16話
九井「…ん、朝か……いてぇ…」
まだ痛みがあるものの怪我したところに包帯とか絆創膏貼ってくれてある。
コンコン
九井「はーい」
返事をすると確蝶が入ってきた。
九井「これ手当てしてくれたの確蝶だろ?お前ぐらいしかこういうのしてくれないからな」
確蝶「一応後処理したあと手当てしたんだが動きにくいとかないか?」
九井「そこら辺は大丈夫…まだ色んなところが痛むけど…」
確蝶「イザナが話があるらしい」
いまさら話?
何かしたっけ?
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イザナ「いきなり呼んで悪いな」
九井「何の用で?」
イザナ「入隊儀式最後は俺が相手だ」
なんとなく想像はしてたけど……
やっぱりコイツが最後かーー
イザナ「儀式もそうだが…他にも伝えておくことがある」
九井「伝えること?」
まさか……
外に出たことを今から咎められるのか?
イザナ「東卍との決戦日を決めた…初代黒龍が誕生した日にする」
初代黒龍ができた日って確か……
前にイヌピーが教えてくれたなーー
九井「2月22日に東卍とやりあうってことか」
つまりはーー
九井(イヌピーを敵として…殴り会う必要があるってことか)
好きな人を殴るって苦しいことだ。
もうこれ以上苦しくなりたくなかっただけなのに……
俺たちはどこで間違えたんだろうな……
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蘭「楽しみだな、竜胆」
竜胆「まさか黒龍の結成日にやりあうとは思ってなかったな」
獅音「それだけ思い入れが強かったってことだろ?」
確蝶「そうなるな…ココ」
九井「ん?」
たまたま彼らが雑談してるのを見かけて蘭に強制的に混ぜられた。
儀式中と違い全員が普通に会話してるだけだ。
オンとオフがしっかりしてるんだな…
確蝶「元仲間と戦うことになるが覚悟はできてるか?」
九井「ここに来てから色々と考えた…もう後戻りはできねぇ…やるならやるしかねぇ…もう止まることは不可能なんだから」
竜胆「しっかりした覚悟だな」
蘭「決戦は明後日だからね…今日の夜は大将が相手だよね?」
九井「そうだけど?」
蘭「イザナがどうやって抱くのか楽しみだな…戦いが待ちきれなくてココのこと殺しちゃったりして?」
竜胆「冗談でもそれは笑えねぇよ…兄貴」
俺は怯えることも笑うこともしなかった。
俺はイヌピーのことを考えていたからだ。
九井(天竺に入ってる以上俺は東卍に戻れない…もう戻ることは許されない……なら)
イヌピーを手に入れるには……
九井(イヌピーを天竺に引き入れるんだ…ポストなら俺が用意してやれるから)
次回へ続くーー