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もっち
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うわあ…読んでて胸が苦しくなりました。直毘人さんとのやり取りで恵を“売る”決断をした場面、そして家に帰ってからの“ただいま”のギャップが本当に切ないです。「誰も幸せにしてやれねぇ」って自分を責める甚一さんに、こっちまで泣きそうになりました……。子供たちの前では普通の父親でいようとする気持ちと、自分の弱さがにじんでいて、すごく人間らしいと思いました。続きが気になります。
ごめん。
ごめんな、直哉。
「恵をお願いね」
任せられちまったんだよ。
だから、ここで辞めるわけにはいかねぇんだよ。
一禪院家逃亡後、約2年後。
甚「あれは完全に呪力がある人間《持ってる側》だ。相伝なら8億、そうじゃなくても7億はもらう。」
直毘人「そうか。なら、相伝なら10やろう。」
俺のガキ、一人を禪院家に売った。
これでいい。
これでいいんだ。
もうどうでもいい。
ー住居 現着
甚「…ただいま。」
津美紀「あ、恵!お父さん帰ってきたよ!」
恵「…おかえり。」
甚「昼飯食ったか。」
津美紀「うん!食べたよ!」
恵「ちょっと不味かった。」
津美紀「こら!そんなこと言っちゃだめだよ!お父さんがせっかく作ってくれたんだから!」
甚「いや、悪かった。母さんみてぇに美味いのは作ってやれねぇんだよ。」
嫁が逝ったのは全部俺のせいだ。
俺が無理をさせた。
俺が惚れなければよかったんだ。
俺が惚れたせいで、死んじまった。
だからこいつらにも、無理をさせてる。
保育園の参観日も、大体が母親か、両親が来ているのにもかかわらず、俺一人で来ている。
保険料も降りてきてるのに、俺が全部パチ屋や博打で溶かす。
だからいい服も買ってやれないし、いい飯も食わせられねぇ。
誰も幸せにしてやれねぇ。