て、ちょっとコンビニに立ち寄って買い物した直後の着信はクロノアさんからで、電話に出たらあの調子で。
いつもの「今電話大丈夫?」とかもなかったし、相当具合が悪いんだろうな。…まあ、知ってるんだけど。だから俺はコンビニで二人分の飲み物と軽食を買ったんだけど。
クロノアさんの家の合鍵もトラゾーから預かってるし、これでも、一応、恋人だし。
さっきの着信だって、あ、俺を頼ってくれんのかなってちょっと期待したんだけど、まあ現実はそんな甘くない。
結局居場所聞かれただけだったし。俺がすぐ「クロノアさんの家に向かってるとこです」って言ってたらもうちょっと通話続いてたかもしんないけど…。
サプライズ感出したいなって思っちゃったというか、その…ね?あるじゃん。そういうのって。
けどそうなっちゃったものは仕方ない。反省は次回に活かすとして。
クロノアさんはΩで、俺はα。恋人だけど、番じゃない。
恋人で、αとΩだからって簡単に番になれるわけじゃない。だってそれはΩの、クロノアさんの一生を貰うことになる、結婚とかそういうのよりもっと重大なものだから。クロノアさんが俺を頼ってくれるまでは、無理強いしたくない。アプローチはしてる…つもりだけど、結構デリケートな問題だし。
だから今日もちゃんとα用の抑制剤を飲んできてるし、予備も持ってる。ヒート中のΩは理性が壊れるタイプが多いって聞くし、絶対手を出さないように、万が一にも事故で番ったり、妊娠させたりしないように…。
そんなことを色々心配しながら、お見舞いに行きたいのは恋人心理だから。とか言い訳しながらタクシーを降りたら、クロノアさんの家はもう目の前だった。
「…出ないか」
家に入る前に、一応クロノアさんのスマホに着信をいれた。数コール待っても出ないから、預かった鍵を使って玄関を開ける。
「…っ!」
玄関を少し開けただけで香る甘い匂い。
普段クロノアさんから微かに香ってるものの何倍も濃い、何だろう花の匂い?…いや、ホットミルクみたいな?
抑制剤を飲んでても一瞬視界が眩むほどの香りに圧倒されながら、何とか室内に滑り込んで玄関のドアを閉める。
ヒート中なんだから、ちゃんと締め切っておかないと。鍵かけて、チェーンもかけて。
…これ、思った以上にヤバい。
帰った方が良いかも。いや、けどここまで来たんだし、せめて買ってきたものを渡して、顔くらい見てから。
お邪魔します。と声に出しながら靴を脱ぎ、ひとまず廊下を進む。突き当たりのドアから順にリビング、寝室。
いるなら寝室だろうとドアを開けると、一層甘い香りが鼻腔を掠めて咄嗟に息を止めた。
けれど暗い部屋のベッドの上に目的の人はいない。
外出中?まさか。こんな状態で外に出るはずない。
「…クロノアさん?」
「………、ん」
「どこ…えっ」
明かりをつけて声が聞こえた方を覗いたら、中途半端に開いたクローゼットの奥にその人はいた。
「…ぺいんと?」
「えぇ…?なんでそんなとこいるんですか、」
服のカーテンの下に半分埋もれるようなかたちでちいさく丸まっているクロノアさんは急に明るくなった部屋に眉根を寄せながら、それでも文句のひとつも言わないで更にちいさくなった。
「?…、なんで、鍵、」
「トラゾーから合鍵借りました、…お見舞いに来ようと思って、」
「…誰に聞いたの」
「……クロノアさん、俺が来ちゃ迷惑でしたか」
ここに来た経緯を聞こうとするクロノアさんに、ほんの少しムカついた。
「…そんなこと、言ってないよ、」
顔を伏せて、もごもご言い訳をするような仕草。
クロノアさんの行動原理は分からないことの方が多いけど、こういう時は大抵、卑屈になってるとき。
「じゃあなんで連絡くれないんですか」
「でんわしたよ」
「なんも言わないで切ったじゃん!」
「そ…れは、いそがしいのかと、おもって…、」
「じゃあそう聞いてくれればいいじゃないですか」
「…」
黙っちゃった。最近は声量も口数も増えてきたのに。
照明をつけてもまだ薄暗いクローゼットの隅で膝を抱えてる相手と話してると、なんかめちゃくちゃ俺が悪いことをしている気分になる。
…いや、恋人だし、てか、お見舞いに来たんだった。
「…とりあえず、行きましょうクロノアさん」
「…うん、」
うん、って返事は良いのに一向に出てこないからクローゼットの扉をちゃんと開けてクロノアさんの腕を掴んだら、ようやくそこから動いてくれた。ゆっくり暗いところから這い出てきて、すぐそこのベッドまで。支えた肩も腕も熱を持っていた。
「ぺいんと、」
「ポカリここに置いとくんで、」
「しないの?」
「なんー…で今そういうこと言うんですか……」
ベッドに寝かせたあたりからなんか怪しい顔してんなとは思ってたんだよな、思ってた。いつも真っ白い肌が体温につられてほんのり色づいてエロいなとか、この人がこんなに弱ってるのも珍しいから心臓に悪いなとか、色々思ったけど、思ったけど!
