テラーノベル
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────生ぬるい風が君の髪を靡かせる。
さっきまで泣いていた君は、今はどこか楽しそうで、諦めてそうだった。
僕なら、きっと僕なら幸せにできるから。
だから。どうか。
2人で死のう。
ガチャっ。
今日、僕たちは逃げ出す。遠い遠いどこかに。
誰もいない、2人っきりの処へ。
「_____じゃあ、行こっか。」
「うん。……手、繋いで欲しい。」
「わかった。」
数時間前。君は此処にきた。
なんでかわかんなかった。
でも、夏が始まったはずなのに、どこか酷く震えていた。それだけはわかった。その震えは、寒いだけじゃない、世界を拒んでいるような。
きっと、誰もが”消えたい”と一度は思ったことがある地球では、沢山の人殺しが湧いている。蛆の様に。
救ってくれない、頼りにならないゴミ人間も、ただの機械に目を向けて、子供を見ない大人も。ただ嫌いで死んで欲しい奴も沢山いる。
でも、きっと。そこら辺じゃなくて、どこか遠くなら。
僕らは、きっと_____。
「……。」
沈黙が続く。俺はなにか言おうとしてやめた。
君は、やっと口を開いてくれた。
口から出てきた言葉は、信じられないようなものだった。
「……僕ね、人、殺したの。殺したのは、隣の席のいじめてくる、あのクソ女。」
「……はは、信じれないか。そりゃそうだね。まぁ、だから僕は此処に居られない。人殺しになったんだから。」
「………は?」
「馬鹿なこと言うなよ」って、いつもみたいに言いかけて、やっぱやめた。今日は、そういう気分なのかもしれない。
嘘だ。信じたくない、信じられないって言葉が頭の中でぐるぐるしてる。
視界がぼやけた。人殺し?冗談だろう?
「……嘘つけよ。いつもみたいに、下手くそな冗談でしょ?」
俺の震える声は、いつもより頼りなく聞こえた。
遠くで蝉が鳴いている。そうか、これから夏か。そんな現実逃避しか出来なかった。
「だから、僕は死んでくるよ。」
一瞬で現実に意識が戻った。
やだよ。そんなの。
君が……元貴が死ぬなら、俺だって死ぬさ。
「じゃあ、他の人と幸せになってね。ばいばい」
耐えられなくなって、元貴の手を強く掴んだ。
「待って。」
「なに?」
君が驚いた顔で振り向いた。
「元貴さ、死ぬんでしょ?」
「……死ぬよ」
「…じゃあ、俺も連れて行ってよ。俺も死ぬから。」
自分で出した言葉が信じられなかった。だけど、撤回も誤魔化しもしなかった。
どうせ、俺はダメ人間なんだから。
愛してる人と死ねるなんて、最高じゃないか。
手を繋いで、俺たちは自由になった。2人で線路も歩いた。とにかく楽しかった。
置いてきた彼奴ら……親は、いや親だけじゃないな。親も、先生も、友達も。邪魔な目は、また新たな被害者を産むのだろうか。
2人分合わせても持ち物は結構少なくて、スマホ・ゲーム・財布……あとは、ナイフ。死ぬ用と、誰か襲ってきた時用。まぁ、そんな襲ってくることはないとは思うけど。
んで、写真とか、日記とかは全部捨てた。もちろん、学校の教科書も。あれ古臭くてもうやになってたんだよね。
「……ねぇ、ほんとによかったの?」
隣でちょっと口角があがっている元貴が、首を傾げて言ってきた。あんなこと言ってたのに、たぶん、元貴は死ぬのがこわかった。
「そりゃあ、もちろん。好きな人と死ねるなんて本望だしね。」
冗談めかして言った言葉だが、覚悟と気持ちは本物だった。
「じゃあ、まずは……電車で、どっか行く?」
「ぇ、でも……お金、なくない?僕、万引きとかするつもりだったから全然持ってきてないや。」
「ふふふ……てってれーん!親の財布盗んできたんだ!」
「ぁ、ぇ!?すご!! ほら、早く中身一緒に確認しよ!!」
テンションの上がり具合が凄い。てか、さっき万引きって言った?可愛い顔して、結構怖いこと言うな……。
中身は結構入っていた。自分の親のものだから、クレジットカードも使えるし。どうせ死ぬなら、手の届く限りぶち壊してから死にたいな。
「さてさて、元貴。問題は、”何処に行くか”だ。人混みの多い都会か、だーれも居ないクソ田舎か。どっちがいい?」
「……東京で。一応、田舎の部分もあるしね。海も見える。」
「あー、たしかに!元貴海好きだもんね!」
「うん。すき。」
「……ずる。」
「なにが?」
「なんか、海に好きって言ったのに、俺にだけ言ってくれないじゃん。」
「ひろとはだいすき。」
「結婚しよ。」
「むり。」
そんな他愛のない会話をしながら、チケットを2枚買った。元貴がるんるんしてて、犬みたいで可愛かった。
電車が来る時間になって、2人で手を繋い で乗った。案外人はいなくて、すぐ席に座れた。
「これから、なにが見れるだろうな。」
さっきまでの震えは収まっていて、君は少し笑っていた。
____こんな話で始まった、僕らの夏の物語だ。
……新しい小説作っちゃった。
久しぶりです。そしてごめんなさい。めっちゃ失踪しました。
あと、フォローいっぱいしてくれてありがとうございますっ。𝑩𝑰𝑮 𝑳𝑶𝑽𝑬______🤍
(このお話は、「あの夏が飽和する」のパロです。なので、似てる比喩や原作と同じ文章が時々出てくると思いますが、ご理解お願いいたします🙇🏻♀️´-。あとめっちゃ面白いのでみてみてね👁)
🔞があるかもです。うふふふ。もとぱです。付き合ってます。
最後まで見てくれてありがとうございました🤜🏻🫷🏻。
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