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その翌日、大学からの帰りにいつも通りの平常心を心がけて
太齋さんの店に足を運ぶと太齋さんが僕を見るなり「あ!ひろくん、いらっしゃい」
嬉しそうに言うので僕もそれにつられて笑顔になる。
よかった、いつも通りだ。
すると太齋さんが僕に手招きをするので、カウンターまで近づくと、太齋さんは僕の耳元で囁く。
「今日さ……店終わったら俺ん家来てよ」
「えっ……?」
「ちょっとひろくんとのことで、ね。詳しくは後で話すから」
「えっと、分かりました……?」
僕は太齋さんの意図が読めずに少し戸惑うも返事をして
とりあえずの感覚でチョコケーキとアッサムを頼むと、すぐに品は運ばれてきた。
そうしていつもと変わらぬ美味しさを噛み締めながら、手元のスマホに目を落とした。
すると、急にチャリンという音が頭上でなる。
びっくりして顔を上げれば
可愛い茶クマのラバーストラップがついた銀色の鍵を差し出す太齋さんがいた。
「これ家の鍵、食べ終わったら先に入ってていーから、渡しとくね」
「え……あ、わかりました」
その鍵を受けとると、太齋はまたほかのお客さんの方へと向かっていった。
なんか、合鍵ではないけど、妙に嬉しい気持ちになった。
僕はスマホと鍵をカバンにしまいこんで、ケーキを食べることに専念した。
食べ終わったあと、お会計を済ませて店を出ると、すぐに太齋さんの家に向かって歩き出した。
ここからは徒歩7分程度でさほど距離は無い。
何度か招かれたことがあるから、方向音痴の僕でさえすぐに覚えられた。
太齋さんの|家《マンション》の前に着くと
マンション内のエレベーターに乗り
部屋番号の鍵穴にその鍵を差し込んで捻ると、カチャという音を立てた。
ドアを開いて中に入ると、誰もいないことは分かりつつも
「おじゃましまーす」と小声で言いながら中へ上がった。
そしてリビングの電気を点けて、ソファに腰掛けた。
太齋さんの誕生日のときに一緒に寛いだ記憶の蘇る
「太齋さんの……家…」
家主がいないと、なぜだかどうも落ち着かない
なんてことはなく。
「ちょっと探索でもしようかな、暇だし」
何度か来たことがあるといっても、隅々まで見て回るなんて今回が初めてで、キョロキョロとしてしまう。
(よく彼氏の家で小さい頃のアルバムを見つけて、彼氏さんが恥ずかしがる展開とかあるし…)
(それにこれ、太齋さんをイジれる絶好のチャンスでは…?)
なんて悪戯心も湧いてしまって
「太齋さんもまだ帰ってこないだろうし」
僕はそう呟きながら、辺りを見回すと
ふと目に入ったのは薄暗い角の部屋。
「こんな部屋あったっけ?」
その部屋には、「立ち入り禁止」と書かれた紙が貼られていて。
僕は好奇心に負けずを得ず中へ入ってみた。
ベッドとテレビ、テーブルが置かれたシンプルな部屋。
しかしそれと反比例して主張の強い棚に思わず目と足を止めた。
(…これ、ローターにディルドに…ローションまで…?)
「これ……全部太齋さんが…」
もしかして僕に使うためとかだったりする…?
