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明那”王宮 湊様の自室”
今日は一段と外が騒がしい
銃のおとや人の悲鳴、耳を塞ぎたくなるようなものがたくさん聞こえてくる
今ここにいるのは五人、俺とローレン、晴、加賀美さん、そして湊様だ
[湊様、コーヒーです]
「ん、あぁ…ありがとう…」
湊様も今この国でどんなことが起きているのかを知っている
王宮に残った少しの人たちが止めにいってるが、ただの数分程度しか無理だろう
「…俺、死んじゃうのかな」
ポツリと、湊様が呟いた
[ッ湊様!そのようなことは…]
「じゃあなんでこんなことになってるんだよ!!」
突然張り上げられた大きな声に、加賀美さんも言い返せずにいた
「俺が、こんなことしてなければッ…もっとしっかりしておけば…」
自分を責め続ける湊様に俺らはなんも声をかけられなかった
刀也”森 入り口”
武器を持った民衆たちが、大勢で王宮に向かってる
国王は何をいっても多分許されない
きっと、捕まったら死刑にされるだろう
僕だって、許した訳じゃない
でも…
『あの人も一生懸命なんだし…』
{止まってください!}
僕は民衆たちの前に立ちふさがった
<あ!?なんだてめぇ!!>
<武器も持てないような一般市民が俺らのじゃまをするな!>
<てめぇは王宮の肩を持つっていうのか!!>
{持とうとなんてしない!僕は、僕は…}
<いいからどけ!邪魔なんだよ!>
目の前に刃の先を向けられる
民衆たちは口々にものをいい、僕の話なんて耳を傾けてもくれないだろう
<これ以上邪魔するッてんなら…>
{黙れ!!あの王宮には俺の大事な友達がいるんだよ!!}
<友達?そんなの知るか!!俺らの敵は全員殺してやる!>
{あの国王がどういう考えなのかは知らない!でも、何も聞かずにむやみに攻撃するのは駄目だ!!}
<その友達がお前にとっていいやつなのか?王宮の人間だ!どうせろくでもないような奴なんだろ!>
は…?ろくでもない?あいつが、?あきなが?
{あきなを侮辱するな!あいつは俺のたった一人の親友だ!}
刀也”森”
約半年前、僕はきのみを探しに、森にきていた
両親をなくし、独り暮らしをしてきた僕はにはお金なんてなかった
{…雨}
いきなり、バケツをひっくり返したぐらいの大雨が降ってきた
木々はそんなの遮ってくれず、流れるまま、森の中にも雨が入ってきた
{…帰れそうにないかな }
足場が悪く、すぐに滑りそうな地面だった
少しでも雨を遮られればと、僕は近くの大木に背中を預けた
そのときだった、あいつとはじめて出会ったのは
『…大丈夫、ですか?』
民衆たちとは違う、スーツのような服装
きっと、王宮の人間なんだ
{あ、大丈夫ですよ…}
僕はそのとき、王宮の人間とは関わりなくない一方で早く帰ってくれと、目もあわせず、ずっと心のなかで願ってた
王宮の人はみんなが幸せで暮らしになんて困ってなくて、僕らの気持ちなんて分からないような奴らばっかりだと思ってた
なのに僕が大丈夫といったのにも関わらず、この人は去らなかった
{…帰んないんですか}
『…』
僕のその問いにも、彼は答えなかった
もしかしたら雨の音で聞こえてなかっただけなのかもしれない
さすがにうざったく思い、ガツンと言ってやろうと、僕は顔を上げた
{あの!!はやく、か…え…}
彼の顔をみた瞬間、僕は言葉を止めた
彼の顔には、光なんてなかったんだ
{え…}
僕が呆気にとられていると、彼のほうから口を開いた
『…濡れますよ、傘、置いとくんで、使ってください』
それだけ言って、彼は濡れながら帰ってしまった
それが、僕とあきなの出会いだった
あの日から町でよく見かけるようになったから、話したりした
あきなが剣術を教えてくれていったときはもう喜んで教えた
僕と会うたびにつれ、最初は暗くて、笑顔も見せなかったようなあきなが、段々と明るくなっていくことで、僕は嬉しく思ったんだ
そして、王宮を通しても…
刀也”森 入り口”
<親友だからなんだ!!そんな生ぬるい関係!さっさと捨てちまえ!>
<ていうかはやくそこをどけ!ほんとに殺すぞ!>
{どきません、それに、あなたたちは僕を攻撃できないでしょう?法律があるんだし…}
<ッ、それが王宮に両親を殺された奴のやることなのか!!>
そうだ、僕の両親は王宮に殺された
湊様ではない、その前の人に
{いまはそんなの関係な…}
バンッ!!!
突然、胸に激痛が走った
{…は…?}ドサッ
うた、れた…?
なんで、どこから?
<は、はは…ッお前ら!今のうちにいくぞ!>
民衆は大勢で走りだし、王宮へ向かっていった
{まッ…ゲホッ}
声なんて出なかった
体が熱い、音が聞こえない…俺…もう…
薄れていく意識のなか、僕は天使をみた
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