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楠木side
その日久々に夢を見た。
俺がまだ風鈴生として人助けをして皆と笑いあったりした夢。
目を開ければ知らぬ間に零れていた涙。
夢だろうがもう戻れない、戻るつもりもない。
起きたのが朝早くまだ太陽も登っていなかった。
静かに梅宮が寝る部屋の扉を開ければヨダレを垂らしてアホ面を晒しているのを見て……。
コレが今の総代かよッ、と心でツッコミしつつ。
昨日はあのバカに飯を作ってもらった。
借りは返さないと気が済まない。
冷蔵庫を開けて使えるものを出す。
冷凍庫にもあるんじゃないかと見たらアイスだらけ……。
あんのクソ馬鹿野郎ッ!野菜も冷凍出来るって知らねぇのか!!!
取り敢えず出した食材は卵、ベーコン、キャベツ、人参、じゃがいも、ウィンナー。
成程、ある程度は出来るな。
梅宮side
目が覚めて伸びをすると同時にいい匂いがする。
リビングに行けば美味しそうなご飯が並んでいた。
楠木『おう、起きたか。』
梅宮「えっ!これ!楠木が作ったのか!?」
楠木『冷蔵庫の余りもんだけどな、でも日持ちする野菜ばっかだったしことはに言われたんじゃねぇの?』
ぜ、全部知られているッ!!
梅宮「でも、あの余り物でこんな豪華な飯作れるのか?」
楠木『あのなぁ、俺は弟を養うために色々頑張ってたんだ。
キャベツと、人参、じゃがいもとウィンナーに出汁でもコンソメでも使えば和出汁ポトフ、コンソメを入れれば普通のポトフ。卵とベーコンが余ってればスクランブルにも出来るしもう1品をベーコンとして出来るし、ベーコンを引いて溶き卵をやればベーコン入り卵焼きだって出来る。料理は思想なんだ、そしてどうすれば安く済むか…だろ。』
梅宮「嫁?」
楠木『その口縫いでやろうか?』
梅宮「ちがっ!」
本当は言いたい。俺が好きなのは楠木だと。
でも、運命の番が現れたら?
何で運命の番なんて必要ないだろッ!
お互い…惹かれ合えばそれでいいだろッ!
そんな事思いながら1口含めば優しい味。
梅宮「美味しい。」
目の前に居た楠木は優しく微笑んで、良かった、と笑う。
何で笑うんだよ、どうして、俺に気がないんだろ?ならどうして??
楠木side
飯を久々に作ったら美味しいと言われて余りにも嬉しくて照れてしまった。
どの道コイツとしか過ごせないし、周りに人もいないし嬉しい事は嬉しい。
楠木『今日も学校早いんだろ?』
梅宮「…あぁ、うん。」
楠木『……これ、残りモンだけど、弁当。』
梅宮「べっ!弁当ッ!?つ、作ってくれたのかッ!?」
めちゃくちゃキラキラした顔で迫ってくる……。
楠木『余りもんだって言ったろ、それ昼間食って、働け。』
梅宮side
トゲがあるけど優しいなぁ。
梅宮「おう!今日はいつも以上に頑張れるッ!弁当!ありがとうなッ!」
楠木side
梅宮は笑顔のまま玄関を後にした。
俺は1人梅宮の寝室に籠る。
なぁ、俺がお前の事好きだって言ったら、どうする?
ずっと、好きだった。
でも同性はそのま嫌われるし…、だからこそ椿野が羨ましかった。
自分の好きな事をして梅宮はそれを綺麗だと。
なら、俺の想いも綺麗なのか?そんな訳ない。
俺は男として好きなんだ。
勿論椿野も同じ思いだと思う、ただ見た目が違う。俺にはお前に言えない。だからこそ椿野はスゲェよ。
ズクンッ
え?何だよコレッ、苦しいッ。
欲しいッ!目の前の匂いがッ!!
梅宮side
昼休み
柊木「上機嫌だなぁ。」
梅宮「え?分かる??なんとッ!楠木が作ってくれたお弁当なんだ! 」
柊木「楠木が?意外だな。」
梅宮「そうだろ?俺も中身は知らねえんだけど…。」
パカッと蓋を開けると
卵焼きに生姜焼き、ブロッコリーの胡麻和え、ポテトサラダ。
柊木「お前ちゃんとお礼した方が良いぞ。」
梅宮「オレの嫁スゲェ……!」
柊木「話聞いてねぇわ。」