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大森の手が離れると、若井はすぐに後ろに下がり、心臓が激しく打つ音が耳に響いた。
顔を赤くして、息を荒げながらも、心の中で反撃しなければならないという決意を固める。
(こんなこと、もうやめさせなきゃ……)
でも、体はどうしても大森の力に逆らえなかった。
その目線が、今でも自分を捕らえて離さない。
「……お前、そんな顔しても無駄だって分かってるよな?」
大森がゆっくりと歩み寄りながら、若井の髪を軽く引っ張る。
その力に、若井は無意識に体を引いてしまったが、大森はまったく気にする様子もなく、さらに近づいてきた。
「もう一度、試してみるか?」
「試すって……何をですか?」
「もちろん、お前が俺に逆らえるかどうかだ」
その言葉に、若井は強い意志で答えようとした。
「もう……やめてください。こんなこと……」
大森は無言で若井を壁に押しつけると、すぐにその唇を奪う。
今度は一度も休むことなく、深く、激しく――まるで支配するかのように。
若井はその唇を拒否できず、逃げようとするたびに、大森の手がさらに強く握りしめられ、体が固まってしまった。
「……お前、俺に反抗しても、意味ないってわかるよな?」
その言葉を耳にした瞬間、若井は再び抵抗しようとするが、大森の腕がしっかりと若井の体を押さえつける。
大森の唇が離れ、顔を近づけてきた。
「その瞳……お前、俺が嫌だと思ってるだろ?」
その問いに、若井は答えられず、ただ目を閉じるしかなかった。
口を開こうとしたその瞬間、大森の指が若井の唇に触れ、また再び唇が奪われた。
「反抗するな、言う通りにしろ」
その一言と共に、大森は無理やり若井の手を取って、机の上に押しつけた。
その時、若井は心の中で何かが崩れるのを感じた。
嫌だったはずなのに、どうしても体が反応してしまう。
その感情をどうしていいのかわからず、ただ黙っているしかなかった。
「お前、もう俺から逃げられないんだよ」
大森の冷たい声に、若井は体が震える。
「――もう、我慢できない。」
大森はそのまま若井を抱き寄せる。その動きが、若井をさらに追い詰めた。
ここまできたら、もう逃げられないのだろうか――そう思う一方で、若井の心の中に確かに感じるのは、どうしようもなく大森の存在に引き寄せられている自分の気持ちだった。