それだったら、もしそうなら
太齋さんのあの手から垂れるローションはさぞ色っぽいんだろう
その手でおしりなんて触られたら…なんて妄想が頭の中で飛び交っていた。
いや、明らかにBL漫画の見すぎだろうけど。
精々、太齋さんが個人的に使うだけだろう
(いや待って、付き合い長いから分かるけど…個人的にって、太齋さんが自慰行為のときにわざわざ玩具をここまで集めるとも思えない…)
その上、当たりをよく見るとベッドの横の壁にはチョーカー、可愛らしいリボンまでかけられている。
僕が困惑していると、それを遮るように
聞き覚えのある声が後ろからした。
驚いて振り向くと、そこには今1番会いたくない人がいた。
「……何してんの?」
太齋さんの問いに僕は黙り込む。
(ど、どうしよう、何か言い訳をしないと)
考えれば考えるほど頭が真っ白になり何も言えなくなった。
(さすがにこんなの見られたら太齋さんでも怒るんじゃ……)
そんな僕を見てか、太齋さんは突然、吹き出すようにクスクスと笑いだした。
「ぷっ…そんな固まんなくていいじゃん。この部屋見られたのは単に俺のミスだし、別に怒ってないよ」
「僕てっきり怒られるのかと……」
「まさか。ひろくんに見られたら引かれるしまずいと思ったんだけど、時すでに遅しって感じだし」
「えっと、逆に意外っていうか、太齋さんもそういう性癖とかあるんだなぁって、驚きはしましたけど…」
「え、そう?まあ引かれてないならいいけど」
太齋さんはそう当然のように言った。
「まあそれはそうと、今日はひろくんと俺のこれからの付き合い方について話したいんだよね」
「付き合い方……?」
「そ。とりあえずリビング行こ!」
リビングに二人で戻り、キッチン横のテーブル席にお互い向かい合うような形でに座る。
「それで、太齋さんのこれからの付き合い方って……?」
僕がそう問うと、太齋さんは少し間を置いてから口を開いた。
「昨日ひろくん、色々話してくれたじゃん?それで考えたら今やってる〝リハビリ〟もう一段階レベル上げてもいいんじゃないかと思ってさ」
「えっと、それってつまり……?」
「まず今日は一緒にゲイビデオとか見てみない?」
僕は思わず目を見開いた。
「え、ぜひ」
口に出してから言うこと間違えた、と思いつつ
弁解する間もなく
「ひろくんBLよく見てるしそんな抵抗ない感じするけど、リアルの男同士のビデオとかも普段見るの?」
と返されてしまい
僕は「いや、まあ」と曖昧な返事をする。
「なら良かった。じゃあ早速だけど、これとかどう?」
そう言って見せられたのは、パッケージに裸の男同士が絡み合っている写真の貼られたDVDだった。
これが腐男子のサガというのか、表紙だけでどんな関係かを想像して思わず顔が熱くなる。
太齋さんはそんな僕を見てクスッと笑ったあと
リビングのテレビをつけてディスクをセットした。
そうして僕たちはソファに腰掛けた。
そして再生ボタンを押すと、すぐに画面に映ったのは男2人。
1人はガタイのいい黒髪で少し筋肉質な男。
もう1人は、少し長めの金髪の細身で色白の男だった。
画面の中では、金髪の男が黒髪の男の服を脱がし始めていた。
そしてそのまま二人はキスを交わすと、金髪が黒髪をベッドに押し倒して愛撫を始めた。
(あーー、やばい、見た目によらずガタイいい方が受けとか最高か??攻め様にめちゃくちゃに感じさせられてあんあん言ってるし攻め様も攻め様で受けのイイとこ突いてんの神すぎる~…)
「ひろくん、なんかすごい興奮してない?」
太齋さんは僕の様子を見てそう言った。
「そりゃ、実質こんなのいつも見てるBLですし…」
「ふっ…だと思った」
それからしばらく2人の様子を見ていると黒髪が茶髪の男にフェラをし始めた。
