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曽野side
柔太朗が勇ちゃんが好きなことは薄々感じていた。
なんせ下積み時代から一緒に暮らしてきた仲で、彼が佐野勇斗の雑誌の切り抜きやグッズなどのコレクションを隠し持っている事も俺だけは知っている。
M!LKで活動をすることを事務所から打診されて、柔にも同じ話が行っているんだろうなと思った。
蓋を開けると柔は同じ新メンバーとして隣に立っていて、憧れの人を追いかけているんやと確信した。
だから、活動を始めて二人の仲がどんどん離れていくのが見ていられんかった。
なんとか距離を近づけたかったけど、俺こういうの疎いから。
仁ちゃんに相談もしてみたけど、一定の距離感がある方がいい時もあるんだよって諭された。
んで、今、俺は柔を探しています。
太ちゃんが大騒ぎするから、何があったかはよく見えへんかったんやけど、チラッと見えた2人の様子は少女漫画のワンシーンみたいやって吸い込まれるくらい綺麗やった。
その2人の距離感に喜んだのも束の間、柔太朗は楽屋を飛び出したんや。
仁ちゃんからのご指名で柔探しとるけど、どこおるんかサッパリわからん。
遠くに行ってなきゃいいんやけど。
ふと視線を感じると、俺の方をチラチラ見ながらヒソヒソと話す人が目に映る。
これはマズイかもしれん…。
そんな事を考えながら何度目かの角を曲がろうとした瞬間、自販機の影に隠れた蹲った人を見つける。
❤️「おった…」
蹲った柔は泣いているのか少し震えていて、周りの人に見つかると厄介な事になりそうなのが目に見えている。
❤️「柔ちゃん立てる?」
ビクッと肩が揺れて、沈黙が続く。
🤍「グスン(首を横に振る)」
❤️「ほな、隣座るわ」
俺は柔の隣に座り、顔を覗き込んだ。
俺の予想外の返答に、柔がびっくりして顔を上げる。
その瞳からは大粒の涙が溢れていて、顔もぐしょぐしょだった。
❤️「そんな泣きなや」
🤍「だっで…ぉれ、はゃちゃん傷つけた…」
こんな時も自分のことより、人のこと。
こんなに優しい人間に出会った記憶はない。
❤️「とりあえず、柔ちゃんは勇ちゃんが好きやねんな?」
確信をついた質問に柔が目を丸くする。
🤍「なん…で…?」
❤️「俺、柔ちゃんとどれだけの付き合いやと思てんの?
見てたらわかるよ」
🤍「はやちゃんには言わないで…」
❤️「うん、自分で言うべきやと思うし
勇ちゃんが柔ちゃんのことどう思ってんのかわからんし」
🤍「はやちゃんは嫌いだよ、多分」
❤️「そんな…」
🤍「ドラマでたりさ、ファッションモデルやらしてもらったり、はやちゃんと仕事が似てくるようになっちゃって、多分はやちゃん迷惑なんだと思う」
❤️「それは絶対ないで!」
🤍「なんで言い切れるの?」
❤️「言い切れる!だって勇ちゃんはそんな小さい人間じゃないし」
💙「おったおった!」
遠くから賑やかな声が聞こえる
💙「全然帰ってこんから心配したわ
みんな待っとるで、戻ろうや」
🤍「うん、ごめんね」
柔はさっきまでの弱々しさはどこへ行ったのか、平然といつもの柔に戻っていた。
🤍「舜太」
突然前を歩いていた柔が振り返る。
🤍「さっきの話…
誰にも言わないで…」
その瞳はかすかに揺れていた。
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