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放課後
あっという間に授業は終わった。
僕は自室に戻り、早速委員会の見学をしようと準備をしていた。
ふと、出入口の方に気配を感じ戸を開くとそこには、う~ん、、と唸っている不破さんが居た。
些屋「不破さん、どうしたんですか?」
声をかけると、不破さんはびっくりした表情でこちらを見た。
不破「いやぁ、すまない。僕の悪い癖なんだ」
些屋「迷い癖ですか。死にますよ」
僕の言葉に、不破さんは苦笑いを浮かべている。出入口で話すのもなんなので、部屋に入れ適当に床に座った。
些屋「何のご用件で?」
不破「見学を手伝おうと思ってね。図書委員の事は、中在家先輩に話してきたよ。」
手伝い、、1人で行くつもりだったのだが手伝って貰えるなら有難い。
元曲者だし、1人だと警戒されるかもと思っていたのだ。
些屋「助かります。」
そして僕は、不破さんと2人で回ることになった。
ー移動中ー
不破「、、ねぇ」
些屋「?」
不破「よく、僕が雷蔵だって分かったね」
急にどうしたのだろうか。
些屋「どういうことですか?」
不破「いや、皆初めは三郎かどっちか迷うんだよ。なのに、君は1発で当ててきたから驚いたよ」
そういう事か。
確かに鉢屋さんと不破さんは似た顔をしている。だが、、
些屋「鉢屋さんからは少し変わった匂いがするので。」
そう言うと、またもや不破さんは驚いた表情を見せる。
不破「三郎から?」
些屋「はい。変装用の白粉、、のような、粉っぽい独特の香りが少しします。」
不破「知らなかったや」
些屋「ほんの少しですからね」
自己紹介を受けた時から印象に残っていた。
白粉の匂いなんて、1、2回の変装では染み付かないものだ。きっと毎日変装しているのだろう。
些屋「他にも面のズレとか体格の違いとか」
不破「その事、三郎が知ったら悔しがるだろうな、、」
些屋「これだけに抑えられてるのは凄いことですよ。上手い人でも15はボロが出る」
そんな事を話しながら、廊下を歩いた。
不破「ねぇ、僕のこと 不破 じゃなくて 雷蔵 って呼んでよ。その方が呼びやすいでしょ」
些屋「、わかりました。雷蔵さん」
雷蔵(敬語も付けなくて良いのに、、)
まだ廊下Part続きます
些屋「今はどの委員会に向かってるんですか?」
雷蔵「今は図書委員会の活動している図書室に向かってるよ」
図書室、、。
そういえば金透城の図書室が全焼した事あったな、、あの時は本の修復が大変だったなぁ
雷蔵「図書委員会は、僕の所属している委員会でもあるんだ。」
些屋「そうなんですか」
そういえば部屋でそんな事言ってたような、
雷蔵「是非前向きに検討してね」
移動中ーーーー・・・
雷蔵「さ、着いたよ」
図書室と書かれた札が、扉の横に掛けられている。中からは微かに音が聞こえた。
雷蔵「図書室内では、静かにすること」
些屋「分かりました」
雷蔵「それじゃあ行こうか」
そして、委員会見学が始まった。