「ヒート中でしょクロノアさん」
「うん、」
「俺アルファですよ」
「ぺいんとだから、いってんの、」
「…だから、なん……後でやめてとか聞かないですけど」
「いわないよ」
「うっかり噛まないように、チョーカーしときます?」
「しない」
「…言いましたよ」
ベッドに乗り上げて、ちょっと脅すくらいのつもりで言っても、クロノアさんはうるうるした目で、それを逸らしもしない。
ヒート中のΩは正常な判断ができない場合も多いし、クロノアさんのこれもその可能性はある。だからせめて、絶対に噛まないようにと心に決めて、目の前の恋人に触れた。
「ん、ぅ…っ」
ちゅ、なんて可愛らしいリップ音のあと、可愛さとは程遠いエロいキス。
触れるほど増す甘い香りは眩暈がするほど。抑制剤なんてもう一ミリも効いてない。
「ぁ…っん、ぁ、あ」
「クロノアさん、」
服を脱がせようと肌を撫でてるだけで喘ぐ声が耳に残る。どくどくと心臓がうるさくて、熱であたまがぼうっとする。
シャツをたくし上げてふにふにと柔らかいお腹を撫でて、下着に手を突っ込む。
「ぁ、ぁ…っ♡」
汗と先走りでべたべたになってるところをそのまま扱いたら切ない声があがって、どろっとした精液が手のひらに吐き出された。
クロノアさんはとろとろと瞳が溶けるんじゃないかってくらい泣いて、俺の顔を見上げながら呆けてる。
「ぺい、んと…、ね、ぺいんと、」
「なに…」
「か、…かんでほし、ぃ…」
今のは、譫言かもしれない。
「…ダメでしょ、そんな、簡単に言ったら」
「ぺいんとがいい、」
「ダメだって…!」
流されちゃいけない。番になる機会は今だけじゃない。
話を逸らすように下着をずらせて後ろを解す。濡れてとろけたそこは解す必要がないくらいだけど、今はほんの少し落ち着く時間を稼ぎたい。
「ぺいんと、…ぺいんとぉ、」
クロノアさんが甘い声で何度も俺の名前を呼ぶ。こんな時ばかりずるい。
今俺はもう
必死に、こんなに必死に耐えているのに、この人は、譫言を言う。
「ぁ、ぅ…、かんで、ねえ、」
何度もねだる声。こんなにも近くにいて、それでも埋まらないものをねだる、寂しそうな声。
ダメ。ダメだ。このヒートが収まってから、真意を聞くべきだ。
そうやって頑なにダメだって言っているうち、クロノアさんは「噛んで、」と言わなくなった。
「ー…ごめん、」
それはどういう意味?
