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#ちゃのざき
かわそ🍼💙 ☁️💫
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D a i ©
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うーん……。
あれ、今何時だろ。
目は覚めたはずなのに身体がなんだか心地よくて、瞼は閉じたままでいた。
頭のてっぺんに、優しい温もりを感じる。
僕の髪を愛おしそうに撫ぜてくれている、大きくて温かい手。
そして、包み込まれるような安心する匂い。
これ、舜太の匂いだ、とぼんやり考える。
……いや、ん?
待って、待って。
どういう状況???
一気に脳が覚醒した。
気づかれないように、恐る恐る薄目を開けて状況を確認しようとするけれど、目の前が何かに遮られて前が見えない。
少しだけ顔を引くと、その遮蔽物の正体に気がついた。
あぁ、これ、しゅんの浴衣だ。
少し着崩れて、彼の男らしい胸元がすぐ近くに見えている。
あぁ、なるほど。
これは……しゅんが僕に、腕枕をしてくれている……のか。
え?
一旦冷静になって状況をまとめるけれど、僕は彼の腕の中で丸くなって寝ていた。
そして、彼の手が僕の髪を優しく撫でてくれている、ということだ。
なるほど。
つまり、どういうことだ……?
状況を把握すればするほど、変に意識してしまって顔に熱が集まっていく。
「……なぁ、じゅう。俺、どうしたらいいん?」
突然、頭上からポツリと言葉が漏れた。
え、起きてるのバレた!?
心臓が跳ね上がる。
完全に起きるタイミングを逃してしまった僕は、もはや寝たふりを続けるしかない。
内心、超パニックだった。
意を決して声を上げようとしたその時、彼がさらに言葉を続けたから、僕はそのまま口を閉ざした。
「なぁ、もう、あれから十年やで……」
十年?
十年前といえば、高校生の頃か。
そっか。
僕たちが出会ってから、もう十年も経ったのかぁ。
ずいぶん長い時間が流れたな、と思う。
「結構頑張ってるんやけどなぁ……」
「……回りくどすぎるんかなぁ……」
……うーん、話の意図が読めない。
「でも、しゃーないやん。嫌われたくないんやから……」
ん?
嫌われる?
本当に、何の話をしているのだろう。
「……じゅう、好きやよ……」
ん?
え……?
いま、好きって……?
僕の混乱なんて知りもしない彼の言葉は、さらに続いた。
「じゅう……なぁ……じゅう?」
「……好きになって、ごめんなぁ……」
切なくて、今にも消えてしまいそうな彼の声に、胸がぎゅっと痛いくらいに締め付けられる。
「もう……どうしたらええんやろ。こんな近くにおるんになぁ……」
「やっと……また会えたんに……」
今にも泣き出してしまいそうな彼の声が、ぽつりぽつりと静かな部屋に紡がれていく。
「……ごめんっ」
その言葉が鼓膜に届いた瞬間、頭のトップに彼の熱い吐息を感じた。
その直後、柔らかな熱が優しく触れる。
それはきっと、髪の上から落とされただけの、切ないキスだった。
顔が見えなくても、彼が今どんな表情をして、どんなに苦しい気持ちでいるのか。
馬鹿な僕にだって分かってしまう。
じっ、と鼻をすする微かな音が聞こえた。
――僕も、好き。だから泣かないで。
そう、声を大にして言おうと思った。
だけど。
僕なんかが、彼のその真っ直ぐな想いに応えていいのだろうか。
そうやって自分に自信が持てず、うじうじと迷っているうちに、彼が僕の体から静かに腕を引き抜いて離れていった。
……ガチャ。バタン……。
部屋を出ていった彼の気配を感じてから、僕はゆっくりと上体を起こし、静まり返ったベッドの上にぽつんと座り込んだ。
全然、気づかなかった。
いや、何度か「もしかして」と思う瞬間はあったけれど。
それはただ、彼が誰に対しても等しく優しい人だからだと思い込んでいた。
誰にでも、同じように接しているのだと。
十年?
そんな前から、ずっと?
そんなの、言葉にして伝えてくれなきゃ分かるわけがないよ……。
いや、言えるわけがないよな。
僕だって、あんなに悲しそうな顔を彼にさせたかったわけじゃない。
だって僕も、舜太のことが好きなのかもしれないって、さっきやっと自分の気持ちに気づいたばかりなんだよ。
あんな辛そうな顔をする舜太なんて、もう見たくない。
僕は、本当に馬鹿だ。
なんで寝たふりなんてして、その場から逃げてしまったのだろう。
僕は居ても立ってもいられなくなり、部屋のドアを開けた。
もう見えなくなってしまった彼の後ろ姿を、ただ当てもなく追いかけるように、僕は走り出していた。
彼がどこへ向かったのかなんて分からないのに、ただ彼のことを思って闇雲に走ったせいで。
……あれ。
「ここ、どこだろ……?」
気づけば、僕は旅館からずいぶん離れたところまで来てしまっていたらしい。
辺りは街灯もまばらな、薄暗い田舎道だった。
冷たい夜風が、ざわざわと周囲の木々を揺らしている。
さっきまで無心で彼を探していたから、まったく気づかなかった。
――こわい。
そう思った瞬間だった。
途端に、足がすくんで動かなくなってしまった。
秋の容赦ない夜風が、僕の体温を少しずつ、確実に奪っていく。
徐々に、徐々に、あの日の僕の記憶に思考が支配されていく。
頭の中が真っ白になって、どうやって足を一歩前に踏み出すのかも、どうやって声を出せばいいのかも、すべて分からなくなってしまった。
僕はその場にがたがたと震えながらしゃがみ込み、ぎゅっと目を瞑って、両手で耳を塞いだ。
あの日の僕と、まったく同じだ。
暗闇のなか、心の中で「助けて」と、何度も、何度も、声にならない叫びを繰り返した。
to be continued…………
コメント
4件
だめだ好きすぎる 続き超々たのしみにまってます😭😭

続いてコメント失礼します! あぁ、、心が苦しい😭 迷子なっちゃってたけど、、大丈夫かな??