コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「あ、ごめん。人のこと聞くなら自分から名乗らなきゃね」
「…」
彼女からの返事はない。
「俺は泉 蓮菟。高校3年!18歳です」
そっちは?とでも言うような顔をして彼女を見る。
「さわ…」
「サワちゃんね!どんな字書くの?」
仲良くなるにはとにかく話しかける。これ大事。
「糸に少ないの『紗』に、羽で」
彼女は紗羽といった。中学三年生の14歳。 14歳の割には小柄で可愛らしい。
まだ14歳の女の子が、なぜ雨の日に道端に座っているんだろうか。
彼氏に振られたとか?人生に疲れた?…いやいや、それはない。家出…が一番考えられるけど、あまりそういうことは聞かない方がいいよな。相手が嫌な可能性もあるし。
「なんで雨の中突っ立ってんだ、って顔してるね」
彼女の方から話しかけてくれた。図星すぎて何も言えない。
「なんで分かったの」
少し笑いながら言う。心が読めるんじゃないかと思った。あ、もしかして俺って結構顔に出やすいタイプなのかな…!?
一人で考えていると、彼女は話し出した。
「ニュース、見なかった?」
彼女は泣き笑いみたいな顔をしていた。
「ニュース?なんで?」
彼女は続ける。
「親子三人が白骨化した死体で見つかったってニュース」
「え……?」