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「莉奈ちゃんに会いたいな、」
こんな独り言を零しても、莉奈ちゃんは俺の元へは帰ってこない。
俺が喧嘩をやめるっていったって、俺は風林高校の蘇芳 隼人。
でも、俺は喧嘩よりも莉奈ちゃんの方が大切。
「…喧嘩、やめた方が…いいのかな」
莉奈ちゃんが俺の元へ帰ってくるから、俺は喧嘩をやめてもいいと思ってる。
” 莉奈ちゃんが戻ってくるならね “
「おい、なに暗い顔してんだよ」
「…桜くん」
「珍しく心配してくれてるんだね」
俺なりの精一杯の作り笑顔。本来の笑顔は莉奈ちゃんがださせてくれた。
「あれか?えーっと…元カノ」
「……」
図星をつかれた、桜くんは勘が鋭いなぁ…。笑
「うん。そうだよ」
「喧嘩やめんのかよ」
「やめようかなって、思ってる」
「それは俺が許さねぇぞ」
自分勝手だなぁ…笑
喧嘩をやめつもりは無い。けど、莉奈ちゃんがいないと俺は無理だよ。
「もう1回行ってくればいいだろ、元カノに」
「…それはいい考えだね、桜くん。」
「でも、莉奈ちゃんはもう俺の事を嫌いになってるはずだよ」
「…そーかよ」
たしかに、会いに行って自分の気持ちを素直に伝えるのもいいかもしれない。
だけど、莉奈ちゃんは俺の事をきっともう嫌いなはず。それで会いに行くのは無理でしょ?
「自分の気持ち、素直に伝えろよ」
「……そうだね」
桜くんの言う通りだね。
自分の気持ち、素直に伝えなきゃ始まんないまんね。頑張ろうかな。
今日、莉奈ちゃんの家に行ってもう1回話し合ってこようかな。
仲直りできなかったら、もうそれでいい。
俺はちゃんと伝えたから。
莉奈ver.
私、隼人に酷いことした。
隼人がせっかく私に会いに来てくれたのに。
「…どうすればいいの、」
正直、私はまだ好きだよ。
けど、あの私の行動で隼人が私の事嫌いになったのかと思うと震えが止まらない。
隼人に謝ったって、好きっていったって、本音ぶつけたって、もう受け止めてくれないかもしれない。
私はそれが怖い。
「…隼人に会いたいな、」
そんな独り言を零しても、隼人はもういない。
私から振ったんだ。
こんなことが起きても、隼人が私の事嫌いになってもしょうがない。
「素直に、自分の本音…ぶつけてみるのもいいかもしれない」
そうだよ、
自分の本音ぶつければいーじゃん。
隼人が好きじゃなくても、それでいいよ。
「……よしっ」
「今日…久しぶりに、隼人の家行ってみよっかな、」
付き合ってる頃はたくさん行った思い出の場所。
2人で遊んだり、キスしたりハグしたり、たくさんの思い出がつまった私の宝物。
隼人のあの笑顔がもう1回みたい。
「…まってて、隼人」
「私、本音ぶつけるからね」
そう言い残し、私は家を出た。