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ヘリオトロープ⑰
大森side
……ズズ(麺を啜る音)
若井「……元貴……ごめんて」
大森「………………ごちそうさま…………食い終わってんだろ、片付けるから器出せ」
若井「あ、ごめん……美味しかった、ありがとう……ごちそうさまでした」
大森「……」
食べたカップ麺の容器を持ち、無言でキッチンへ向かった
流しに容器を置いて、チラリと若井の方を見れば、ダイニングテーブルに額が付くんじゃないかってくらいに項垂れていた。
怒ってない、と言えば嘘になるが、俺の態度が相当怒っているように見えるんだろうな
まあ、上司と部下って関係もあるし、仕方ないのかもしれない
何より若井から見ると俺はエロい事をすぐ考える様なやつだと思われているかのような発言がムカついた
そりゃあ、俺も男だからエロい事を考えない訳ではない。
だだ、あの状況でそれはないだろ、寧ろ若井のエロに結びつける考えの方がエロだろと言いたい
まあ、今このことを責めても話が逸れていい事にはなりそうにない
一旦気持ちを切り替えてまた話し合いするためのリセットのために俺はコーヒーを入れる
俺も俺で若井に聞きたい事がある
若井の俺に話したいこと、を。
コーヒーメーカーからコポコポと鳴る音を聞きならが、コーヒーが落ちる数分間で気持ちを落ち着かせて、マグカップを手にもう一度若井の目の前の椅子に座った
大森「ほら、コーヒー飲めよ………………それで……なあ、若井……今日お前が俺に話したいって言ってたことってなに?」
若井「っ?!!」
ガバっと顔を上げ、びっくりした顔をする若井
若井「も、元貴……怒って……」
大森「とりあえずもう怒ってない、それより俺の質問」
若井「さっきは……ほんとにごめん…………えっと……元貴に話したい事は……」
若井「今更だけど、元貴に告白……好きって伝えるつもりだった……それは今日、俺藤澤さんと話して」
大森「ちょ、ちょっと待て」
若井「え?」
大森「お前……涼ちゃんと話……したの?ふたりで?」
若井「あ、うん……今日外に出た時の昼休憩中に話を……」
kurara
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かめちょん
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確かに今日、若井と涼ちゃんは外に出ていた。
ただ、ふたりだった事は知らなかった
てっきり他のやつも行ってると思っていた
涼ちゃんはもう邪魔しないって言ったのに……若井に何を……
大森「何話したんだっ!」
若井「えっ」
大森「お前、涼ちゃんに何言われた?!」
俺は思わずバンっと机を叩き、椅子を倒す勢いで立ち上がった
若井「ちょ、も、元貴、落ち着けっ、ただ」
大森「ただ?ただ何を言われた?」
若井「さっき、元貴が言ってた事と同じような感じの事を」
大森「おれ……と……同じ……?」
若井「そ、だからとりあえず元貴落ち着いて、ほら、座って」
俺と同じってなんだ?どの事だ?
若井の言ってる意味がわからないまま椅子に座り直し、若井と向き合った
若井「さっき元貴が言ってた……男女の恋愛とは違うんだ、とか……こっちの世界に踏み入れるな、とか、………………俺には責任を取るなんて出来ないだろ的な………………それと……」
大森「……それと?」
若井「今の藤澤さんなら……元貴を幸せに……出来るって……」
そうか……だから若井はさっき涼ちゃんとよりを戻さないのか聞いたのか……
若井「か、勘違いしてほしくないのは、元貴が藤澤さんと寄り戻す気ないってわかったから告白しようと思った訳じゃないから!」
大森「あ、いや……流石にお前がずる賢いことするとは思ってない」
若井「正直、藤澤さんと話して、俺には覚悟が足りないって思い知らされた。藤澤さんは……ほんとに元貴のこと思ってんだなって思い知らされもした。だからこの人に負けらんないって気持ちにはなった」
大森「…………若井は……もし、さっき俺が涼ちゃんとよりを戻すって言ってたらどうしてたの?」
若井「そ、それは……いや……だけど……元貴が藤澤さん選ぶなら仕方ないって…………ぜ、全然思えないし、思いたくもないっ!!それに諦められないけどっ!………………それが元貴の出した答えで、元貴の意見なら……それが最優先……かな……」
大森「俺優先、か……」
若井「俺が元貴を諦められるかは別として……やっぱり好きな人には幸せになって欲しいって思うじゃん?」
大森「…………俺、若井に愛されてんだな……」
若井「んなっ、そんなのあったりまえじゃんっ!!」
大森「?!!」
若井「正直俺、今まで女の子としか恋愛してこなくて、男なんて眼中になかった」
大森「………は?え………まあ、それが普通だろ」
若井「一夜限りで終わりってのもあった」
大森「それはお前……サイテーだな」
若井「で、でもっあの日!!俺の勘違いだったけど、元貴の事責任とらなきゃって咄嗟に思ったんだ」
大森「俺を……ホモにしてしまったって責任?」
若井「それもある。でも、それ以上に……なんて言ったらわかんないけど…………今までとは……こう……なんか違う感情で責任取ろうって思ったんだ。でもそれは、今思えば、前々から俺が元貴に惹かれてて、俺の無意識に元貴を好きって気持ちがあったからだと思う」
大森「……は?」
俺のことを前々から好き?
