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グチャッ!!!!!!
悠「っ……」
痛々しく、何かを抉るような音が響いた
ポタポタポタポタ…………
悠(……れ……あれ……痛くない……?)
「…………グフッ……」
悠「……え……レ……ン?……」
悠はゆっくりと目を開け目の前の光景に唖然とした
レンは自分の腹部をナイフで刺していた
ドサッ!!
悠「っ……ちょ!レン!」
悠(何で何で何で何でっ)
レン「…………ハハ……」
レン「馬鹿だな……本当……馬鹿だよ…」
悠「なに……言って……」
レンの周りはとても綺麗な血で染まっていた
悠「やだっ……いやだ!!……何で自分で刺してっ……なんで……やだっ……血が止まらないじゃないか!!!どーしたらっ……」
レン「……無駄だよ……どーせ僕は、死んじゃうんだし……」
悠「なんで!!っくそ!とにかく止血っ」
ビリッビリリッッ
悠は自分の服の袖をちぎった
簡易的ではあるが止血できる程度の布を確保したかったのだ
悠「くそっくそっ!!……っあと、何かっ」
レン「…………」
レン「悠……生きて……ね……」
フッ……
レンは目を閉じ微かな声で放った……
悠「嘘…………脈がっ……止まって……っ」
悠「う”わ”ぁぁぁぁぁあぁぁあぁ!!!!」
悠「嫌だっ!!何で!!何でいつも自分だけ置いてけぼりにっ!!自分も逝きたいのに!!なんでいつも死なせてくれないの!!」
悠「っくそくそくそくそ!!!」
ハァハァハァハァハァ…………
悠「……そーだ……自分もコレで死んじゃえば……」
スッ
悠はレンが持っていたナイフを自分の手首に当てた
悠「……自分も死んじゃえばいいんだ。苦しまなくてすむんだ……」
「気付いたよ……レン、君は……あの時助けてくれてた……蓮だってね……」
悠「……ごめんね……ごめんね……自分ばっかり……」
スッ……
悠はナイフを思いっきり振り上げた…
悠「誰も幸せにならない……蓮も居ない……こんな世界…要らない」
悠「っ!!!!!!」
グチャッ!!
悠「……ハハ……ハハハ!!」
グチャッッ!!グチャッッ!!グチャッッ!!
何度も何度も悠は自分の手首にナイフを振り下ろした
ハァハァハァハァ……
グラッ……
悠「……うっ……」
何度も刺したせいだろうか
意識が遠ざかっていった
悠「……あぁ……もう死ねる……もう何も辛いことも……悲しいことも……」
悠「……あ……れ、」
意識が薄れてく中でふと、悠は違和感に気付いた
悠「…………血……が…出て……ない……?」
悠は意識が途切れた…………
第28話 終わり