(あ~やばい……この光景最高すぎるよ)
なんて思いながら見ていると
太齋さんが僕の耳元に口を近づけて
「いずれはひろくんにもしてあげるからね」なんて言ってきた。
僕は思わず「ひぇっ」と変な声が出て飛び上がってしまう。
そんな僕を見て、太齋さんはまたクスクスと笑った。
そして画面の中では茶髪の男が黒髪の男に挿入していた。
『あっ……んッ』という黒髪のよがり声に僕の心臓は大きく跳ねた。
(僕もこんなこと、太齋さんとしてみたいのかな…)
なんて思って
それからもしばらく見ていると、金髪の男の動きが激しくなり
やがて二人は同時に果てたようだった。
さっきから口数の少ない太齋さんに目を向けると
いつも僕の頭を優しく撫でてくれる大きな手は
自分の下半身を隠すように抑えているようだった。
ズボンのシワからでも分かるように、それは明らかに不自然に膨らんでいる。
「太齋さん……それ」
僕がそう言うと、彼は
「あー、こんなんすぐ治まるから」
なんて言いながら苦笑いした。
僕は太齋さんの前に四つん這いになるような体制で、顔を覗き込みながら首を傾げた。
「その、僕も今のビデオみたいにした方がいいですか……?」
「……っ」
太齋さんは一瞬驚いたように目を見開いたあと
「いや、大丈夫。ちょっと…トイレ行ってくるから」
僕の問いに少し間を置いてから彼はそう答えた。
僕は諦めきれずに食い下がった。
「…でも、太齋さん苦しそうだし……やっぱり僕が」
なんて言いながら太齋さんのズボンに手をかけると、彼は慌てたように僕の手首を掴んだ。
「いや、ほんと大丈夫だって…てか、今触られたら、俺、多分……歯止め効かなくなっちゃうから」
「え……?」と僕が声を漏らすと同時に、太齋さんは立ち上がって言う。
頭を片手で抑えて
「ひろくんって、ほんと危なっかしい子」
「危なっかしいって、何が…」
「その無防備さとかがだよ。今だって俺が本気出したらどうすんの?」
「?!そ、それは…っ」
「ま、とりあえずいい子にして待ってて。ね?」
「ま、待ってください…!僕、太齋さんなら別に…」
「ひろくんが良くても俺が良くないの」
太齋さんはそう言って僕の頭をくしゃくしゃと撫でると、部屋を出ていってしまった。
僕は完全に置いてけぼりを食らった状態でただ呆然と座っていた。
太齋さんがあんな、あんなこと言うから
思わずキュンとしちゃったし
なんなら、太齋さんになら何されてもいいのに…
とさえ思ってしまった自分がいた。
顔が火照ってしまいそうなほど熱い。
暫くして太齋さんがいつもの調子で戻ってきて
太齋さんはまた僕の隣に腰を下ろした。
僕の様子に気づいてか
「ひろくん?なんかあった?」なんて聞かれて。
僕は恥ずかしいのを堪えながら太齋さんの目を見て言葉を紡いだ。
「リハビリ…なら、シてみませんか……?」
唐突に出た言葉
僕の言葉の意味を汲み取ったのか、太齋さんは少し驚いたように目を見開く。
「ひろくん、それ意味分かってる?俺とセックスするってことだよ」
「分かってますよ。でも、太齋さんならいいって思ったんです……」
「それに僕、太齋さんが僕のことを思って今日みたいに〝リハビリ〟をしてくれる分、僕も1歩前に進みたいんです……!」
「ひろくん……」
太齋さんは少し考え込んだあと、「分かった」と頷いた。
「……嫌になったら、ちゃんと教えて。」
僕は思わずドキッとして太齋さんの顔をみる
「で、できるだけ、お手柔らかにお願いします…っ」
僕がそう言うと太齋さんは少し笑ってから僕の肩を掴んでベッドに押し倒した。
それから僕に覆い被さるように跨がって聞く
「服、脱がされるのと自分で脱ぐのどっちがいい?」
「え、あ……じゃあ自分で」
僕は着ていたセーターとシャツを脱ぐと、緊張で心臓が張り裂けそうだった。
