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店長は、顔を耳まで真っ赤に染めて、肩で息をしている。


「こ、こんなことしなくても…黙っているに決まっているじゃないか!!だから約束してほしい…もう二度と、こんな真似はしないって…」


「…いいじゃないですか。もう成人しているし、犯罪じゃありません。誰も困らないです。」


「傷つくのは、藤塚さんだよ?自分が結婚した時にきっと昔のことを思い出して後悔すると思う。そうなってほしくはない。だから…もうやめるんだ。」


結婚…?後悔…?この人は何を言っているんだろうか。本気で人を好きになれない私に…


説教をしているの…?親でもないのに。ただの他人にそんなこと言われたくない。こんな言葉はちっとも胸に響かない。ただの偽善者だ。


本音は、もし職場にバレたら自分の立場が危うくなるからだろう。


溜まりに溜まった気持ちをぶつけようと、口を開いた。


「あ…」


「だけど原因は俺にもある。…悪かった…!!そんなにお金に困ってるなんて気づかなくて…店長失格だぁ…もっと給料をあげてくれるように頼んでみるから…!!」


「……は?」


しかしその口は開いたまま、閉じることはなかった。

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