若井「仕事が出来て、憧れの上司ってのは思ってた。でも、フとした時に……元貴の顔って綺麗だなとか思ってた」
大森「……」
若井「気持ち悪いって顔すんな!」
大森「……イヤ、オモッテナイナイ」
若井「絶対思ってんじゃんっ。でも実際に思ってた、男にしては綺麗な顔だなって」
大森「俺より綺麗なやつなんてごまんといる」
若井「5万人居ようが100万人居ようがいいんだよっ!俺が思ってればそれで!とりあえず、俺は前々から元貴に惹かれてたって事!!」
怒りながらも爆弾発言してる事に若井は気がついてないんだろうな
眉間には皺を寄せてるのに、頬を少し膨らませてる事が可愛いようなマヌケなような
なんか似たような表情
前にも見たな……
大森「……くっ……あは……あははっ」
若井「な、なーんで笑うんだよっ」
大森「あはは…………いや、ごめん、俺もさ、上手く説明出来ないけど、やっぱり若井で良かったって思う。若井とならやって行ける、そんな気にさせてくれる、そう思った」
若井「え、なに?今ので?え?」
大森「うん、今ので」
若井「……わっけわかんねー」
大森「俺もわかんない。わかんないけど、俺たちならやって行ける、って思ったんだ、だから若井、俺と」
若井「ストーップ!!」
大森「は?」
若井「俺!俺が言う!俺に言わせて!」
大森「俺が何言うかわかってんのかよ」
若井「わかるっ!自意識過剰じゃないって自分を信じてる」
大森「じゃあ、言ってみろよ」
若井「……ゴホンッ…………元貴、好きですっ俺」
大森「……もう好きって言ったじゃん」
若井「待ってっ!早いっ!まだ続きあるからっ!…………元貴のことずっと好きでいる自信ある……いや、自信しかないから!だから元貴、俺と付き合ってくださいっ」
大森「……」
若井「……え?え?違ったの?!付き合ってって言う流れじゃなかったの?!で、でもっ、付き合うって事は言ってないから間違っててもいいっ!だから元貴返事頂戴!」
俺、コイツには勝てない気がする
色々と
大森「しかたねーな、付き合ってやるよ」
コメント
10件
藤澤さんがあの話をした上での若井さんの告白! そして、OKする大森さんが最高です✨ でも藤澤さんとの関係とかがどうなるんでしょうか、気になります! (語彙力が無くてこの良さを上手く伝えられないのが悔しいです…) 続き楽しみにしときます💕

....他の皆さんが素敵なコメントしすぎて、なんか語彙力無な私なんかがコメント........いやします(←え?) 若井さんと大森さんの距離感ステキですね(((やはり語彙力無) 夜に見る温かいお話というのは、実に美しい。 二人の関係....近すぎず遠すぎず....ちょうどいいですね。 相変わらず語彙力無でごめんなさいですが、許してください、笑( ´ ▽ ` )ノ
そうそう…話し合える関係というのが大切なんですよね 年齢も、性別も、関係ありません 価値観を擦り合わせる 大切なものを共有できる お互いを理解したいと思える 第一歩ですよね なんと温かい(*´ω`*) その裏で 藤澤さんが気になりすぎてます (;´Д`)