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――ああ。もう、いいや。全部めんどくさい。――



心に、黒い感情が芽生えていく。


私は、はぁー、と深い溜め息をつくと、くすくす笑い出した。


「ふ、ふふふ…。あーあ。バレちゃったか。そうですよ。援交してました。もう何回もやってます。でも意外でした。店長って、普段鈍そうに見えたのに、まさかここまで観察していたなんて。さすが、店長になれるだけありますね。」


「え…藤…塚…さん…?」


素の自分で淡々と喋る私を、店長は信じられないという風に見つめていた。


これで猫を被っていたこともバレてしまった。だけど、余裕だった。


要は、このことが職場に広まらなきゃいい。目の前の店長に黙っていてもらえばいいんだ。


…男を黙らせる方法は1つしかない。


「もちろん、黙っててくれますよね…?」


「へ…?ちょっ…」


そう言うと、私はそっと店長に顔を近づける。突然の至近距離に、店長はたじたじになった。


40代にしては今時珍しい、初な対応だ。


「黙っててくれるなら…いいことしてあげます。私、経験豊富だから自信ありますよ?もちろんタダで♪」


耳元で甘く囁く。そして、店長の唇にそっとキスを――


「っ…!!駄目だ…!!」


する前に、思いっきり突っぱねられた。

予想外の展開に、瞬きを何度も繰り返す私。


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