そしてあっという間に上半身は裸身をあらわにした。
(やばい……僕、今太齋さんに全部見られてる)
そう思うと余計に恥ずかしくなってくる。
すると太齋さんは僕の体に手を這わせてきて
「意外と男の子だけど、腰ほっそ」と一言呟いた。
「ぁ、う……」
僕が情けない声を出すと太齋さんは
「もう感じてるの?」と意地悪そうに笑う。
「だって……っ、ん……」
そんな僕を見てか太齋さんの口元は小悪魔のように口角を上げる。
そして太齋さんの手が僕の体を這うように動く度に、ゾワゾワッとして変な気分になってくる。
そこにトドメをさすように固くなった乳頭を弾かれた。
「ひぁ……っ?!」
思わず声が漏れ出て、僕は声を抑えようと両手で口を抑える。
なのにその手を退かされて
「ひろくん、もっと可愛い声聞かせて」
そう耳元で囁かれて
またビクッと体が跳ねてしまう。
太齋さんの顔を見ると満足そうに微笑んでいる
そしてまた僕の乳首に触れたかと思えば
優しく捏ねくり回され始めた。
「んッ……あ、やっ……」
(これ、やばいかも……)
そんなことを考えていた矢先に今度は指で摘まれるように刺激を与えられて体が弓なりにしなる。
「ひろくんここ好き?」
なんて意地悪な問いかけにも反応してしまう自分がいて。
「っ、ん…す、き」
僕は太齋さんの耳元に顔を近づけて小声で囁く。
「もっと……」
僕の言葉を聞いてか、太齋さんは僕の乳首を口に含んで舌で転がすように舐め始めた。
「あッ!それぇ……だめ、おかしくなっちゃ……!」
「…なっていいよ」
(太齋さんの声がすぐ近くで…やばい、これ頭真っ白になってくる……)
なんて思っている間も太齋さんの愛撫は止まらずに、むしろ激しくなる一方で。
次第に頭がぼーっとしてきて何も考えられなくなる。
ただ気持ちよくなりたい一心で太齋さんに抱きつこうとするけど、力が入らず上手くいかない。
それに気づいたのか、太齋さんは僕の両腕を引っ張って起き上がらせてくれた。
そしてそのまま抱きしめられるような形で押し倒されて深いキスをされる。
舌を入れられて絡め取られるようなキスに思わず腰が抜けそうになる。
やっと解放されたときには僕はもう完全に蕩けきっていたと思う
「はあっ……ん……」
そんな僕を見て太齋さんは満足そうに笑う。
「ひろくん、下もいけそう?」
「だ、ざいさ…ん」
眠気に襲われながらも太齋さんの名前を呼ぶと
太齋さんは僕の頭を優しく撫でてくれて、それが心地よくて目を細める。
太齋さんの腕にぎゅっとしがみついてみると
太齋さんもそれに応えてくれるように強く抱きしめ返してくれた。
「今日はここまで、かな。道は長そうだけど…まあ可愛いところ見れたから俺的には満足だよ……って、もう寝てんじゃん、」
───その日を境に、大学の講義を終えてから
太齋さんと会っては、どんどん
触れる時間
触れる回数
触れる位置を増やしていった。
その度、僕の体は熱を持つようになっていって。
ただ、太齋さんとの時間はすごく幸せで……
それだけで十分すぎるほど満たされた時間だったと思う。
そんなある日のこと
いつものように太齋さんの家で
いつも通り二人で過ごしていた。
ソファに座ってテレビを観ていると太齋さんに突然名前を呼ばれて振り向いた。
すると優しく頭を引き寄せられてキスされる。
最初は軽く触れるだけみたいな軽いものだったけれど
段々と深くなっていき気づけば舌を絡め合っていた。
「ひろくん…ベッドいく?」
それにコクっと頷けば、ひょいっとお姫様抱っこなんてされて寝室に移動して
ベッドにドサッと押し倒された。
それから太齋さんは僕のズボンに手をかけて、スルッといとも簡単に脱がしてきた。
