「なんで、知ってる…?」
驚いた表情をする彼は、私に疑いの目をかける
「お前、姉ちゃんの事……っ何…」
私は彼の唇に、人差し指を当てた
「照れてる… ほっぺ真っ赤ですよ」
「っ! お前が急に…」
顔を隠しながら、扉のほうへ、一歩ずつ後ろへ下がって行った
そして彼の声はだんだんと小さくなっていく
「急に…何ですか? レンさん」
私が彼に近づきながら言うと、
「っ! 帰る!」
私のほうを見ながらそう言い、
屋上の扉を乱暴に閉めて、照れた様子で帰って行った
「もう少しで5時間目ですね 私も帰りますか」
パタン__
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私のクラスは2組
席は窓側の後ろ
ずっと屋上にいたいけれど、授業もちゃんとしなければ
勉強は苦ではありませんので
キーンコーンカーンコーン
「お前ら席つけー」
先生が教室に入ってくると、騒がしかった教室が、いっきに静まり返る
「えー、今日の歴史はP36の……」
正直言って、授業はひまです
全ての授業内容は、頭に入っているので
「それじゃあここを、赤羽ー、答えろ」
「はーい」
ん? レンさんって同じクラスなんですね
あまりしゃべったことないので忘れてました
「えーっと、あっ…」
私とレンさんの目が合う
「ニコッ」
私がレンさんに向かって微笑むと、レンさんは今までの考えが吹っ飛んだようで、
「あっ…忘れました」
「赤羽ー、ちゃんと覚えとけよ」
「はい…」
フフッ、レンさんって、恥ずかしがり屋なんですね
また一つ、あなたの事を知れました