なんでそういうずるいことするんだろうな、この人は。そんな風に諦めた寂しい声で謝られたら、心配になるでしょ。
揺らぐでしょ。どうすればいいか、迷うじゃないですか。そんな、泣きそうな声で言わないでくださいよ。
「…違うんです、ちがう。クロノアさんと、番になるのが嫌なんじゃなくて、俺は、」
俺は、あなたが後悔しないように、あなたに、いつかこのことを悪い選択だったって思われないようにって。
でも、ああ、こんな風になるなら、クロノアさんが、俺と同じなら。
「…本当に、ほんとに…俺でいいんですか、」
「…ぺいんと」
「後悔しないですか、やっぱりやめようとか、出来ないんですよ」
「ぺいんと、」
「なんすかもう…」
「おれは、ぺいんとがいい、な」
「…俺もクロノアさんがいいです」
クロノアさんが子供をあやすみたいな声で俺の名前を呼ぶ。あったかい手で俺の頬を撫でて、さっきとは打って変わってうれしそうな顔。
いつにもまして柔い。
泣いた余韻とヒートの影響で潤んだ目に見つめられながら、うなじを噛むためにクロノアさんの身体をうつ伏せにして、襟足を除けた。うなじに少し触れただけでクロノアさんが喘ぐから、今からこのうなじを噛んで番になるんだ…なんて実感が沸いて緊張する。
「ここ、噛みます、よ」
「ぅ、うん…っぁ、あっ」
申し訳程度に声をかけて、ゆっくりとうなじに歯を立てた。
ほんの少し力を入れて噛んだ瞬間クロノアさんの身体がびくっと震えて、たぶん番になった瞬間、ずっと香っていた甘い香りが少し変わったのが分かった。
あまりひどい傷にしてしまうのも嫌だったからそこで口を離すと、くったりと脱力していくクロノアさん。
「ぁ、ふぁ、…あー…ぁ♡」
「噛まれてイっちゃったんですか」
「…す、ご…、でんきはしった、っ…っ♡」
「クロノアさん、もう、入れてもいい、…?」
「ん、ぃ…いよ、」
はぁ…って色っぽい呼吸をしながらうつ伏せのまま、片手で尻たぶを持ち上げて広げるような仕草をする。
「…ぺいんとぉ、いれて…♡」
「…エロすぎ…!」
ムカつくほどエロい恋人に喚きながら、ベルトを外す。ムカつくけど乱暴にしないように気を付けて宛がうと、濡れてひくひく震えてるそこはおあずけをするみたいにきゅんと締まって、ドッと身体が熱くなった気がした。
「あ、きたぁ…っ♡」
シーツに縋りついてそんなこと言われながら、ゆっくりと奥まで挿入れる。揺するように少し抽送をしただけで戦慄いて、抜かないで♡って言われてるみたいに締め付けてくる。
「はぅ゙っ♡んぐ…!!ぉ゙♡…っぃ、くっ♡」
「イきっぱなし、?」
「ぅ゙う…っ♡ずっと…いって、るっ♡」
「ハメられて、うれしいの?」
「う、んっ♡ぺいんと、の、ぅれし、…!」
うなじに息がかかるような距離で声をかければするすると返ってくる返事。出来心でうなじに残した歯形を舌でなぞったら、ぎゅっと背中が丸まって、中もめちゃくちゃ締った。
「ぁああっ!ぁめ、だめ、♡くび…っ♡」
「だめってことは、してほしいってことですよね?」
「ぅう~…っ♡」
歯形の上からもう一度甘噛みをするように歯を立てると、クロノアさんは何度でも中を締めてイった。ヒート中のクロノアさんと番ったばかりの俺もすでにイきそうで、せめて中で出さないように抜かないと…、と思いながらでもまだ、もう少し、あとちょっと、なんてガキみたいな気持ちでクロノアさんの締め付けを堪能していた。
「あー…もう、イ、きそう…」
「…あっ、ゃ、なか、なかがいいっ!」
「は…!?ぁ、待っ」
もう抜かないと、と腰を引こうとしたらクロノアさんが急にキツく締め付けてきて、しかも腰を上げて押し付けてくるもんだから間に合わなくて中に出した。
「な…にしてん、の!?ヒート中でしょ!?」
「ぁー…っ♡なか、きもち…っ♡」
「コラ、聞けよ!」
「ぉ゙っ、♡」
事故とはいえ、中に出されてこんなにうれしそうな顔するクロノアさんが悪い。リーダーですし、逆らえなかったんです。絶対領域ですから。
…とか言い訳をしても俺がαだから、なんかあったら俺の負けなんだろうな…。
とりあえずあと一回、このまま叱っても良いかな、番った記念てことで、どうですか?
それは冗談ですけど、いや、うん…。
もう何があっても全部俺が責任取ってやりますよ!
コメント
5件
文章読みやすすぎて尊敬です 応援してます!!
リオンです、読了しました。 オメガバースもの、設定が丁寧に織り込まれていて好きです。特にペインが「後悔させたくない」と必死に理性を保とうとするところと、それでもクロノアさんの「ぺいんとがいい」という率直な言葉に絆されていく流れが良かった。ヒート中の甘やかな空気と、二人の「番」という重みへの誠実さが共存していて、読んでいてすごく落ち着くというか、愛おしくなりました。最後の「責任取る」宣言、男前すぎますねこれ。
#ててふぁい