上の服などは着たまま、下半身だけパンツ飲みの状態となり、少しスースーする。
今日、太齋さんに見て欲しくて選んだえっちな紐パンツ。
太齋さんは「めちゃくちゃエロいじゃん」
といって、Vラインの隙間に手を這わせてくるものだから
「ひ……ッ」と思わず声が漏れる。
それから太齋さんの指が僕のパンツの紐をクイっと引っ張るものだから
僕は腰を浮かせて脱がせやすくする。
すると太齋さんはクスッと笑ってから、ゆっくりとゆっくり焦らすように下ろしていった。
「ひろくんもう濡れてる……」
なんて言われて恥ずかしさに死にそうになるけど
「やっ…言わ、ないで」
それがまた興奮材料となってしまっていた。
「ふふ、今日は、何本入るか試してみよっか」
なんて言われて
僕の後孔にゆっくりと指を挿入してきた。
「はっ…ぅ、や、え」
(あ……っ)
異物感に思わず顔をしかめるも、太齋さんの指はどんどん奥へと入ってくる。
一本目が根元まで入ると、今度は二本目を入れてくる。
クチュクチュとナカで動かされて
「ん……っ、あっ、あっ…」
と声が漏れる。
「やっ……ま、待って、だめ…」
太齋さんの指が動く度にビクビクっと体が跳ねてしまう。
「ひろくん、気持ちいい?」
と聞かれて 僕は頭が真っ白になりながらも言葉を紡ぐ。
「きっ、きもち…っ、い、ぁ…」
素直に僕の体は快楽に溺れていた。
(もう無理……っ)
なんて思い太齋さんの首の後ろに手を回して抱きつけば、太齋さんはそれに応えるようにキスをしてくれた。
「んむ……ッ」
舌が絡み合う音が部屋に響く。
口を離して、太齋さんがヌプっと音を立てて僕のナカから指を引き抜くと、愛液が糸を引いていた。
太齋さんはそれを見せつけるようにペロリと舐めて、言った。
「今日はひろくんのこと俺の手だけでたくさんイかせてあげる……ほら、こっからが本番だよ…?」
事後───…
(…少しずつ、本当に少しずつだけど)
(太齋さんと恋人っぽく……いや、でも今は僕が太齋さんに気持ちよくしてもらってるだけだし)
(僕、もっと頑張らなきゃなんじゃ…?)
なんてベッドに座りながら考えていたら、太齋さんがコーヒーを片手にやってきた。
「ひろくん、体調とかは大丈夫?」
「異常ないです、けど」
「太齋さんの指だけで、あぁもなると不安になっちゃいます…」
「不安って…大丈夫だって。そんなバンバンやる気ないから安心してよ」
なんて笑いながら言ってくるけど
それに対して「太齋さん上手いから…挿れられたら気持ちよすぎて壊れちゃうんじゃないかと思って…」って返せば、太齋さんは目を点にして驚いた顔を見せた。
「あー…ほんと、あんまそーいう可愛いこと言わないで?ひろくんのことめちゃくちゃにしたくなっちゃうじゃん」
「へっ…?」
頭を抱えて俯く太齋さんの顔を覗く。
「これでも結構、抑えてんだからさ…」
「僕の、ために…?」
「当たり前、大事な子傷つけたくないでしょ普通」
「…ま、まあ…でも太齋さんって、優しすぎるって言われたことありません??」
「例えば元カノさんとか、付き合ってた人とかに」
その言葉に、太齋さんは少し間を置いてから答えた。
「ひろくんだけだと思うよ?俺をそんなふうに思うの」
「それに俺、元カノとかいないし。」
「へ?」
「それはさすがに嘘ですよ…!だって太齋さんみたいな人、女の子が放っておくわけ……」
「俺みたいな人って??」
「優しいしかっこいいし、料理もできるし……Theスパダリですし!」
「いや、本当にいないよ?ひろくんって俺のこと過大評価しすぎだよ」
「じゃあ、セフレとかもいなかったんですか?」
直球に失礼承知で聞くと
「うわめっちゃ色気ない聞き方」とツッコまれる。
「まあ、いたけど……もう昔の話だし」
「今はひろくんだけだよ」と頭を撫でられた───