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lrfw
ご本人様とは関係ありません
伏字無し
なんでも許せる方のみ
lr視点
「じゃ、そろそろ落ちるわ。おつかれ」 湊が通話から抜けたのは、深夜2時。その前に一緒にいたのは、あいつが最近よくつるんでるライバーたちだった。
笑ってた。
ずっと、楽しそうだった。
……でも、その中に、俺はいなかった。
「……またかよ」
椅子の背にもたれて画面から目をそらす。
舌打ちでもしそうな感情が喉までこみ上げたけど、ぐっと飲み込んだ。
ここ最近ずっとこんな調子湊 が誰と遊んで、どこにいて、何を話してるか。
気にならないふりをしても、どうしても目に入ってくる。
知りたくないのに、知ってしまう。
見たくないのに、見てしまう。
そして、またひとつ溜まっていく。
「……俺じゃ、ダメなんだよな」
こぼれた声が、静かな部屋に落ちる 。
──そろそろ限界かもしれない。
素直に「寂しい」って言えたら楽なんだろう。
「俺のほう見ろよ」って言えたら、どれだけ救われるんだろう。
でも、そんなこと言ったら終わる。
重いって思われて、気持ち悪がられて……
もう、湊の隣にいる理由すら、なくなるかもしれない。
「ふざけんなよ、俺が勝手に好きになったくせに……」
顔を覆って、声を出さずに笑った。
呆れるくらいダサくて、みっともないな。
──ピコン、と通知音。
【不破湊】
『ローレン、今ちょっとだけ話せる?』
……まじで、タイミング悪い。
今、話したら絶対に俺は言ってしまう。
言っちゃいけない、余計なことを。
“なんで俺じゃだめなんだよ”
“俺のこと、少しは見てた?”
“俺、湊が他の男と笑ってるの見るの、もう耐えられねぇんだよ”
言えない。
でも、言わなきゃ、壊れそうだった。
『今は無理。寝る』
そう返して、スマホを伏せた。
ほんとは寝れるわけないくせに。
あいつの声が、今すぐにでも聞きたくてたまらないくせに。
「……好きなのに、なにやってんだよ、俺……」
今夜もまた、気持ちを殺して、ひとりきりで目を閉じる。